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因果のソシャゲ


アイツがやりやがった!


僕は前職は、とある事業の出向先で管理職をしていました。
管理職と言っても名ばかりで、
まあ汚い表現をすれば、「尻拭いの仕事」が圧倒的でした。
クライアントからの要望に圧倒的に人員も足りず、補填もされず、
外人が来て懸命に指導するも逃げられ、管理会社にはいびられ、
それでも僕はそこで可能な限り職場改善を含めて奮闘しました。
勤務地こそ近かったのですが、始発電車に乗り、業務をし、
台風が接近し翌日の出勤に影響がありそうな時は前日倉庫で泊まりました。
もちろんサービスです。

そんなある日、いいえ、忘れもしない2020年10月26日、
大袈裟でなく、この日から僕の人生がまたしても悪化しました。

性格だけは温和そうでしたが、圧倒的に残念な勤務能力で、
以前の勤務地だった商業施設で大クレームを出し、出禁になり、
こちらによこされた中年女性パートがよりによって
一番厄介な管理会社の人に大変失礼なことをしました。
もちろん僕も僕の上司もすぐさま対応し、可能な限りフォローしましたが、
コロナ禍で提携企業の削減選別を進めていた管理会社にとっては
格好の追求起因でした。

ストレスのはけ口に始めたソシャゲ

さらに他のパートが辞めていきました。
現地スタッフで残ったのは僕とその問題を起こした女性パートのみ。
上司らがフォローしてくれましたが業務負担量も増加し、
ストレスがMAXでした。

あのパートがやらかした直後、
はけ口を探していたところに
今回の主題でもあるソシャゲがリリースされました。
僕はそのゲームは先に存在する家庭用をスローペースながら
クリアし、珍しいほどハマっていました。

それに飛びつきました。
あまりやりたくなかったリセマラを繰り返し、
課金も他のソシャゲでは
これまでは少額しか課金しなかった僕が、
ストレス発散の気持ちが強く、抵抗なく課金していきました。
それがその時の最大の癒やしでした。

2021年3月をもって、僕の所属会社はお役御免となりました。
その後、僕は別の現場にて、今度はド新人として勤務しましたが、
そこはまた別の会社事情で同年9月末で終了解散になり、
僕は退職しました。少し休職し、心身を整え、
現在は新しい職場環境で、それなりにうまくやってます。

秋葉のカフェを見つける

まだコロナの影響が色濃く残っていた時期、
すっかり活気の衰えた秋葉を1人歩いていたところ、
そのソシャゲのメーカーが運営するカフェを偶然見つけました。
これまでゲーム関連のこういった店舗に入ったことがない僕は目を輝かせ
カフェに併設されたオフィシャルショップでグッズを買いました。

ソシャゲはもくもくと緩く遊んでましたが、
課金する事にすっかり興奮していました。
ちなみに僕はコンビニで挑戦する
「くじ系」にはかなり引き運が強い(勝率が高い)と自負があるのですが、
このゲームの所謂「キャラガチャ」
びっくりするくらい最後まで負けました。
(引退の理由の一つとしてあるあるですね)

コラボカフェ

当然、流れとして、このソシャゲのコラボがカフェで開催されました。
初めて席の予約の為にアプリをスマホに入れ、
特典であるコースターは最初に引いたキャラのくらい希望でしたし
他の特典のマットも無難デザインが2枚でセットなのでそれ位でした。
しかしそのキャラもマットも自分で引くことができませんでした。
思いきってSNSで交換を提案しました。
程なく2人と特典の交換取引をしました。
取引後は即お別れしました。

当初、僕はこのソシャゲで友人を作る気はありませんでした。
明らかに若い女性層が多いし、共通の話題も楽しい話もできないと、
自宅ゲームオフで女性を誘うのとは明らかに違うスタンスでした。
なのでカフェはお一人様か、つきあいの良い親友を同伴させていました。

同伴者「Aさん」

出会いのキッカケはもちろんコースター交換でしたが、
正直、この子とその後も何故意気投合したのか、思い出せないです。
すごくハキハキしていて、とにかく話していて気持ちがいい。
僕のゲームの進捗度やガチャの結果報告も明るく笑ってくれる。
とってもいい子でした。
このゲームに限らず、アニメ作品等のコラボカフェにも通う、
かなりのガチ勢な方で、本当に色々と教えてもらいました。

演奏者の子

以前から彼女の投稿はたまに流れてきていました。
ピアノを弾く学生さん。
当然そのソシャゲの曲も弾き、大絶賛され人気者でした。
そんな彼女に僕がなんとなくアップした投稿がリツイートされ、
更にフォローされてしまい、慌ててこちらもフォローしました。

なんて純粋でいい子なんだ。知り合えたことは本当に幸せでした。
しかし、迷惑はかけたくない。

たまにこっそりイイネするくらいの距離感でいよう。

彼女と交友するキッカケはよくあるお題で
「イイネくれたフォロワーさんに一言」みたいなものを
僕が投稿したら、彼女がイイネをくれたことだと記憶してます。

そこで僕が半分冗談ぽく、
「受験終わったらSwitch貸しましょうか?」
に彼女が「本当ですか!?」と、いたく反応し、
その後DMのやりとりが始まりました。

2022年の冬、コラボ中のカフェで初めて会いました。
その時そのゲームの芸術祭にて、彼女が楽曲を提供し、
大賞をもらった作品の前で撮影をしてあげました。
初回は過去になんとなく勢いで買ったグッズを進呈し、
以降はSwitchを持参し、少し遊んでもらったり、
できることはできるだけしてあげました。

