キャラクターをどうやって作るか考えよう――基礎となる考え方メソッド


 こんにちは、ぼくは魔法おじさんなる小説をnoteで書いている命知らず、ハシビロコウというものです。
 今日はnoteの偉い人に「魔法おじさん面白かったけど、特定の界隈の人たちがめちゃ助かるもの書くのオススメだよ^^」と言われたので権力に屈してHow to記事を書きます。
 勿論嘘です。ぼくが好き勝手して儲けに繋げるの大好きだからです。

 ジョークもそこそこに、本題に入りましょう。
 この記事は「キャラクターをどうやって作るのか」、その考え方についてまとめたものです。
 作り方ではなく、考え方です。
 あくまでも指標の一つであり、「ぼくにはもっといい考えがあるんだ!」という方は今すぐ書く作業に戻ってくださいね。

 さて、皆さんは創作をする時に、必ずといっていいほどにキャラクターと関わります。
 絵を描き、デザインを描き、小説を書き、マンガを描き、果てはバーチャルなYoutuberとしてデビューする。
 色々な創作の形がありますが、それらは全て「キャラクター」が存在します。
 そんなキャラクターに必要なものは二つ。
 
 「骨」と「肉」です。

【1.骨組みを作る】

 昔、西行法師というオッサンが人間を作ろうとして、
 「骨におクスリを塗り塗りしてスイーツな盛り付けしたらゾンビになっちゃった☆ キモいけど殺人罪になるの怖いから山に捨てよ☆」
 とか抜かしてバイオハザードの先駆けになったそうですが、キャラクター作りは人骨を用いないのでご安心ください。
 
 キャラクターの骨は、「そのキャラクターがどんな性格か」によって作られます。
 まずはツンデレだの、クール系だの、ふんわりと大雑把なくくりで構いません。
 概ね貴方が把握できる性格を、一言で紙に書いておきましょう。
 
 この際の注意点は、「性格 ≠ 設定」という点です。
 作者が性格を決定するのは確かですが、なんでもかんでも作者の思い通り、という訳ではありません。
 運動をこなすことで骨が成長や破損をするように、キャラクターの性格もストーリーを追うごとに変動していくでしょう。
 ですので、ここで決める性格はふんわりと、大雑把に決めた方が不具合が起きにくくなります。

 では肉付けに……と言いたいところですが、現状は針金で棒人間を作った骨組みとそう変わりません。
 この上に更にカルシウム的なものを被せることで、ようやく人骨っぽいものが出来ます。
 ではそのカルシウム的なものとは何か?
 
 それは「だいじなもの」と「ゆるせないもの」です。

【2.骨格標本っぽくする】

 骨格標本の骨は大抵きれいで真っ白ですが、これから作られるものは色々歪だったり色がおかしかったりするかもしれません。
 しかし健康的な骨はミネラルとかなんかそういうので真っ白にはならないって葬儀屋さんが言ってたので、ありのままを愛でましょう。
 
 さて、先述の「だいじなもの」「ゆるせないもの」についてお話しましょう。
 こういうのって好きなものとか嫌いなものじゃないの? と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、好き嫌いは「設定」の範疇です。
 今はキャラクターの根幹・骨子を成す「性格づくり」の段階なので、その分厚い紙束あるいはテキストファイルはしまってくださいね。

 「だいじなもの」は、そのキャラクターが尊ぶ、誇りに思うもの、何よりも好ましいものです。
 これは割と人それぞれ、様々にあると思いますが、軽々しく変えられない方が好ましいでしょう。
 キャラクターが何よりも優先しているものは、その価値観や考え方を端的に表してくれます。

 「ゆるせないもの」は、そのキャラクターが嫌悪・憎悪する、許せないもの、怒りの対象になるものです。
 個人や一種族などでも構いませんが、明確なアウトゾーンを設定しておくと動かしやすくなるでしょう。
 キャラクターが何よりも許せないものは、問題が発生した際の許容範囲やその対応を表す鍵になります。
 (なのでゆるせないものもまた、軽々しく変えない方がいいでしょうね)

 この二点とその理由を決めておくことで、行動の指針をつけやすくなります。
 是非これらは紙やデータにまとめておいて、後で見返しやすいようにしておいてください。
 自分の脳細胞なんてアテにしないでください。一週間前のご飯の献立を全部暗記するのと同程度の情報量です。

