いや新シリーズは横須賀の紹介か？　オシャレな横浜と違う、ドブ臭い横須賀の魅力の発信。なにせ流れ者の辿り着く終着駅の街。白いの黒いの黄色いのの、ごった煮スープ。私はこの街でさんざ笑い、さんざ飲み、さんざ追われ、さんざケンカし、さんざ別れ、さんざ涙した。ジプシーたちとともに。これか？

若いなあシリーズ。なにかしたくてたまらなくて、それがなんなのか手探りしていたあの頃。傍らにはいつもバイクがあり、バイク仲間がいて、酒飲んで、横須賀をふらふら歩いて、つまづいて、そのたびに空を仰いでいた気がする。青年というより、ボーイ。恥ずかしい詩をたくさん書いていた。

こんな画像が出てきた。売り場で見つけた時は、思わずガッツポーズをしたに違いない。といって「5円で買えてラッキー」だからではない。85％引きで買えたことに幸運を感じたのである。また「もやし」というのが示唆に富み、じつに暗喩的である。幸せは足が早いのだ。見つけてもすぐにいなくなる。

「千マイルブルース」のkindle出版の準備を進めている。しかし妙なものである。二度も紙で出版された作品を、著者が電子でセルフ出版するのだから。けれど残すべき作品だと確信しており、となるとkindleの形態がベストなのである。裏返せば現状の出版業界に大いに疑問ありということ。

とても珍しい、さらさらヘアの山田深夜。たぶんパーマをあてる金がなく、自分でカットしていた頃だろう。で、「めんどくせえ」と電動バリカンのアタッチメントを外し、ガーッと刈りだすのだ。つまり端境期の頭髪。ちなみに隣の女性は、ただの飲み友達。だったと思う。

そしてこの頃から、自分が浮いていることをうすうす感じていた。この格好でフォルクスワーゲンの白いカブト虫に乗っていたのだが、なんだか注目を浴びるのである。すべては「きちんとしなきゃ」との思いからなのに。会社からも「普通にできないのか？」とよく言われ、何度も首を捻ったものだった。

こんなのが出てきたが、GPz750なんか乗ってたっけ？ いやずっとカワサキ党だったし、これは私だ。キリンビールのラベルを刺繍にしたワッペンにも覚えがある。でも、なぜにキリン？ バドワイザーに対抗して特注で作ってもらったのか？ で、この革ジャンは今どこだ？ 過去とは謎ばかりである。

そして歳を重ねて、今。個人的には、ようやくバランスが取れてきたと感じている。側と中身の。あとはどれだけ、好きなバイクに乗っていられるか。ロングライダーを目指したい。

知り合いの自転車。「ったく。自転車で出かけると、いっつもこれなんだよな」とボヤいている。停めていると、いつの間にか前カゴにゴミを捨てられてしまうのだ。帰る頃にはカゴ一杯になるらしい。私は面白いので、いつもニヤニヤと眺めている。皆に「ゴミ回収車」と呼ばれていることを彼は知らない。