羊四部作

村上春樹が描く「孤独と共生」~卒論(75,512文字)公開する~_8

一連の公開済みは村上春樹についてひたすらに長い卒論にまとまっています。

2‐5‐12 人物

2‐5‐12‐1 主人公

主人公は『ノルウェイの森』の主人公同様、デタッチメントが確立できている。ここでは主人公の性格がわかる箇所を挙げる。

『1973年のピンボール』での主人公が孤独であることを示す記述は例えば以下である。

何か月も何年も、僕はただ一人深いプールの底に座りつづけていた。温かい水と

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村上春樹が描く「孤独と共生」~卒論(75,512文字)公開する~_7

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2‐5‐5 弱さ=歪み

四作品を通して、「弱さ」が重要な要素として登場する。これは、『ノルウェイの森』における「歪み」と同様の意味ととれる。

「俺はきちんとした俺自身として君に会いたかったんだ。俺自身の記憶と俺自身の弱さを持った俺自身としてね。君に暗号のような写真を送ったのもそのせいなんだ。もし偶然が君をこの土地に導いて

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村上春樹が描く「孤独と共生」~卒論(75,512文字)公開する~_6

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2‐5 「羊」四部作

『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険(上、下)』、『ダンスダンスダンス(上、下)』の四作品は登場人物が連動した連作である。

ここでもやはり作品から、デタッチメントとコミットメント、またその両立について分析したい。

2‐5‐1 文章、ものさし

『風の歌を聴け』では、文章

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