【掌編小説】クリスマスローズ

同期のあいつは冬休み。今やお局の私は冬休みを取っている同僚が沢山いる中(この会社はやたら休暇を取りやすい)、この部署の放り投げられている仕事を、他にやる事がないからって淡々と終わらせていく。
 同期のあいつは冬休み。あったかい服を着て、あったかい物を食べて欲しい。無理なんかしないで欲しい。無理なんかしないで、目の前の幸せに飛び込んで欲しい。
 あいつの奥さんが亡くなって四十九日。奥さんの魂は生前の

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今夜だけは、アサイーブームを忘れない
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飛騨の地にさそわれて -姫の恋旅路-

今回、旅で岐阜はただの通り道でしたが、

福井のイベントのあとに、私たち家族は、どうしてもまた岐阜に行きたくなって、

山形へ帰るのに、岐阜経由をすることにしました。

そこで、飛騨に向かったんですね。

飛騨というのは、本当にわたしにとっては、特別な場所で。

それは、さかのぼることは、中学生のときに戻ります。

中学三年だった私は、多感な思春期時代をすごしていたのです。

けれど、感覚が鋭敏だ

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電信柱とジキタリス 後編+あとがき

前編

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「そして、彼女も死んだ」
 そう言って、彼は口を閉ざした。
 白い病室の中。私と彼はお互いに沈黙した。
 ――彼にはまだ語れることはあるはずだ。私は、彼に問いを発した。
「彼は、そして彼女は、何故死んだの?」
 しかし、私の問いに彼は首をゆるゆると振るだけだ。私はなおも強く懇願した。
「教えて、父さん。何故、拓也さんと可奈――私の夫と妹は死んでしまったの?」
「僕は君の父

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いっぱいちゅき……
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1人乗り

知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がして立ち止まる。全体的にぼやけた世界、馴染みのコンビニや通ってる学校なんかがぐしゃぐしゃに並んでる。時間の概念のない世界で体感数分間が経ち、夢の中だと気づく。不思議な感覚は処理されてしまい、朝を待つ自分が生まれた。
車のない車道を進む。現実なら五分ほどの距離で、どこか懐かしい背中を見つけた。夢の中だと分かっているから、夢の中だと分かっていたら永遠に覚

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アフターダーク

「青色ってどんな色だっけ?」
 今はもう昔になってしまった記憶の、海と空を想って聞いた。もう、ぼんやりとしか思い出せないでいる。例えば絵の具で海と空を描いたなら、その絵には海と空の違いなんかなくて、全部一色の青色で染まってしまうだろう。
 それはもう海の底に雲があるような、空の中に鮮やかな魚が泳ぐような、そんな曖昧なものになってしまう。
 もう、この目に映っていた世界を思い出せないでいる。
「うん

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スフィンクスの眠り / 目覚めぬ人 (なか見1: ベルリン郊外を舞台にした小説『翡翠の神話』 より)

アンティークなアーチ型の窓枠に縁取られたハイリガー湖の風景は、彼女に四季折々の色彩を提供するキャンバスのようだった。若葉色の春、深緑の夏、黄金色の秋、白銀の冬。対岸の中央に白い大理石宮殿を据えながら、音もなく移ろい、日々少しずつ色味を変えていく。彼女の枕元で囁く彼の声に導かれて、静かにゆっくりと時を刻んで。

 とは言え、アニカのハシバミ色の目で実際に見えていたのは、屋敷を囲う郊外の緑と、人通りの

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「ほんとに? 嬉しいです!」by 『PHASE』の城崎青年
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永遠

許されぬ想いなら
気づいてしまいたくなかったの

叶わぬ恋なら
知りたくなかったの

この箱の中 幾重にも
重ね重ねて
鍵をかけた 感情に

どんな名前があったのか

泣けば叶う恋ならば
私の恋は もっときっと
簡単だった

縋れば叶う想いならば
この恋は もっとはやく
叶ったはず

結う先のない赤い糸なら
まだバレないうちに
結う先のある白い糸を
紡いでいくね

特別にはなれない

だから

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更新頑張ります(`・ω・´)ゞ
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一時の夢 僅かばかりの時間の恋人ごっこ
何もかもすっ飛ばして
 
一刻の甘い夢を魅せる 私の仕事

私は格子の中の嬢 あなたはお客
出逢い方から間違えた恋

あなたの腕の中 居れば居るほど
苦しくて 甘くて 深みにハマる

溢れる想いは 隠し通さなくては
頑丈な錠を付けて 鍵は放り投げて
深い深い 奥底に仕舞い込んでしまわなければ

もう二度と 同じ涙を流したくないから

優しくしないで 
頭を撫

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更新頑張ります(`・ω・´)ゞ
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運命

ありがとう 出逢ってくれて

ありがとう 愛を与えてくれて

ありがとう 痛みを教えてくれて

離れるしか もう道はないけれど

出逢ったことが 運命ならば

離れることも きっと運命なんだ

雨の夜

離さないでと 絡み合う腕

抱き締めあった 帰り道

恋を 愛を 痛みを
教えてくれた 与えてくれた

離れる道しか 残されていなくても

君は僕の運命の人

更新頑張ります(`・ω・´)ゞ
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空に溶ける

素直じゃない僕

真っ直ぐな君

ゆっくりで良かったんだ

理解されなくてよかったんだ

ただ僕が君を

君が僕を

永遠に愛している

その事実があれば
構わなかった

流したことのない雫の熱さに
空に溶けた君への想いも
混ぜてしまえ

素直じゃない僕の
最初で最後の本音

『100年先で、また逢おう』

更新頑張ります(`・ω・´)ゞ
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