Rave

'95 till Infinity #041

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #033

 俺たちは、てんでばらばら、好き勝手に、さっきあの瞬間が俺たち一人一人にとってどれだけすごいことだったかを、自分が何を言っているか、相手がそれを理解しているかなんて気にもせず、叫びあっている。

 それはもうマニュアル

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'95 till Infinity #037

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #029

 そうやって俺が独り待っていた何かは俺があのパートを見る度に必ず訪れた。

 ある時は音もなくやってきて気づくと横にいたこともあったし、壁を時間をかけてすり抜けてきたこともあった。

 それがどうやって来たかなんてこと

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'95 till Infinity #040

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #032

 俺のコマ送りの記憶の中のカイロは、水平線しか見えないクソデカい真っ青な太平洋を、カンカン照りの太陽の下、極上の風を受けまっすぐに進む帆船のように堂々と進んでいる。

 1mmもぶれずに重心を完全にコントロールしたまっ

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'95 till Infinity #039

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #031

 カイロはもう坂を下りきっていて、永遠に続くと思っていたマニュアルも次第にスピードを落としていく。

 体のバランスを前後にずらしながら、カイロは最後にどうにか10cmでも前に進もうと足掻くけれど、完全に平らになってし

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95 till Infinity #038

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #030

 繰り返し見たこのビデオで俺が感じたのは、この絵がその時、その場所ででなければ撮れなかっただろうということ。

 サンフランシスコの坂やくすんだ空、濃紺の海に坂を滑り降りていくスケーター。その全てがあの瞬間一緒にあの絵

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'95 till Infinity #036

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #028

 今となってはタイトルすら思い出せないけれど、当時の俺はあるスケートビデオのサンフランシスコのパートを繰り返し見ていた。

 サンフランシスコ特有の、他の街じゃ誰も滑ろうってしないんじゃないかっていう急な坂を海に向かっ

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'95 till Infinity #035

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #027

 カイロのマニュアルはどこまでも、どこまでも続いた。

 俺はこの時、このマニュアルがどこまでも永遠に続くんじゃないかと思っていた。もちろん、俺もバカじゃないから、世の中には重力だの摩擦だのと物理の授業で右から左へと俺

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'95 till Infinity #034

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #026

 トーニの家からバス停のあるキャニング・ハイウェイまでの路地を俺たち3人は押し黙りただただ歩く。キャニング・ハイウェイに辿り着いたところでカイロが黙って手に持っていた板に飛び乗る。

 すっとノーズを浮かしたカイロは、

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'95 till Infinity #033

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #025

 俺はトーニにもう一度だけ言ってみる。

 「なぁ、トーニ、その金あったとこに返してこようぜ。どう考えてもよくないぜ、そんなこと」

 トーニは俺の目をまっすぐに一度睨んで答える。

 「俺が俺の母ちゃんの金を取ってき

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