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"Chun"さんは『田』さん!

きのうの「『シャフリー』か『シャウフェレ』か?」に続きプロゴルファーの名前のお話です。

アメリカの女子プロゴルフ(LPGA)では、以前から韓国出身の選手が大活躍しています。

日本からも笹生優花、畑岡奈紗、渋野日向子らが参戦していますが、韓国勢の活躍は日本勢をはるかに上回っているいるようです。

そうした韓国出身選手の1人がチョン・インジ

6月23〜26日に行われた全米女子プロゴルフ選手権でも優勝しました。

彼女の名前のハングル表記は전인지、漢字では田仁智と書くそうです。

そして、アルファベット(英語)での表記はIn Gee Chunとなっています。

"Chun"と書いて、日本語では「チョン」にあたる音を示していることになります。

韓国語は日本語よりも母音の種類が多く、日本語で「オ」と表される母音も2種類あります。

ハングルだと「오」と「어」の2つで、前者は日本語の「オ」に近い音、後者はそれより口をやや狭く開けて発音される音です。

実は韓国の首都「ソウル」の最初の「ソ」の母音は、この後者、つまり狭く口を開ける「オ」です。

(ソウルをハングルで書くと「서울」です。)

日本では、名前などをローマ字表記する際、訓令式とヘボン式がありますが、この2つ以外の書き方をする場合もあります。

韓国でも、人名表記はいくつかの方式がありますが、日本のローマ字よりさらに自由度が高いようで、「個人のおまかせ」の部分が大きいようです。

例えば「李」という苗字は通常「イ」と読みますが、アルファベット表記では"Li" "Lee" "Yi" などあります。

「田」(チョン)の場合、ルールに近いのは"Cheon"ですが、これを"Chun" と表記していることになります。

英語だと"Sun" も"Son" も「サン」に近い発音に聞こえるわけで、"Cheon"よりは"Chun"の方が読んでもらいやすい、との判断があるのかもしれません。

韓国語のアルファベット表記については、以前のnote「『金浦空港』が『銀浦空港』に!?」もご覧になってください。

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