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はるの崖モーセ海割るものがたり

街空にきえてもとぶかしゃぼん玉

おんがくよいきいき暮らす春の街

まんかいよ咲きうずもれて八重桜

家じゅうのまどがひかる夜春の雷

離別後よ問いかけてくるはるの月

春の富士羯鼓がひびきだすように

菓子楊枝葉かおりたってさくら餅

坂の街ひろがるそらよあさざくら

ドライブよ景色ながれてはるの風

ジャムナイフパンに撫でつけ春暁

ちいさな堂おおきな空よ花まつり

生き抜いてこそ長命寺さくらもち

富士あおぐ耳におんがくはるの風

さいごまで見おくりはせず帰る雁

木のかげに来てあかるさよ花に雨

タクシーもはなびらめくかちる桜

紋白蝶日ざしのいろということか

日に風にまかせる島よわかめ干す

大空をひっくりかえしつばめとぶ