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トランプが升席侵略?

 トランプと安倍が夫人を伴って大相撲千秋楽正面升席を借り切って椅子を置いて、たった最後の3番(三役そろい踏みから?)見るらしい。トランプ杯とかを渡すらしい。

 これって、相撲協会がどうのこうのよりも、ここにすべての根源があると思う。

 相撲はそもそも宮中で平安時代、今に続く様々なスタイルが生まれた。行司さんとか色々。宮中でそのようなものが始まったのは、地方からチカラビトたちを召し上げ、中央集権国家の在り方の象徴として見せつけるためだった、と以前に聞いた。非常に政治的な思惑から相撲は始まったんだ。

 その後も江戸幕府は飢饉が続き、大衆の不満がたまると、ガス抜きのように江戸城で上覧相撲を開いて話題を作り、目をそらせたというし、明治には伊藤博文が明治天皇の好きな相撲を見せる天覧相撲を開いた翌年に日本初の首相になったし、戦時中には軍部は相撲を多いに利用した。

 大相撲は常に政とは切っても切れない仲であるのだけど、でも、今回酷いのは相撲場を大きく荒していることだ。これはほとんど今まで例がないんじゃないか? この1300年? 千秋楽という最も大事なときに、力士たちの集中をそぐことをし、神事だ伝統だというものに土足で入りこんで侵略していること。

 読売文学賞を受賞した宮本徳蔵の「力士漂泊」で宮本は、今の国技館内部は金剛界曼荼羅の構造を持つと力説している。土俵は聖なる場所と守られるだけでなく、国技館内部そのものもチカラビトたちがそこに立つときは、曼荼羅が生成されると説く。いささか??も伴うが、そういう場に土足で踏み込んで荒して破壊して・・・アメリカがこれまで世界中でやってきたことそのもので、それにペコペコと揉み手をしてへつらい、こちらでございますです首領さま、とニタニタする我が国の首相とは全く自国の文化も伝統も、己が権力の前に於いては何ら意味もないのだろう。

 相撲協会は公益財団法人だし、文科省、引いては内閣府から言われたら頷くしかないのだろう。首相案件という今の日本の幻の怪物に反抗できるとは思えない。作家の星野智幸さんはエッセイ「のこった」の冒頭で「相撲で起こることは、社会のすべての人にも起こる」と書いているが、本当にその通りだ。

 そして言わずもがな、トランプは排外主義者のファシストだ。そんな人からトランプ杯なんてものを受け取らなくてはならない関取が不憫でならない。

 ちなみにこの升席買占め1600万円。国賓であるトランプなら、これはもちろん私たちの税金。思いやり予算みたいんもん、米軍への? はぁ? 

 


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