サディスティック・ポリリズム
ポリリズムとは何か、その美学とは何かを考えるときに、真っ先に思い浮かぶのは「騙し絵」である。同じような考えをお持ちの方は少なくはないと思う。「複数の要素が同時に共存している」。音楽とは樹木のように、まずリズムがその主幹を形成し、メロディが花や葉のようにそれを彩るといった関係性で成立しているが、その幹=リズムがそもそも単一、一本ではないというところから、その存在自体の奇抜さが際立ってくる。騙し絵にも、これと定まった「見方」というのは存在しないのだ。ある一つのなにかを描いている