現の盃克司

【CoClog】 現の盃

シナリオ制作者:穴蔵書房様
PC:克司 朱密(23歳・大学生/暴力団組員) PL:銀月
KP:ハト

KP:「現の盃」はじめます。

【日常】
KP:克司はいつものように授業を終え、組に帰ってくる。
KP:部屋に戻る途中、組長の百鬼に声をかけられる。

百鬼了:「朱密。帰ったか」
克司朱密:「組長、生きてたんですか。はい、戻りました」

KP:克司の無愛想な対応を全く気にしない様子で、百鬼は小脇に抱えていた段ボール箱を前に出す。

百鬼了:「お前宛に荷物だ」
克司朱密:「俺当て…ですか?」受け取ります

KP:差出人を見ると、古い友人の名前。
小学校低学年くらいから中学くらいまでよく遊んだ友人の名前だ。
この友人とは特に最近は関わりがない。せいぜいが同窓会で会うくらいのものだ。荷物を送られるような事情には思い当たるところはなかった。

克司朱密:「?」なんで?
克司朱密:「…ふーん…ありがとうございます。」とりあえず自室に戻ってから開けるようにします。

KP:部屋に戻って段ボール箱をよく見て見る。両手で持てるくらいの大きさの段ボール。伝票等には不審な点は一切ない。
開けると、中には古びた桐箱が入っている。
あわせて、小さな和紙の紙片が同封されていた。紙片には筆で「勧君金屈巵」、ただその一文だけが記されている。
KP:<歴史>か<知識>を振ってください。

克司朱密:CCB<=40 歴史
Cthulhu : (1D100<=40) → 54 → 失敗
克司朱密:CCB<=70 知識
Cthulhu : (1D100<=70) → 87 → 失敗

KP:「勧君金屈巵」について、克司は思い当たることが無い。

克司朱密:(なんだこれ)
克司朱密:「なんか漢文みたいだなぁ」
克司朱密:とりあえず箱を見ます

KP:古び、色もくすんだ桐の箱。
大きさは両手で持てるほど。紫色のひもで十字にくくられている。いわゆる『骨董品が入っていそうな箱』である。

克司朱密:開けますしゅるる~

KP:開けている最中、箱の裏に墨で「艮」の字が書かれているのに気づくだろう。
KP:<知識>または<歴史>どうぞ

克司朱密:CCB<=40 歴史
Cthulhu : (1D100<=40) → 23 → 成功

KP:読み方は「ごん」あるいは「うしとら」。北東の方角であり、陰陽道では鬼の出入りする方角である「鬼門(きもん)」をさす。
ちなみに八卦の意味では「停止・再出発・つなぎめ」という意味もある。ということを知っている。

克司朱密:ふむふむ

KP:また、箱の中には布に包まれた、陶器のかけらが入っている。
素朴な茶色の地肌に緑色の釉薬がかかった陶器。
きれいに真っ二つにされており、断面は鋭利でなめらかであり、欠けたというより斬ったという表現が近いように思われる。
酒宴で使用する盃ではないかと想像がすぐにつく。
KP:<値切り>が振れます。

克司朱密:CCB<=5 値切り
Cthulhu : (1D100<=5) → 62 → 失敗
KP:高価なものかはわからないが、大事にされていた形跡があることはわかるだろう。

克司朱密:「宛先間違ったのかな…」
克司朱密:「うーん」
克司朱密:じゃあ箱と紙をもって…
克司朱密:もって…
克司朱密:組長のところに行きます

KP:襖を開けると、百鬼は部屋で緑茶を飲んでいる。

克司朱密:「失礼します」
克司朱密:「組長、これなんだかご存知ですか?」紙を見せる
百鬼了:シークレットダイス

KP:百鬼はその文字を見て思い当たることがあるのか、本を一冊持ってきて克司に手渡す。

克司朱密:「?」受け取る
百鬼了:「この中に載っているはずだ。探してみろ」
克司朱密:パラパラめくって探します
克司朱密:この場で

KP:では<図書館>どうぞ

克司朱密:CCB<=55 図書館
Cthulhu : (1D100<=55) → 51 → 成功

KP:本を探すと、中国・唐の詩人、于武陵(うぶりょう)の記した勧酒(さけをすすむ)という五言絶句の漢詩の冒頭の一節であることがわかる。
別れをうたった詩である。
全文、および書き下し文は下記の通り。「勧酒」
勸君金屈卮
滿酌不須辭
花發多風雨
人生足別離
「酒を勧む」
君に勧む金屈卮(きんくつし)
満酌(ばんしゃく) 辞するを須(もち)いず
花発(ひら)けば風雨多し
人生 別離足る

KP:<知識>を振ってください

克司朱密:CCB<=70 知識
Cthulhu : (1D100<=70) → 87 → 失敗
克司朱密:駄目みたい…

KP:横に組長がいたので気が散ってしまったのだろうか、思い出せそうで何か思い出せない。

克司朱密:(古典……漢文…)
克司朱密:「う~ん?」
百鬼了:「差出人に直接聞いたらどうだ」またお茶を飲み始める
克司朱密:「そうですね…そうします」
克司朱密:「じゃあ失礼しました」
克司朱密:とりあえず部屋に戻ってもう一回段ボールを見ます

KP:克司は部屋に戻って段ボールの伝票に目を戻す。そこにあった差出人の名前は変わっていた。
KP:「日置良一(ひき りょういち)」。名前からして男だろうというのはわかるが、その名前に見覚えはない。あて先は変わらず克司の名前、住所、そのままだ。
間違いなく確認したその宛先が急に変更されたことに、言いようのない不安感を覚え、背筋があわ立つのを感じる。SANC

