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蓮田市民による、蓮田市議会議員選挙2023 候補者情報まとめ 初選挙/新人候補者特集

蓮田で育って30年強の蓮田市民です。蓮田市議会議員選挙の投票日が2023/4/23に行われます。

なるべくフラットに、なるべく中立の視点で書きます。

前回の選挙の結果は無投票

前回の市議会議員選挙は2019年に行われ、合計6名が辞任しました。そのため2022年に補欠選挙を行い、定数6のところ5名が立候補し、全員が無投票当選しました。

補欠選挙で無投票当選したのは以下5名。
うち3名は2019年の市議会選挙で落選した方です。
豊嶋はるか はすだ政和会 自民党:新人
深田やすたか 日本共産党 日本共産党:新人
中里幸一 新風会 無所属:元職 2019年:635票で落選
もとはし 稔 新風会 無所属:元職 2019年:507票で落選
齋藤 齊 無会派 無所属 新人 2019年:403票で落選

今回の選挙について

埼玉県議会議員選挙に立候補しているのは22人。
議員定数は20。22人のうち2人が落選することになります。


候補者リスト.得票数の黄色は落選者



党ごとの候補者リスト

党ごとの内訳。
自民党:3
公明党:3
日本共産党:3
立憲民主党:1
無所属:12


出馬候補の会派ごとの内訳。日本共産党所属の諸根よしあきさんは新人・未当選の枠に数えました。蓮田の自民党の方、市長に距離が近い方ははすだ政和会に所属することが多いようです。
はすだ政和会:5(自民党3,無所属2)
公明党:3(公明党3)
市民クラブ:3(無所属3)
日本共産党:2(日本共産党2)
初心の会:1(無所属1)
新風会:2(無所属2)
無会派:2(うち立憲民主党1.無所属1)
新人・未当選:4


一般質問の年間平均件数順

一般質問の1年平均件数が7.47件(データ対象は今回の候補者のみ)でした。
一般質問の数が多ければ多いほど良いというわけではないのですが、(それ蓮田議会でやる必要ある?無理じゃない?というもので数が多い人もいる)
これ未満の一般質問数の人は「仕事をしてない」「議会で役職があった(議長、監査委員)」「内容を絞った」のどれかの人たちです。

一個の指標にはなると思いますので気になったら自分で一度議事録を漁ってみると良いと思います。いい経験になるはずですし議会が身近に感じられるはず。
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/hasuda/SpTop.html

全員を調べて記事を書くのは間に合いそうもないので、ここからは有望候補者を3人ピックアップした内容になります。この3人は初選挙となることが共通点になります。

この三名は今回以下の理由で評価対象としません。
初選挙・深田やすたかさん:データがweb上にほとんどない。評価不可能。
新人・諸根よしあきさん:日本共産党蓮田市委員長。市議会では新人ではあるものの新人とは言い難い…
新人・江田くにひこさん:データがweb上にほとんどない。政策評価不可能

豊嶋はるか:自民党所属


公式ホームページ

キーワード:行政書士、自民党、商工会、「蓮田をより良く、はばたかせる」
公式HP https://toyoshimaharuka.com/

豊嶋はるかさんは行政書士事務所を営んでいる自民党公認候補者です。商工会役員、商工会青年部に所属していて2022年の補選で無投票当選しました。

政策

ホームページが概念で終わらずやろうとしていることが具体的かつおコンパクトにまとめられている。
豊嶋はるかさんのホームページには以下のような「お約束」が書いてあります。いわゆる政策やマニフェストのようなものだと思うのですが、確度の高さや自信がうかがえる内容です。だいたいその内容というのが大まかに分けて上下2つに分かれており、そのうち上部に並んでいる内容は特に期待が持てそうです。
というのも、蓮田の議員のホームページであれば以下のワードを並べて終わり、というのがほとんどであるからです。
・持続可能な公共交通の環境整備
・災害対策・安心安全なまちづくり
・便利なはすだ

