2019年9月1日~バービーさんの言葉に人生変えられる

 昨日は大相撲の「稽古総見(けいこそうけん)」というものが国技館で無料で一般公開されて、いそいそと朝8時から出掛けていた。これは横綱審議委員会などが力士たちの稽古具合、調整具合を、本場所開催一週間前に見るもので、年に一度、一般に公開される。

 前の晩から並んでる人がいる! とか、朝6時から大行列! とかいうツイートを見かけて、こりゃもう入れないわ、と一度はあきらめたんだけど、いや、意外と平気というツイートも見て、8時にのろのろ出かけてみたら、大丈夫だった。あいや~。ツイートだけ見て判断してちゃダメですね。行かなきゃ。自分で。

 そして行って良かった。私の大好きな横綱白鵬も出て来て、阿炎や貴景勝に稽古をつける。胸を貸す。でも、胸を貸しても稽古をつけても、それだけじゃない、見せ方心得てるというか、お客さんに顔が見えるように、土俵の上で角度何度も変えたりぃ~。まぁ、それも稽古のやり方ですからといえばそれまでだけど、でも、とても意思的にお客さんに稽古を見せますよ~というのが分かり、スターすごい、さすがだ、とまた思った。オーラもビンビン。白鵬のこと、色々悪く言う人もいるが、一度こちらも生で見てみなきゃ。自分で。百聞は一見に如かず、ってほんとだ。

 で。それに行って、帰りには相撲ファンの聖地になりつつある墨田区の喫茶店「のらくろ」でお茶などしたりして、夕方に家に戻ると、台所が悪臭。私の住むアパートは玄関即台所式なので、同時に玄関が悪臭、とも言う。なんだ、これ? わからなかったが、また、すぐにでかけなきゃならなくて、とりあえず放置。で、今度は夜9時過ぎに戻ると、うおおお、、、、悪臭が満ち満ちている。家じゅうに悪臭が。

 こ、これは??

 すぐにわかった。前の日に2束60円の安価で買った「にら」。1束ゆでて食べて、もう1束を冷蔵庫に入れ忘れていた。見たら、根っこがすでにどろ溶けて、上の方も溶けていて、とてつもない臭いを発していた。

 「夏の部屋で腐らせてはいけないものベスト3」があるとしたら、ニラはその2位か1位かもしれない。私的にはニラ、玉ねぎ、玉子、あたりが腐らせてはいけないものだ。ああ、でも、本当に腐らせてはいけないものは心、かもしれませんがね。ええ。まぁ、それは置いといて。

 ニラ、そのまま捨ててしまってもいいけど、まだ食べられる部分があるので、じゃあじゃあ水道で腐った部分を洗い流し、その悪臭にまたもんどりうちながらも、食べられる部分を切り取り、冷蔵庫にしまった。ふう。。しかし、その後も、ごみ袋から悪臭が。うちは外にバケツなど置けないので、ゴミ袋を何重にもして、臭いを防いだ。

 しかし、それに頑張っていたら、手にすっかりニラ臭が乗り移り、その後ずっとニラ臭のまま夜を過ごすことに。ニラ、1束にすれば30円だったが、とてつもない存在感を放ってくれた。

 ところで、腐ってはいけない本当の一番の、人の心はここのところ、ずっと腐りきってる。私の心も、うんざり腐りきってる。

 でも、ちょっとだけ再生した。それはお笑い芸人のバービーがTBSラジオ「action」に出て話したことを聞いたからだ。バービーは元々好きな芸人さんの一人だったけど、チベット仏教を勉強していたり、フェミニズムを学んでいたり、知らないことだらけだったけど、素晴らしかった。金言があった。それがこれ↓

「自虐をするって、物差しを持っていることじゃないですか。ここはイジっていい、ダメと。全ての人が平等とか言ってる割に、自虐の物差しが許されるのはおかしいなと思って」

 もう、ガツーンと頭を殴られた。そうだ、ほんと、そうだ。

 私、今まで、自虐を自分の特技のように思い込んできた。それで笑いを求めたり、同情を求めて生きてきた。それを書いてきた。でも、それ、全然間違ってきたことに気づかされて、もう、本当にガツーンときた。

 そして、この自虐の物差しが、自分が自分に「できない」の負の魔法をかけてるんだと気づいて、もう、魔法も物差しもやめよう、と思えた。それは、私の54年の人生で、ものすごく大きいことだ。

 何一ついいことないと思えた2019年8月。社会が音と立てて、雪崩のように悪く落ちていく中でも、私には画期的なことが起こったのだ。

 世の中は腐りきって悪臭に満ちているけれど、こうして、そんな中でも清冽な、すばらしい人は出てくる、見つけられるだと知ると、私の心も腐りきらず、一部まだ食べられるから冷蔵庫に入れたくなるのである。


 

 

 

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