港区郷土歴史館

空想対話7〜大自然の中の旧講堂

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話7〜自然の中の旧講堂

「内田先生、旧講堂ですが私も1999年に何度か災害リスクの研修会で机に座らせていただきました。」

「そうなのですね。」

「当時は申し訳ないですが古いなあ、との印象しかありませんでした。しかし今回、時間をかけて空間の勉強をさせていただくと教育に対する壮大なメッセージを盛り込まれているのですね?」

「これも詳しく聞かせて

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空想対話6〜気配りの内装仕様・細やかな施工・徹底したデザイン監理

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話6〜気配りの内装仕様・細やかな施工・徹底したデザイン監理

「内田先生は防災、構造設計が専門と認識していたのですが、旧公衆衛生院を拝見していると、気配りの内装仕様、細やかな施工に驚きました。失礼しました。
そして、徹底したデザイン監理。やはり現場には厳しかったのでしょうね?」

「さて、どうでしたでしょうか。」

■気配りの内装仕様
全ての居

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空想対話5〜象徴的な中央ホール

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話5〜象徴的な中央ホール

「内田先生、この建物の象徴的な空間 中央ホールについてですが、天空(未来)光(導き)地上(今)が時間軸、空間軸に編み込まれた"生き方"につながる哲学的な構成のように推察されるのですが」

「ふむ、もう少し詳しく聞かせてくださるかな?」

■中央ホール
空間を作るにあたってのイメージは、「宇宙と地球」或いは「天空に開か

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空想対話4〜△◯◇の構成その3

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話4〜△◯◇の構成その3

「次に◇についてなのですが、天へ突き刺すためにも土台がしっかりさせておくことからなのでしょうか?」

「三角、丸、四角が並んでいますね」

② ◇のデザイン
四角は大地を象徴し、どっしりと揺るがないことが表現される。また学問を表すものでもあり、研究施設、学校として建てられた旧公衆衛生院に相応しいデザインである。

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空想対話3〜△◯◇の構成その2

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話3〜△◯◇の構成その2

「次に◯についてなのですが、先生はどんな場所で、どんな時で、どんな方にも優しいくて、ジェントルマンでいらっしゃるのですね?」

「どういうことかな?」

② ◯のデザイン
◯と言うとすぐに頭に浮かぶのは中央ホールだが、ここはゴシック建築の全ての文脈につながる空間なので、後で述べることとする。

一部の空間を除いて室内

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空想対話2〜△◯◇の構成その1

旧公衆衛生院をとおしての建築家・内田祥三との空想対話2〜△◯◇の構成その1

ゴシック建築の技術で代表的な、リブ・ヴォールト、フライング・バットレス、尖塔アーチは、旧公衆衛生院には見かけられない。
しかし、よく見ていくと、その考え方、意匠デザインのエッセンスが散りばめられている。これこそが内田ゴシックと言われる所以と思われる。

基本となる空間構成は、△◯◇でできている。

「内田先生、おでんはお

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空想対話1

建築家 内田祥三との空想対話を続けている。

築81年の歴史的建造物は、ついついディテール、デザインに気をとられてしまうが、何日も空間の中で過ごしていると、
「先生、どうしてこのような構成なのですか?」と、無意識に聞いているような気持ちになる。
もちろん、天国から答えてくださるわけがないのだが、
「きみはどう思う?」
「△◯◇の構成がベーシックにあるのではないでしょうか?」
「うーむ、ではこれはど

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設計者との対話

内田祥三先生が編み込まれた建造空間の研究が続いている。

関係資料に目を通しながら、実際の空間と対話をする。

対話と言っても、わからない箇所を眺めながら、仮説を立て意味付けができるかどうかの繰り返しであるが。

構造はともかくとして、意匠・デザインはじっくり観ていると何かしらの「私はこう思うのですが」のイメージが浮かんでくる。

安藤忠雄氏は、設計図は言葉だと話された。
ではリアルな空間は?おそ

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