以下に公式ホームページのスクリーンショットを掲載します。

公式ホームページより

あっさりではあるものの、お約束としてやることが並び、その内容に踏み込んで何をする、というのが具体的な形で書いてあります。決して大きいことは書いてはいないと思うのですが、小さくとも現実的な内容であることが評価点になります。

(政策の「上項目」について触れましたが「下項目」はいつもの議員HP的なものが並ぶのみ、というのはちょっともったいないところです)

蓮田市のWi-Fi環境は間違いなくよくありません。現代におけるWi-Fiの不備は経済的発展を阻むものであり、目に見える遅れでもあります。
Wi-Fi整備を訴えていることには全体の益を考えず目の前のことしか目に入らない議員との違いを感じました。ビジネスベースで蓮田の事を考えたときには真っ先に必要なものであるからです。ドコモとのパイプがある方なら、5Gルーターでいいから各所にフリーWi-Fiを整備する!というのも言ってくれたらいいのになあ、と個人的にも思いました。

ちょっともったいない

一般質問

任期中、一般質問の件数が、蓮田市議会議員の1年平均7.47件に対して豊嶋はるかさんは11件。平均値と比較するとかなり多めの部類に入ります。

一般質問の内容を議事録で見ていくと、質問の内容はしっかりしているのですが、職員の回答に対してグイグイ突っ込んでいくかというとそういうタイプではないと感じました。そのため確認して終わり、あるいは市長の「財源が無いから無理」(R4.12 蓮田市図書館について)「どうしようもないです」(R4.12 蓮田市の国民保護について)というような回答を引き出して終わり、というのが複数件ありました。当選はすると思うので今後は前向きに建設的な答弁を引き出せるまで粘る、という姿勢を見てみたいところです。

豊嶋はるかさんは、マイナンバーカードの話で携帯電話事業者との連携を提案したり(R4.9 マイナンバーカードについて)バス停にデジタルサイネージの設置や屋根の設置を提案したりするのは(R4.9 公共交通(バス)について)とてもいい動きだと感じました。自分の持っている強みや知識で勝負するのが得意な方のように見えるので、そういったところで提案を繰り返し市政を誘導することができればもっと輝けるのではないでしょうか。

前回の補選で無投票当選をしましたが、ここからが本番だと思います。若さも頭もあるのではすだ政和会・自民党の支援なしでも活躍できるような議員になることを期待しています。


武藤やすし:無所属


公式ホームページ

キーワード:スターフライヤー、「蓮田をもっと面白く!」、人脈
公式HP https://muto-yasushi.com/

武藤やすしさんは市政初挑戦の新人です。元全日空、北九州の航空会社株式会社スターフライヤーの創業者で、当時のことも記事に書いているのが確認できます。Youはどうして蓮田市に?と言いたくなるような経歴ですが、1989年に蓮田市に転入とのこと。


政策

武藤やすしさんの公式ホームページによると、政策は4つの大枠に分けられています。

  • 次の世代もここで子育てする蓮田

  • 国・県と連携し活性化する蓮田

  • 世の中からもっと知られ 成長する蓮田

  • 市のお金の使い方が 市民から見える蓮田

その内容はどれもユニークなものが含まれています。

  • 子育て支援、その予算の確保。

  • 開発に関する規制緩和の要望、民間企業誘致(商業施設含む)、公設試験研究機関誘致。箱物行政からの脱却。

  • 武藤やすしの人脈から意見を集めて議論、コンテンツの創造、「見えない政治」からの脱却。

  • 予算内容の透明化、開示、優先順位についての考えを市民に明示。市議として予算編成に関する考え方、問題意識を市民に発信。広く意見を募り次期予算編成に反映。地方債・クラウドファンディングなど資金確保策をアドバイザーとともに幅広く検討。

これらの内容で特に評価できるのは財源、予算確保について多く触れられている点、そして市民と共に問題に取り組んでいきたいという姿勢が非常に強く見える点です。投票したから任せて終わりではなく、透明化をはかり市民参加の機会を増やすよ、という事を言っている候補は珍しいのではないでしょうか。

