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ウソというシステムエラー|なぜ私たちは保身のために真実を曲げるのか?

人はなぜウソをつくのでしょうか?

この質問に対する答えはいろいろと考えられます。
でも結局はその根底にあるのは自分の身を守るため、つまり「保身」のためです。

倫理的には良くないとわかっていても、私たちはなぜかウソをついてしまいます。

この記事では、キングコング西野亮廣さんのvoicy「人は何故、ウソをつくのか?」をもとに、ウソをついてしまう人の心理的背景を探り、ウソがどのようにしてシステムエラーとなるのかを考えてみたいと思います。


1. 保身のための嘘

人々がウソをついてしまう最も一般的な理由は、自分の失敗をウソをついてごまかすことで、失敗がもたらす不利益から自分の身を守るためです。

例えば、仕事でのミスを隠すためのウソ。ミスをすることで自分の信用を失ってしまうのではないかという不安から逃れるためについごまかしてしまうのでしょう。
それによって、職場の人間関係や友人との関係を保とうとしているのです。

これは、表面的には問題を避けるためのかんたんな解決策のように見えます。
でも、もしそのウソがばれてしまったら、それ以上の信頼を失うリスクを高めてしまっています。

つまりウソをつくというのは、いい方法であるとは思えません。
なのに、人はウソをついてしまうのはなぜなのでしょうか?

2. 嘘が習慣化するプロセス

それは、その人がそれまでについてきたウソが見破られなかったという小さな成功体験の積み重ねのせいです。

一度ウソをついて成功すると、その人は再びウソをつく傾向が強くなります。初めは小さなウソから始まりますが、次第に大きなウソへと発展していきます。
ウソがうまくいくことで、その人のウソをつく「スキル」が向上し、さらに大胆なウソをつくようになるのです。

voicyの中で西野さんは、それが理解できないと言います。
つまり、西野さんのような、話すことや脚本を書くことで大成功をおさめているような人の前では、ウソなどつき通せないからです。
つじつまを合わせることを仕事とするような人の前では、思いつきのようなウソでは、つじつまなど合うはずもないからです。

ウソをつき通そうとする人は、それまでに西野さんのような人とまではいかないまでも、ウソを見破れるだけの言語能力を持ち合わせている人がいなかったのではないでしょうか。

つまり、ウソが容認されてきたという環境が、「ウソはばれない」という考えにつながっていたのです。

3. 環境とシステムエラー

他にも、ウソが容認される社会的・文化的背景も重要な要素です。
特定の環境では、ウソをつくことが暗黙の了解となっていることもあります。

社会的圧力と嘘

特定の社会や文化では、社会的な期待にこたえるためにウソをつくことがしばしばあります。
例えば、職場での過度な競争圧力が、実績を過大に報告するようなウソを生むことがあります。また、家族や友人からの期待にこたえるために、自分の本当の気持ちや状況をかくすこともあります。

教育や子育ての影響

子どものころから、ウソをつくことで時に、得をさせてしまう環境にいることがあります。すると、大人になってもそのパターンを続けることがあります。
例えば、学校や家庭でのきびしいルールに対して、ウソをついてでも回避することがある意味奨励される場合があります。
それが大人になってからの行動にも影響を与えることがしばしばあります。

ウソを正当化するシステム

企業などの大規模な組織では、時にウソが組織の方針や目的を達成するための手段として正当化されることがあります。
このような環境では、個人が真実を語ることは難しく、システム自体がウソを奨励することになります。

結論としての「システムエラー」

これらの例は、ウソが個人の問題ではなく、社会的なシステムのエラーとして存在することを示しています。
このようなエラーは、社会の根本的な構造や文化の中に深く根ざしており、個々の選択を超えた問題として取り組む必要があります。

このような環境は、「ウソつき」というシステムエラーを生み出す温床となり得ます。

まとめ

ウソをつく行為は、単なる個人のヒューマンエラーではなく、その人が育った環境や経験によって形成されるシステムエラーです。

このエラーを修正するためには、個人だけでなく社会全体での努力が必要です。

西野さんは言います。
「ミスはどうでもいい。ウソをつくことが罪なのだ。ミスをウソで隠すのではなく、正直に報告し、ミスを起こさない改善策を示すことが大切なんだ」と。


今回の記事では、ウソをついてしまうのは、ヒューマンエラーではなく、環境がもたらしたシステムエラーであるということについて書いてきました。

では、私たちはこのシステムエラーをどのように修正できるのでしょうか。

読んでくださった皆さんにも、ご自身の経験や考えを共有していただき、この問題に対する解決策を一緒に考えてみたいと思います。

今日も、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

では、また。

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