【短編】好きだった人が結婚しました #5

好きだった人が結婚した。彼女は生まれた時から一緒だったろうと思う程にずっと隣にいる幼馴染だった。小さい頃は一緒に遊んだし、一緒に寝たりもした。ふたりでこっそり悪戯したことがバレて先生に怒られたこともあった。僕が進学しようとした高校に一緒に行くと言い出して勉強を教えたりもした。大学の卒業式も隣に居た。

お互い別々の会社に就職したものの、週に何度かは一緒にご飯を食べていた。会社の愚痴を言い合ったり、

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[九条林檎・桃子SS] それはわたしにないものだから

「林檎ちゃんはさあ」
背後から間延びした声が聞こえる。林檎と呼ばれた女性はキーボードを打つ手を止め、僅かに画面から視線を外した。
「どうして配信者なんかやってんの?」
林檎の表情がほんのすこしだけ緩む。そうしてそ疑問に答えるため、疑問の主である女性、桃子の方へと体を向けた。
「そんなことを言って、貴様ももう十分わかってるんじゃないのか?」
桃子はソファに寝そべり、スマートフォンから目を離さないまま

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【金魚譚】真夜中の来訪者

午前三時。
 蜷川邸の寝室に、ベッドのスプリングが激しく軋む音は響いている。

 暫くして、事を終えた夫婦がそのまま寝息をたて始めた。

 その一時間後。
 夫の漆が眼を覚ます。

 程なくして、ぐっすり眠っている妻の美嘉を一瞥し、冷え切った部屋から漆は出て行った。

 漆は喉が渇いたのだろう、一階のキッチンへ下り、冷蔵庫から麦茶の入ったガラスポッドを取り出し、それをコップに注ぎ、一気に飲み干した

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おいでよ★ハーレム(6)|「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」

「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」は、ラノベ作家を目指す少女・きぃちゃんと、その友人の日常を描いたゆるゆる物語である!!

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●きぃちゃん:ラノベ作家志望のJK2。アホな子。

●桃ちゃん:いい子。

●青ちゃん:不思議ちゃん。

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前回までのあらすじ:「ハーレムものも書いてみたいなぁ!」ときぃちゃん。あれこれアイデアを出す3人だが……今回は「スラムのヒロイン」

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チョコレート大作戦 -2019 盛夏-

この暑い日にチョコレート?そう不思議そうに首を傾げる。お土産にチョコレートをたくさん買ってきたの。どれがいい?と色とりどりのチョコレートを乱雑に床へとばら撒く。顔が赤くなるのを気づかれないように、チョコレートを入れるために持参した紙袋で隠して、どれを選ぶのかなーと、そうっとハミングしてみせる。二人で一緒に選ぼうか。そうして、手を伸ばしたり、ふらふらしたり、これかな?どれかな?あれかな?と彷徨ったり

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おいでよ★ハーレム(5)|「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」

「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」は、ラノベ作家を目指す少女・きぃちゃんと、その友人の日常を描いたゆるゆる物語である!!

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●きぃちゃん:ラノベ作家志望のJK2。アホな子。

●桃ちゃん:いい子。

●青ちゃん:不思議ちゃん。

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前回までのあらすじ:「ハーレムものも書いてみたいなぁ!」ときぃちゃん。あれこれアイデアを出す3人だが……今回は「NTR(寝取られ)

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サイズ直しをしてくれない店員達

ワンピースも

わたしは人並み外れて体が小さい。SSサイズ(5号)でも、ワンピースはときどきブカブカである。買いに行くお店はだいたい決まっていて、5号サイズの扱い店だと体に合う服も多い。また、5号を買ってサイズ直しに出すこともできた。以前は……。

腕のいい技術者が減ったのだろうか。断られてばかりになってきた。サイズ直しの職人からは「自信がない」と、ショップ店員は「きれいに着てもらえないものは売り

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おいでよ★ハーレム(4)|「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」

「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」は、ラノベ作家を目指す少女・きぃちゃんと、その友人の日常を描いたゆるゆる物語である!!

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●きぃちゃん:ラノベ作家志望のJK2。アホな子。

●桃ちゃん:いい子。

●青ちゃん:不思議ちゃん。

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前回までのあらすじ:「ハーレムものも書いてみたいなぁ!」ときぃちゃん。あれこれアイデアを出す3人だが……今回は「声優」編

※前回

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おいでよ★ハーレム(3)|「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」

「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」は、ラノベ作家を目指す少女・きぃちゃんと、その友人の日常を描いたゆるゆる物語である!!

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●きぃちゃん:ラノベ作家志望のJK2。アホな子。

●桃ちゃん:いい子。

●青ちゃん:不思議ちゃん。

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前回までのあらすじ:「ハーレムものも書いてみたいなぁ!」ときぃちゃん。前回、「ヒロインが全員ヤンデレ」というアイデアが出たが……今

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【ss】最初で最後の嘘

もしも俺が変わらないことを求めたら
君は変わらずにいてくれたの?

「もう一緒にはいられない…」

そう君に告げられたのは数十分前。
納得なんて出来るはずもなくて。
お互い我儘に一方的な思いをぶつけ合うような、話し合いとも言えない時間が続いている。

「別れるのは…無理」

「どうしてよ…」

「俺にはお前しかいないから」

「そんなの私が同じ気持ちじゃなくなった時点で成立しないじゃない」

その

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