毎回すごく喜んでくれました。
僕はただただ照れくさかったです。

少しずつ交流を続け、分かったこと。
実はとんでもない歩く世界すら違っていた演奏者の子。
それがこのソシャゲで重なり、ゲームオフにも来てくれる仲になりました。

7月の僕の誕生日に自宅の隣のいとこの家にあるピアノを拝借し、
友人親戚ギャラリーでピアノコンサートをしてもらいました。
今年の誕生日は間違いなく生涯一番の思い出になりました。

「Bさん」

このソシャゲでリアル友人は作らない!とは言ってましたが、
その後もカフェでお食事する友人はBさん
(これまたカフェ設立時からの覇王級のガチ勢な男性)を加え、
楽しい時間が流れました。

楽しい交流は続くけど…

肝心のゲームの進行はかなり遅くなりました。
メインストーリーはクリアし、エンディングを見ました。
しかし家庭用と違う持続型コンテンツは更新し続けなければ維持できない。
追加されたストーリー(要やりこみ)やミニゲーム要素は僕には刺さらず、
気づくと僕は課金ガチャをして少し遊ぶを繰り返してました。

去年のクリスマス時期のこと

全く別件でSNSで、このソシャゲの世界観で何か発表しましょう、
みたいな企画がありました。
僕は少し高揚していたので自作ドット絵を投稿しました。
しかし友人含めて反応は極めて薄く、かなりがっかりしました。
以降、僕はこの作品に関しての残るものは作りませんでした。
カフェやもう一つのスポットで投稿作品を拝見しましたが、
自分の表現力と意気地のなさを痛感しました。

決意を固めた演奏会

8月。
かねてから誘われていた彼女と彼女の師による演奏会に
僕は参加しました。
正装衣装を纏い、普段とは全く違った真剣な表情の彼女の顔は、
僕が人生初めて間近で見た、プロの表情でした。
ピアノを弾く彼女の背中を見るうちに胸が熱くなりました。
色々な想いがこみあげてきましたが、グッと堪えました。

頑張ろう・・・俺はまだ終わってない・・・

演奏会が終わり、サイン会という名目で交流の場が設けられました。
僕は一般列の最後尾に並びました。
1人の青年が彼女と談笑していました。
僕は彼を知っている。彼はきっと僕を知らない。
コラボカフェで芸術祭で彼の動画と彼女の提供した曲の合作が大賞を受賞したこと。
その栄誉は演奏会のパンフレット内の彼女のプロフィールにも
輝かしい実績として記載されていました。
僕は複雑な気持ちで列にいました。
すぐにでも帰りたかった。
対面し、なんとなく笑って誤魔化して後にしました。
どうでもいいはずなのに、何故か気持ちが沈んでいました。

僕にはこの作品で彼女に貢献できるのは物を与える事だけだ。
与えるだけ与えたら去ろう。良い思い出になろう。
そうするべきだ。彼女に迷惑をかけないうちに。


ケジメと決意表明

9月にこのゲームの家庭版のイベントにBさんと一緒に行った。
客層をじっくり観察していた。うん、潮時だと思った。

そして今月。
まずAさんと駅の改札口付近で待ち合わせ、
彼女に渡したかったグッズを渡した。
少し思いの丈を話した。夜にDMもした。
寂しいですが、好きに生きて楽しいことしましょ、と返信があった。
ありがとう、Aさん。

翌週。
演奏者の子は学校帰りの途中駅で会った。
渡したいものを全て渡した。
精一杯の祝福を君に。

手紙も忍ばせたが、結局手紙の内容を大体話してしまった。

もうソシャゲはやらない

君ともしばらく会わない

しかし彼女はなんとなくは理解してくれた。
本当に立派な子だ。

笑顔で別れた。



やってやろうじゃないか自分

当分会わない理由に、
演奏会でのあなたの後ろ姿に心が熱くなったので、
しばらく仕事しながら心身鍛えますと言った。(手紙にも書いた)
これは決して嘘ではない。

正直に書く。

50に向かっていく最中、

どう終わるか?

そんなことばかりを考えるようになっていた。
どうせ家庭も想う人もない独り身だ、
片付けていこうと。

ストレスまみれの頃は考え方も口も悪かった。
別の記事に沢山書いているが、
よくもここまで友人達が残ったものだ。

そんな時、ソシャゲの彼女たちと出会った。

誕生日の記事では自分を「半端を極めし者」なんて書いた。

今、したいこと、

その半端から いくつかを より特化させたい

スケジュールはざっくり、まずは身体作り。
今でも健康状態だけなら良好だが、
何かをやるにはまだ足りない。

そしてヘタウマの免罪符で避けてきた表現力の分野の強化。
可愛い女性キャラでも描けるようになれってもんだ。

そんでもって目指すは再構築含め、
生み出すんだ、

自分だけのもの

自己満で上等、友人らだけにヨチヨチされるレベルでもいい。

とにかくインプット・アウトプットをやりまくる。
ネガティブ吸収を減らす、ネットもダラダラ見ない。

俺は変わるんだ、というより、
もう一段
上がってみたい。

だから、

ありがとう
ありがとう
旅を続ける

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