柚月裕子

暮らしと学問 13 概念としての猫

(はじめに)もっとも使いこなしている言葉や生活の所作ほど、実は、もっとも考え抜かれた末や工夫の末に導き出されたものではないかも知れません。猫との暮らしから世界と人間を少しだけ丁寧に考えてみました。

猫との暮らしから世界と人間を考える

 今月、読んだ本のなかでもとびきり面白かったのが、角田光代ほか『もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた』(河出書房新社、2019年)です。角田光代さんほか吉田修

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柚月裕子『盤上の向日葵』(中央公論新社)

【核心には踏み込まないようにしていますが、相当ネタバレです。無心に読みたい方は注意】

2017年の本屋大賞2位だった、柚月裕子『盤上の向日葵』を読んだ。562ページの大作を、先が知りたくて必死にページをめくり、2日で読む。柚月裕子は『孤狼の血』に続き2冊目。どちらも刑事を主人公としている小説(『盤上の向日葵』の方は本当の主人公は上条桂介だが、小説の視点が彼にクローズアップするのは物語の後半で、そ

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「仁義なき戦い」という叙情詩 Introduction

時は1973年1月13日。

東映が後に数々のフォロワーを生み出し続ける名作、

「仁義なき戦い」

を世に送り出した。

広島で実際にその道の人であった美能幸三の獄中での手記を元に作家の飯干晃一が書き上げ、週刊サンケイに連載した「仁義なき戦い 広島やくざ・流血20年の記録」の映画化である。
全5作の監督は深作欣二、主役を菅原文太が務めた。そして作品の肝となっている脚本は笠原和夫が4作目までを担当

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【2018 本が好き!倶楽部 大賞(作家の部)発表】みんなで10000冊読めるかな?

(本の部)は、こちらの記事をご覧ください

【2018 本が好き!倶楽部 大賞 発表】
https://note.mu/bookparty/n/na9ee832d205e

『本が好き!倶楽部』が、2014年から毎年facebookで開催している年間イベント、

【みんなで10000冊読めるかな?】

残念ながら2018年は二年連続で10000冊に到達できませんでしたが、それでも読まれた冊数は

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【2018 本が好き!倶楽部 大賞 発表】みんなで10000冊読めるかな?

『本が好き!倶楽部』が、2014年から毎年facebookで開催している年間イベント、

【みんなで10000冊読めるかな?】

残念ながら2018年は二年連続で10000冊に到達できませんでしたが、それでも読まれた冊数は…

7000冊!!

その7000冊の中から、ホンスキー(本好きのことを我々のコミュニティではこう呼ぶ)に最も人気があり、最も読まれた10冊を紹介します。

作家が選んだわけじ

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血の継承

私は逆らって泳ぐことで、強くなった。

ファッションブランド「CHANEL」の創業者ココ・シャネルの言葉として語り継がれているフレーズだ。周りの声や時代の波に流されず自らの道を信じることによって貫かれることを表した言葉は、現代ファッションの礎を築いたクリエイターとしての力強さに満ちている。

2016年に日本推理作家協会賞を受賞した作家・柚月裕子の長編小説だ。暴対法が成立する以前の昭和の時代。呉原

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孤狼の血

5/12公開ですが 一足早くレビュー。
柚月裕子原作小説の映画化。
昭和63年 広島県・呉原市
組長不在の隙を狙い尾谷組のシマへ進出してきた加古村組。
一触即発の状況下において、加古村組系列の金融会社で経理をしていた男が姿を消す。
男の失踪を殺人事件であると睨んだ広島県警のベテラン刑事 大上(役所広司)は、新人刑事 日岡(松坂桃李)を引き連れ捜査を開始する。
大上の手段を選ばぬ捜査方法に疑問を抱く

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