シンママは公衆サンドバッグ
平日に休みをとって、セフレと会っている。
朝、子どもたちを学校に送り出し、家事をして、10時頃に待ち合わせ。
15時には解散し、16時には帰宅する。
そしてまた、母親になる。
月に一度の、自由な日。
「ママ」でもなく、「パートの端野さん」でもない、私が私に戻れる嬉しい日。
それが、5月から変わる。
パートから社員になると、平日に休みを取りづらくなる。
(通院とか学校行事なら、理由を言って休めるんだろうけど)
そうなると、土日のどちらかに、子どもたちを1日留守番させることになるわけで。
月にたった一度でも。
食事をきちんと用意して行っても。
それ以外の29日間、母親として子育てや家事をこなしていても。
そのたった1日の遊びが、世間では「育児放棄」と叩かれるんだろうと考えると、モヤモヤする。
もしもそれが「セフレとセックス」じゃなくて「ディズニーランド」だったらいいんだろうか?
「好きなアーティストのライブ」だったら、許される?
「一人で行く」ならいい?
「友達と行く」のは?
「男と一緒」がダメ?
世論はシンママに厳しい。
シンママはひたすら子どもに人生を捧げ、ひとり親にしてしまった罪を償うべきと思われている。
実際のところは独身なんだし、一人の人間として、人権や交際の自由があるはず。
それなのに、「男と関係がある」と見るやいなや、「ふしだら」「女でいたいなら最初から子どもを生むな」と批難される。
シンママは、人から確実に「下」に見られている。
結婚に失敗した負け組と思われている。
幸せそうにしていると、「シンママのくせに…」という怒りを買う。
不幸そうにしていれば「自業自得」「ざまあみろ」と馬鹿にされる。
シンママは、誰もが大っぴらに叩くことができる、公衆サンドバッグだ。
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