Eccentricity

渋谷はハチ公以外に見るとこがない〜カラシの秘密③〜

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【連作短編『月』第三十四夜】
【読了時間:3分 1370字 挿し絵枚数 37枚】

カラシにはハロデという恋人がいました

ハロデは造成地から工場に持ち込まれた

木の穴の中にいました

運良く2匹は出会いました

2匹はついに孤独ではなくなりました

カラシが住んでいるU字溝は

狸やカラスに襲われることもなく

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公園の風船

ワタシは公園で昼寝をしただけだ

一度 目が覚めたときコニタンもエナも

スマホをしていた

次に目が覚めたら2人共いない

電話したら

「サリー(わたし)が先帰ってろって

言ったんじゃん」

だって ありえない

連れてきたのは あんた達なのに

風船だ

あなたも置いてかれたのね

「早くお家に帰りなさい」

ワタシはそう言って 風船を空に放

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神さまの香りのポンチョ

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【連作短編『月』第十九夜】
【読了時間:1分 589字 挿し絵枚数 6枚】

「あら なんか いい匂いがする」

Ayaさんは 恐ろしく鼻がいいです

「昨夜 Ayaさんが 持って来てくれた花ですよ」

「なる」(←なるほどの意味らしい)

「ん! 月ちゃん着てるやつ だいぶ臭うね

月ちゃん それ脱いで Ayaのストール巻いて」

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ミスト

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【連作短編『月』第十八夜】
【読了時間:1分30秒 749字 挿し絵枚数 7枚】

今夜は霧が出ました

ヘーカは多分別な世界にいます

Ayaさんは 珍しく 夢遊病ではない方の

Ayaさんでした

月ちゃんの 『月極駐車場 セントヘレナ』の

オープン記念に お花を持って来てくれました

Ayaさんが生けてきたお花です

「三角

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カラシとホットケーキ

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【連作短編『月』第十七夜】
【読了時間:1分 685字 挿し絵枚数 9枚】

Ayaさんは 大量のホットケーキを焼きました

何故かカラシが運びます

カラシはベッドにホットケーキを置いて

そのまま森の中に飛んでいきます

カラシはヘーカがいる場所に行き

レンガをくわえて Ayaさんのマンションの

方に飛んでいきます

カラシ

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セントヘレナ手記

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【連作短編『月』第十六夜】
【読了時間:1分 633字 挿し絵枚数 7枚】

ある晩 ヘーカが

看板を持って現れました

産廃の出物(でもの)です

ヘーカはスプレーで上の文字を消しました

その看板に金具をつけてベッドに

くくりつけました

「ナポレオン」
「ナポレオン」
「カメレオン」

柳さんが一斉に言いました

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天才とうどん

Ayaさんは高校3年の時 保健委員で

お昼ご飯を食べたあと

昼休みに保健室にいました

その時 窓を挟んで話しかけてきた男子がいました

頭のいい「 天才君」と呼ばれてる子でした

天才君はAyaさんと帰りの方向が同じだったので

一緒に帰るようになりました

何を話したか まったく覚えていませんが

お互いずっと笑っていた気がします

天才君が大学に入ってすぐに亡くなったと

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死の森と龍の王妃

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【連作短編『月』第十四夜】
【読了時間:1分 651字 挿し絵枚数 8枚】

月ちゃんが現れる半年前ぐらいの夜です

一台のタクシーが柳さんの行き止まりに

入ってきました

中から一人の疲れたスーツのおじさんが

降りてきました

おじさんは柳さんの下に座りました

「こんなことってあるのか?

なにも思い出せない わしはだ

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畑に木はいらない?

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【連作短編『月』第十三夜】
【読了時間:1分 681字 挿し絵枚数 6枚】

柳さんは畑の方を見ながら話します

「ここは全部森だったの」
「ここは全部森だったの」
「ココア全部盛りだったの」

「畑に木はいらないって」
「畑に木はいらないって」
「裸は気に入らないって」

「なにもつくらないのに」
「なにもつくらないのに」
「なにもつ

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カラシミステリー

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【連作短編『月』第十二夜】
【読了時間:30秒 391字 挿し絵枚数 7枚】

月ちゃんはある晩思いました

カラシは月ちゃんが見ている間 ずっと

空中を飛んでいます

よく見ると カラシには足が ありません

そういえば 雨の夜に Ayaさんが

言っていました

「ああ カラシです 雨で溝の底に水が流れて

るんで 眠れず

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