実は、市長選挙、県議員選挙において敗北した福田せいじさんが政策として挙げていた内容も含まれているのですが、これらの内容は現在の衰退する一方の蓮田市を強力に前へ進めるものだと当時から評価していました。武藤やすしさんの応援に福田せいじさんが入っていて本人自体も福田せいじさんの後援会長だったので、お互いタッグを組んだ上でその実現方法についてもよく話しあわれていると思われます。

こういう場合福田せいじさんのコピーみたいな表層だけなぞった政策で完結することが多いと思うのですが、独自の内容としてしっかりした内容だと思いました。「透明化」「脱却」を強く訴えているところがポイントです。

信念

公式ホームページより


武藤やすしさんは「蓮田をもっと面白く!」がキャッチフレーズのようです。どのように面白くするのか、というと「参加しやすい市政に市議から変えていき、市民が市政に興味を持てるようにすること」、そして「蓮田の可能性を信じられるような状態にすること」ということのようです。

問題提起、問題解決は議員において求められる役割であると思うのですが、それを議員に押し付けているだけでは、選挙で耳障りの良い事を言う議員が勝ち、サボり、何も変わらないのは事実です。市民が市政や政治に関心を持つことでそういう議員が当選するのを防いだり、もっと大きいことができる議員と共に建設的な議論をすることができると思います。

信念としてそれを持っているというのを訴える議員はこれまでなかなかいなかったですし、こういうタイプの候補者が議会にいない地域は現実を直視せず何も変わらないことを信じて少しずつ衰退していく未来から抜け出せないと思いました。多くの物事において変化しない事を求めるのなら少しだけ変わることは絶対に必要なことであり、流れのないところで水は腐っていくものです。蓮田を変えるという気持ちがはっきりしていて、そのための手段もたくさん見えるところが高く評価できます。

関根もりお:無所属


公式ホームページより

キーワード:市長との長いつながり、蓮田市役所職員、「行政書士・防災士・二級建築士・献血回数100回」
公式HP https://m-sekine.com/

関根もりおさんは無所属の新人候補です。蓮田市職員に38年勤務し、消防団員、消防団長だった経歴を持っています。


政策

公式サイト上のリーフレットより

政策として並べられているものは、他の候補者がよく並べているものがほとんどです。ある意味で最大公約数的というか、市役所の中ですでに実施が決まっているものなのかもしれません。防災士らしさというか、消防団長であった経歴が生かされているわけではないところが少し残念です。蓮田市は海なし埼玉県なので津波は来ませんが、蓮田市は元荒川の水位がかなり上がってくるのを見て水害対策はどうなっているのかといつも不安になります。地震にも強い地形であるからこそ、木造住宅もそこそこあるのでこの地域は火災、火災旋風が一番のリスクになりえます。ここに触れられたら「市役所職員であること」以外のアドバンテージも得られたのではないでしょうか。

珍しいものとしては「西口公衆トイレ設営」がありますが、「パルシーの改修・サブアリーナの建設」も、「サブアリーナ建設中止」を掲げている候補者がいる中では勇気があるというか、蓮田市市役所、蓮田市市長の意見がものすごく反映されていると感じました。

一市民としての話になりますが、パルシーでトレーニングルームを利用したいと思ったことがあります。そのためには説明会への参加が必須なのですが、その日の説明会は二人までしか対応できず、友人と参加しようと思ったのに、枠が既に埋まっていました。なので利用を諦め隣のさいたま市の運動公園に行ったところ説明会に人数制限もなく、5人程度参加の説明会を終え現在も非常に快適に利用できています。受付だけ済ませれば職員不在でもトレーニングルームが利用できるので気軽にフラッと立ち寄れるし、時間外でもシャワーを無料で浴びれたりします。