【3.肉付けをする】

 さぁ皆さん、お手元の設定資料集をお出しください。
 なに? そんなものはない?
 そんなきれいな貴方はとても素晴らしいので、是非そのままの貴方でいて、この記事の良い部分だけ学んでいってくださいね。

 さて、先程までは「性格 ≒ 骨格」を作ってきましたが、ここから  「背景 ≒ 筋肉」を作っていきます。 あ、設定資料集とは言いましたが、まだキャラの立ち絵とかは下げておいて大丈夫です。
 大丈夫。ちゃんと次の段階でやりますから。
 
 ともあれ、皆さんの考える設定の中で、注意しなければならないことがあります。
 「物語に出てこない設定に意味はあんまりない」ということです。
 よく作者がドヤ顔して裏設定とかくっちゃべっていますが、あれは全部出しきれなかったことへの後悔とか悔しさとかを誤魔化しているに過ぎません。
 ぶっちゃけマジでドヤ顔で語ると一気にダサくなるので注意しましょうね。

 今回は動かすのにあるといい設定、つまるところ「背景 ≒ 筋肉」について語ります。
 これは何処の生まれだとか、どういう地位でどんな職業だとか、どんな経験を積んできたか、です。
 履歴書とか職務経歴書を思い浮かべてください。ゲンナリしましたね? 私もです。
 あれをキャラクターの背景に沿って書く、というのをやってみましょう。
 面接のことは考えないでいいので、手書きでなくても特技はイオ○ズンが撃てますとかでも大丈夫ですよ。

 これを行うことで、前述の骨格と合わせて人体模型が出来ました。
 動き回るにも支障がなくなり、西行のハゲもびっくりの哲学的ゾンビっぷりをみせてくれるでしょう。
 えぇ、このままではあと一歩足りないので、次は皮を貼っていきます。

【4.皮を貼り付ける】

 皮というと猟奇殺人犯とか黙示録とか黄金に神威ってそうな響きですが、実際は文字通りテクスチャを貼る作業です。
 つまり、容姿や服装、装備などを決めていきます。

 たかが髪色、瞳の色などと思わないでください。
 髪などの身体的特徴は、貴方がこの先何度も何度も関わる重要な要素です。
 イケメンでもブサイクでも顔はありますし、のっぺらぼうや仮面なら、それはもう個性豊かなお顔に他なりません。
 それらを作者である貴方が把握しておくことで、多様な描写や人格の掘り下げに繋がるのです。

 服装や装備に関しても、「なぜそれを身につけるのか?」という掘り下げに繋げられます。
 これを考える時間は恐らくとても楽しいだろうと思いますので、野暮な指導は敢えてしません。
 ただ、これらを書き残し忘れないように注意してください。
 最初と最後で瞳の色が理由もなく違うなんて、笑い話にもなりませんからね。

 これらを作り終えれば、後は動かして不具合が出ないか、実際に書いてみるだけです。
 お疲れ様でした。

【5.もし意図しない方へ動いてしまったら?】

 念のためにこれもお答えしておきましょう。
 キャラが魅力的になりすぎて、意図しない方へ動き出した場合です。

 そういうときはプロットと見比べて、納得がいく方へ誘導してあげましょう。
 プロットから外れるもよし、遵守するもよしですが、無理矢理動かすのは禁物です。
 描写を重ねて、少しずつ誘導していくことで、自然な成り行きを描写することができます。
 
 もしプロットを考えていなかったら?
 笑って誤魔化しましょう!

***

 如何でしたでしょうか。
 こういった記事には不慣れでしたから、しっかり伝わっていれば幸いです。
 効果のほどはさておき、しっかりと順序立てて作ることは、貴方の創作に大きな役に立つものと思います。
 骨子をしっかりと作り、筋肉を丁寧に積み重ねれば、自然とキャラクターは動き出します。
 是非キャラクターとしっかり向き合ってあげてくださいね。
 
 タダ働きは嫌なので、役に立ったなーと思ったらなんかスキなり感想なり宣伝なりサポートなりください。面白がってまた書きます。

 ではご覧いただき、誠にありがとうございました。
 よい創作ライフを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?