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乗船前になったので、外航船航海士が持っていく荷物の中身を公開します。

こんにちは。こんばんは。Duhbeです。

 今は休暇中なのですが、突然の乗船連絡が来たので乗船前鬱になる余裕もなく荷造りをして、今やっと終わったところです。

せっかくなので私が乗船のときに持っていくバックパックとスーツケースの中身と便利グッズなどを紹介します。これはほんの一例なので個人の趣味によってだいぶ量など変わると思いますが、参考程度に読んでください。量は9か月分目安です。
逆に「俺はこんな風に荷物をコンパクトにしている!」という方がいればtwitterのほうで是非ご意見下さい。

バックパックの中身

私が使っているバックパックです。

バックパック CABIN ZERO CLASSIC 44L

キャビンゼロの44Lのバックパックを使用しています。何故これを使っているのかというと、機内持ち込みが可能である最大のサイズだからです。
空港で預かり荷物の受け取りで時間を費やすこともなく、何より盗難のリスクが減ります。また、普段使いでも旅行でも違和感無く使用できるのでかなりおすすめです。

中身を見ていきましょう。財布、スマートフォンを除いた上での大事な順からいきます。


証書を入れるファイル

パスポート、船員手帳と証書類を入れたファイルです。
証書は見開き式クリアファイルで丁寧に整理した上で濡れても大丈夫なようにケースに入れた状態で持っていきます。証書を乱雑に入れてしまうと三等航海士が証書をチェックしたときに何が何だか分からなくなるのでそこらへんは気を遣って下さい。乗る直前ではパスポートと船員手帳は言われたらすぐに出せるように一番分かりやすいポケットとかに入れておきましょう。(また、写真のパスポートは五年用ですが、更新のタイミングを考えると後々面倒なことになるかもしれないので普通は学生の場合でも10年用で作ってください。)

次に、バックパックの中に入れる電子機器です。


電子辞書 EX-word

外航船においては電子辞書は必需品です。当たり前ですが英語で仕事をすることになるので無いと死活問題になります。
英語で書かれた膨大な量のマニュアルやメール等を読むことになるので、頻繁に使うことになります。高校や練習船などで使っていたものをそのまま持っていくといいでしょう。予備の電池も必須です。


タブレット HUAWEI MatePad

電子書籍を読んだりや動画を見たりする用のタブレットです。
私は持っている書籍や参考書などは自炊代行サービス(本を裁断してpdf化してくれるサービス)で電子化しました。なので、pdfを見れる大きめのタブレットを持っています。ちなみに、練習船で使った教科書は意外と働いてからも使うことがあるので捨てないほうがいいです。


ノートPC GALLERIA

https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=13&mc=11430&sn=3228

メインのノートPCです。GALLERIAのゲーミングノートを持っています。
下に写っているのはUSBメモリーとSSDです。SSDは1TBのものを持っています。船の上で大量の資料や動画をもらったりするので、できるだけ大容量のSSDを持っていったほうがベターです。前に乗っていた船では、大量のアニメと映画が入っている4TBのハードディスクを持っていたフィリピン人もいました。それぐらい入るものを持っても損はないでしょう。

娯楽についてですが、とにかく自分の見たい動画や電子書籍、ゲーム等を大量に持っていかないと後々乗ってからの精神衛生に影響します。外国人船員はよく映画をダウンロードして持っていますが、10分程度でサクッと見れるような動画を大量に持っていったほうが隙間時間に見やすくてお勧めです。


読書用のKindle oasis

他には、kindle oasisを持っていますがこれは完全に私の趣味なので全く必要ありません。


文具①


文具②

続いて筆記用具です。(手帳、バインダーファイル、ノート、メモ帳、ボールペン、関数電卓、カッターナイフ、ハサミ、etc…)
特にボールペンは大量に持っていきましょう。船にある外国製のボールペンは大抵品質が悪いので日本製のボールペンを7本は持つようにしています。ログブックを書くときに使うので消耗も激しいです。メモ帳も必須ですね。6か月以上乗るならば確実に1冊では足りないので2冊は持っていきましょう。
また、カッターナイフとハサミはもちろん船にありますが自前のものがあると結構便利です。それらが元の場所に必ずあるとは限らないからです。
関数電卓も必須です。船橋やECRにあるとは思いますが、慣れていないメーカーのものを使うことになるのでやはり使い慣れた自前のものを持ちましょう。


デジタル一眼 Sony α6000



スーツケースの中身


デルセー スーツケース 121L

スーツケースはデルセーの121Lのものを使用しています。
航空会社のHPから預ける荷物サイズで最大のサイズを選びました。
参考に各社の預け荷物に関する規定のURLを張っておきます。
JAL
https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/baggage/checked/

ANA
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/boarding-procedures/baggage/international/baggage-size/