パルシーには人生で3度しか行ったことがありません。あまりに駅から遠く、バスか車でないと行くのがしんどい場所にあり、前述のようにサービスを受けるまでのハードルが高かったりとサービス品質が高いとは言えないからです。
改修・サブアリーナ建設したところでアクセスが悪い場所にあるのはどうにもならないし、サービス品質が低いまま建物をいじったって結局市民が利用しやすい施設になるわけではありません。サービス品質向上をするだけで現状のままでもずいぶん使いやすくなるのではないでしょうか。(さいたま市の運動公園は割りと施設はボロいですが丁寧に使われています)

余談ですがパルシーの隣にある蓮田市総合文化会館ハストピアにはスタインウェイのグランドピアノが置かれています。これはD型(D274, MODEL.D)で世界最高峰のフラグシップモデルです。調べたところ相場は中古で1200万円、新品で2681万円ということですが、月1回程度行われているストリートピアノイベント を除き、HPで確認できる範囲(2021年6月から2023年4月まで)、約2年間でスタインウェイが使われていた可能性が高いイベントは以下の9件です。

  • 蓮田市50周年記念”五条院凌”コンサート

  • 白岡吹奏楽団第31回定期演奏会

  • 蓮田市演奏家協会 第5回定期演奏会

  • 珠玉のオータムコンサート

  • 蓮田市制施行50周年記念事業 ハストピア東京混声合唱団特別公演

  • 埼玉中央フィルハーモニーオーケストラ ウインターコンサート

  • Hasutopia Festival 2023

  • 蓮田市演奏家協会 第5回ニューイヤーコンサート

  • 五条院凌 Spring Concert 2023

正直なところ、2681万or1200万円かけて、元が取れているとは言い難いです。こんな高級ピアノを眠らせておくのはもったいないということでストリートピアノが開かれているのだと思いますが、駅からバス(片道300円)で17分、駅から徒歩46分(3.7km)の立地でストリートも何もないというのが事実です。

残念ながらこういった点に代表される、現状の市政は無駄が多く箱物政治(=建築会社ファースト、身内ファースト)と言われても反論できないと思います。

https://twitter.com/palthyhasutopia/status/1527284807977140226

市長とのつながり

関根もりおさんの「私の決意」の項目に共生社会というワードが使われていますが、選挙中「蓮田共生」を掲げていた山口京子市長とのつながりが強いのは間違いないでしょう。
当然中野前市長ともつながりがあるので、中野前市長の16年間の市政が素晴らしかったと思う方、そしてその後継の山口京子市長に期待を寄せる市民にとっては投票先として第一候補になりえます。



初選挙5名のうち3名について書きました。この記事が投票に役立てば幸いです。

蓮田市議会議員選挙の投票日は2023/4/23です。




余談ですが、前回1週間前の県議選でアンチ自民党票を集めて25票差で自民党に勝利した無所属候補の森いくまさんは当選後の月曜日に自民党に入党したとのこと。(月曜日は4/10と4/17のどちらかだと思うんですが、4/10の場合当選翌日に自民党入りしたことになってそれは…なのですが…)

市長の山口京子さんも同様にアンチ自民党表を集めて無所属候補として戦い、当選数日後に自民党入りした経緯があります。(現在自民党入りした情報は山口京子さんの公式ホームページから消されています)

無所属で戦ったのに勝って即自民党入りする人が多いという蓮田という町にお住まいで、アンチ自民党の人でどこに入れていいのかわからない、という人は市長・自民党とバリバリにやりあっている主張の人を探して投票しましょう。

書いた人&連絡先:https://twitter.com/HasudaPeople

おまけ

今回まとめた4年分の一般質問についてまとめた表を作成したので、Googleスプレッドシートの形で公開します。一般質問でどのような項目を彼らは取り扱ったのか?という一覧にはなると思います。

コピーダウンロードはご自由に。政治利用はしてもらって構いませんが、一声TwitterDMでいいのでご連絡ください。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1lGABRKMMfEd4_vfe12-jJQTJKibEFVpo8TIrGL18qwQ/edit?usp=sharing

一般質問の内容にご興味を持った方は議事録がwebで公開されているので検索機能をフルに使ってご自分で見ていただくことを推奨します。
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/hasuda/SpTop.html


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