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貿易戦争を読み解くには、各国の構造の差を知ることが不可欠

米中貿易戦争がエスカレートし、世界経済に大きな影響を与えている。今後どのように推移するかを判断するには、各国の経済構造の基本を正確に理解する必要がある。

◇輸出依存度が高い中国は高関税に弱い
 第1に輸出依存度を見ると、中国がずば抜けて高い。中国経済は輸出によって成長したわけだし、何らかの理由で輸出が減ると、大きな打撃を受ける。
 そのことは、2008年のリーマンショックで実際に起こった。
 そ

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米中貿易戦争は、今後も収まらない

8月1日にトランプ大統領が対中追加関税第4弾を発表して、世界的に株価が下落した。
 その後、株式市場は一時的に安定を取り戻したかに見えたのだが、8月14日に再びダウ株価が800ドル安と大暴落した これは、今年最大の下げ幅だ。日経平均株価も、15日には一時400円超の下落を記録した。
 これは、13日に第4弾の実施を9月1日から12月まで延期するとした直後のことだ。マーケットは、「これだけでは米中

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中国語の知識なしに、中国の統計データサイトを使いこなす

中国の統計データサイトは、しばらく前に比べればずいぶん使いやすくなりました。しかし、まだまだ使いにくい面があります。

 何よりもまず、中国語を読めないことが大きな障害となります。
 しかし、幸いなことに、画像認識と自動翻訳の技術が発達したため、これを克服できるようになっています。
 中国語を知らなくても、中国の統計サイトを利用できます。以下に、そのためのいくつかのティップス(ヒント)を記します。

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世界経済の長期予測

◇ 2030年代に中国がアメリカを抜く
日本経済研究センターが行なった2060年までの長期経済予測によると、2060年はアメリカと中国が経済規模で拮抗する世界になる。
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO47775960V20C19A7KE8000/

https://www.jcer.or.jp/economic-forecast/20190617-2.ht

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米中経済戦争が新たな局面に

米中貿易戦争がエスカレートし、世界経済に動揺が広がっている。
 日本企業も生産拠点移転などの対応を迫られている。円高進行の可能性もあり、日本経済も大きな影響を受ける。

◇エスカレートする米中貿易戦争
 トランプ大統領は、アメリカが輸入する中国製品の約3000億ドル(約32兆円)分に9月1日から10%の関税を上乗せすると、8月1日にツイッターで明らかにした。
 今回の対象は中国からの輸入総額の約5

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ライドシェアリングは過度的な技術

既得権益が新しい技術の導入に反対することが、日本経済の停滞の基本的な原因だ。

 ライドシアリングがなかなか進まないのは、その典型例である。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14105987.html

 ただし、ライドシェアリングは過度的な技術だ。
 自動運転になればタクシーは無人になる。
 レベル5の自動運転(完全自動運転)が導入されるのは、202

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米中経済戦争をデータで追跡する

米中貿易戦争の状態を正しく知るには、自分でデータを分析する必要があります。
 米中の経済データがどこで得られるかを、以下に示します。

1.中国のGDP:中華人民共和国国家統計局
1-1 GDP(名目):国内生产总值
(このデータが表示されない場合、左の「指標」で上記項目を選択します)

1-2 GDP四半期成長率
(このデータが表示されない場合、左の「指標」で上記項目を選択します)

1-3 G

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米中貿易戦争は、中国の成長を叩き潰す戦い

トランプ大統領は、中国からの輸入に高関税をかける理由として、「雇用をアメリカに取り戻す」と言っていた。私は、それがまともに受けていたので、「高関税をかけたところで製造業の生産や雇用はアメリカに戻らない。だから、高関税政策はまったく無意味」と考えていた。
 しかし、中国の成長を叩き潰すという点から言えば、高関税は確かに有効な方策だ。
 とくに、外資が生産拠点を中国からインドや東南アジアに移す動きが本

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ローマ共和国か中国か?

人類の歴史を通じて、文化的、科学技術的に最も長く世界の頂点にいたのは中国であった。
 ただし、そうした国家理念が広く世界的に受け入れられたというわけではない。
 中国は常に官僚国家であり中央集権の国であった。また、地域的にも閉じた国家であり、世界制覇をしようとは考えなかった。そうした意味では、覇権国家ではなかった。

 ヨーロッパ社会の基礎は、ローマ共和国だ。
 分権国家、小さな官僚機構、商業的な

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貿易戦争はアメリカが圧勝

◇アメリカ経済は堅調
 貿易戦争で中国は痛手を受けているが、アメリカ経済は堅調だ。1-3月(第1四半期)の実質GDP速報値は、成長率が予想以上に加速した。在庫と純輸出が全体を押し上げた。

 米中貿易戦争の結果がこのような形で現れることは、予想されていたこととはいえ、改めて驚きである。

 「予想されていた」というのは、GDPに対する輸出の比率が、中国の方がアメリカよりかなり高いことだ。
 

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