悼む

猫はすでに死んでいて、からだを固くして丸まっている。彼は、むき出しになった猫を抱き上げて立ち上がり、もう一度港のほうを眺めた。そして、徐々に脂が抜けつつある灰色の毛にてのひらをあてながら……(土門蘭、2019)

台湾へ来たら、街で私と会えるかもしれない~★♪
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切り花が苦手だった

水差しに差していた、花が枯れた。

しおれ始めから「ああ、そろそろおしまいかな」と、
そう思うまでの間は、ほんとうあっという間だ。

むかし、
お花屋さんで鮮やかに咲いている、切花が苦手だった。

だって、もう「それらは切られてしまっている」から。

地面から切り離され、彼らの鮮やかさの後ろには、
腐るか枯れるかの未来しかない。

もし買って帰ったら、
私は綺麗なこの子たちの腐る様を見ないといけな

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うれしいです。
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秋雨

がたん、ごとん、がたん、ごとん。
電車の外は雨が降っている。
こんな日くらい死者を悼んでセンチメンタルな気分になっていても許されるだろうか。

2年前の秋、今日のように天気の悪い日に、私はサークルの友達が死んだことを、当時の恋人からのLINEで知った。

夏休み中から、連絡が取れなくなっていた一人暮らしの友人だった。地元が北関東の男の子で、夏休みだから帰省しちゃってスマホ放置気味なのかな、とか

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