[今日の刺言] 1行の詩のためには、 あまたの都市、あまたの人々、 あまたの書物を見なければならぬ。 あまたの禽獣を知らねばならぬ。 空飛ぶ鳥の翼を感じなければならぬし、 朝開く小さな草花のうなだれた羞らいを究めねばならぬ。 リルケ『マルテの手記」より * 感性とは、儘ならぬ。
私は今年多くの樹に触れてきた。樹の生命を思う。いまリルケ「世界内面空間」をよく読み返す。鳥と樹は互いに深く結びついた存在だ。両者はある点で、分かちがたい。樹と鳥と、そして人と。人はこれらを感じ、観察するが、破壊もしている。 鳥は、樹の存在性を私(達)より遥かに分かっているはずだ。