中身を見ていきましょう。まずは服です。

衣類①


衣②②


衣類③

写真のように100均のトラベル用衣装パックに服を詰めました。内訳としては、

  • つなぎ4着

  • 制服(略服)2着

  • Tシャツ 7枚

  • スーツ1着

  • ジャージ上下1着

  • 私服ズボン2着

  • トレーナー2着

  • スポーツ用半ズボン1着

  • 長袖パジャマ上下1着

  • ヒートテック上下2着

  • 下着(靴下も)6着

  • 防寒着(ダウンジャケット)1着

荷物を減らす工夫としてはtシャツ・ズボンはスポーツウェアのものを買ってパジャマにも代用できるようにしています。防寒着として軽い前開きのパーカーも入れています。重要なのは下着です。半年も乗船すると絶対にどれかはヨレヨレになってしまうので6日分は欲しいところです。洗濯をすると片方の靴下がどっかいくことも頻繁に起こります。私の会社では、私服で当直に入っても構いませんが、略服またはそれ専用の作業服でなければならない会社もあると思います。また、国内で乗船する場合はスーツが必要なので入れています。普通は船でつなぎをくれるとは思いますが、次の船はくれないという情報を事前に得たので自前のものを4着入れました。

衛生用品です。

衛生用品

内訳としては、

  • 歯ブラシ4本(1本はジップロックの中にあります)

  • 歯磨き粉3本

  • ウエットティッシュ2袋

  • 石鹸1個(一応)

  • その他爪切り、コップ、糸ようじ、ハサミ、目薬等

です。歯磨き歯ブラシは余ってもいいので多めに持っていきましょう。(歯磨きできなくなるとかなり危険です)歯磨き粉チューブはだいたい3本もあれば9か月もつと思います。歯ブラシも4本あれば大丈夫です。余談ですが、歯医者は乗船前に必ず行っておきましょう。微弱な歯痛でかなり仕事に響きます。


持っていくシャンプー
100均で買える詰め替え容器

シャンプーはシーブリーズの大容量詰め替え用1Lを持っていくようにしています。9か月でも量的にこれで十分です。これを100均で購入できる200mlほどの容器に詰め替えて使用しています。


洗濯用ハンガー

ハンガーと洗濯クリップも必要です。

海外対応ドライヤー


海外旅行用変圧器

ドライヤーと変圧器ですね。コンセントはその船の造船所の国によるので、コンセントのアダプターは必須になります。私は上記のBESTEKというの変圧器を使用しています。これさえあれば延長コードを持っていくも必要ないと思います。ドライヤーも海外対応のものになります。私自身ドライヤーを使わず自然乾燥させるタイプだったのですが、当直後にシャワーを浴びて速攻で寝ないといけないのでドライヤーが必要になりました。

その他仕事で使うものを紹介します。

安全靴

安全靴です。言わずもがな必需品ですね。中にちょっと高めのインソールを入れると少しでもストレスを軽減できるのでお勧めです。


クリップ式サングラス
OZNIS サングラス

サングラスです。機関士の方は特に必要ないですが、低緯度の場所で船体が白いデッキ上で作業する場合、非常に眩しいので必要です。

私はメガネとコンタクトを併用するのでクリップ式と通常のもの両方を持つようにしています。別にここまで持たなくとも下に挙げるようなグレーレンズの保護メガネもあるのでそれでも十分です。


トーチ

トーチ(懐中電灯)ですね。高価なものである必要は全く無いですが、何かと必要になるので持っていきましょう。船橋で使う用の小さ目のトーチもあると便利です。ちなみにタンカーになると防爆用のものでないといけないので船にあるものを使うことになります。

軍手と皮手袋

軍手と皮手袋です。船にもあるとは思いますが、乗船してきた直後は受け取る余裕もないと思うので一個ぐらい自前のものを持っています。

ウエストバッグ

仕事用のウエストバッグです。ここにレンチやウエスなど入れて仕事をしていました。両手も空くのでかなり便利です。


カチューシャ

かなり写真写りが悪いですがこれはカチューシャです。長期間髪を切れない状態が続くこともあるので長い髪を纏める用に持っていきます。カチューシャで髪をまとめるのはフィリピン人がよくやっていますね。

英語の料理本

これは番外編ですが英語で書かれた日本料理レシピ本も持っていきます。大手船社のように日本料理を作ることができるように訓練されたチーフクックが乗っているわけではないので、せめて料理本を渡して作ってもらいます笑

あと割愛した髭剃りや常備薬等を省くと主要なものはだいたいこんなところかな、という感じです。

以上のものを詰め込んで家から車で移動し、駅や空港に向かう形になります。乗船地に段ボールを何個も送ってあんまり色々持って行ってしまっても、結局使わないまま大量に余ることがあるので特に重要でないものは切り捨てたほうがベターです。足りなくても最低限の日用品はbond storeで購入できますし。


記事はここで終わりとなります。読んでいただきありがとうございました。また下船後に有益な記事を発信できたらな、と思います。

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