克司朱密:CCB<=83 SAN
Cthulhu : (1D100<=83) → 20 → 成功

KP:では減少なしです。
KP:克司がそれに気づき、顔を上げた瞬間、見慣れた日常は一変していた。

【異変】
KP:先ほどまで自宅にいたはずの克司は、古びた日本家屋の中にいつのまにか立っていた。
足元にひろがるのはひんやりとした板敷きの床。四辺を囲むのは襖。天井は黒々と高く、 無造作に複数おかれた灯明(とうみょう)がそれらをぼんやりと照らしている。けれど、その灯明では広い部屋の闇には圧倒的に光量不足で、逆に影を深くしているようにしか思えなかった。
そし貴方は一人ではない。
克司を中心とした円状に、人々が取り囲んでいる。
ずらりと居並ぶ人々は鬼の面で顔を覆い、着物に身を包んでいる。顔はわからないが、その背格好はまちまちで老若男女がそろっていると思われた。
目の前に並んだ無数の鬼の面。作り物であるはずのそれらは人の顔のようにけらけらと笑みを作る。
あまりに異常で、普段の日常からかけ離れた世界に送りこまれた克司はSANC

克司朱密:CCB<=83 SAN
Cthulhu : (1D100<=83) → 54 → 成功

克司朱密:「…は?」

KP:1の減少です
KP:面をかぶった人々は、克司の困惑を無視し、めいめいが好き勝手にわめき始める。
ひどく芝居がかった言いまわしで声を張り上げる。

「さあさ、おいでませ」
「このようなよき日に、仲間を迎えられるとは」
「我らの仲間に」
「さあさ、ぜひ我らの仲間になりましょうぞ!」
「歓迎いたしまする。歓迎いたしまする」
「さぁ!まずは一献(いっこん)!かための盃をかわし、宴へと参ろうではないか!」
「「さぁさぁさぁさぁ!」」

克司朱密:「なに???」

KP:唖然とする克司の前に、童女の背格好の面をかぶった人物がやってきて、盆を差し出した。
KP:盆の上にはなみなみと酒がそそがれた盃がおかれている。その酒からは甘い甘い香りが漂い、飲みたくて飲みたくてしょうがなくなってしまうだろう。
KP:<歴史>を振ってください。

克司朱密:CCB<=40 歴史
Cthulhu : (1D100<=40) → 23 → 成功

KP:盃をくみかわす、すなわち酒をくみかわすということは古来より、血縁関係のない人間関係をより強固にすることを意味する。
たとえば神道式の結婚式で行われる三々九度、兄弟の契り。別れ、約束、そういったものでも使われる。
そうしたことを考えてみると、ここでこの状態で盃を飲むことはよろしくないことにように思えるだろう。

克司朱密:「……の、飲まないから」ぐぐ

KP:飲むのを拒否したい場合は、POW*5どうぞ

克司朱密:ccb<=60 POW*5
Cthulhu : (1D100<=60) → 87 → 失敗

克司朱密:のみた~い!

KP:嫌悪感を感じながらも、甘美な香りに誘われるように、克司は盃に手を伸ばし、口元へと運ぶ。
KP:それはあまりにも甘い香りと味で、途中で飲むことをやめられずに一気に飲んでしまうだろう。
飲み干した後、妙な満足感と高揚感が体を包み込む。
克司朱密:「……」飲んじゃった

【気配】
—————そのとき
ふと、足音が聞こえてくる。
襖の向こうからこちらに近づいてくる。
襖がガラリと開けられ、ひときわ立派な着物をまとった男が部屋に入ってくる。
男の顔にも面がついているが、他の者がつけている鬼の面とは少々種類が違うように思えた。
KP:<歴史>が振れます。

克司朱密:CCB<=40 歴史
Cthulhu : (1D100<=40) → 65 → 失敗

KP:腰に刀をさした彼は一言も言葉を発しないまま、その場を一瞥すると、舌打ちひとつを残して刀を抜き、盆を持ってきた童女を切り伏せる。
KP:鮮血が飛び散り、腸がぶちまけられる。陰惨なまでに、それは人を殺すという行為だった。SANC

克司朱密:CCB<=82 SAN
Cthulhu : (1D100<=82) → 42 → 成功

KP:1の減少です。

克司朱密:「なっ」

KP:それを見て、鬼たちが「御曹司!」と非難の声をあげて一斉に立ち上がった。
KP:灯明の明かりが、突如吹いた風に吹き消され、視界が暗転する。

【夢か現か】
KP:そして、克司のいる場所は再び変わっていた。
目の前に広がるのは古い日本家屋の一室。
足元には畳があり、縁側に面している雪見障子(雪景色が見えるように襖に窓がついているもの)向こうからまぶしい日の光が差し込んでいる。
部屋はかなり広い。20畳ほどはあるだろうか。
縁側の向こうには枯山水がひろがり、残りの三辺は絵が描かれたふすまで閉ざされている。い草の香りがこれが現実だと告げていた。
KP:現実の家から、板間の部屋、そしてまた別の部屋と、不可思議な部屋の移動を行ったあなたはSANC

克司朱密:CCB<=81 SAN
Cthulhu : (1D100<=81) → 39 → 成功

KP:1減少です。
KP:この部屋には、ぽつんとお膳が置かれているだけだ。

克司朱密:「なんなんだ…???」いるのは自分だけですか?

KP:見たところひとりしかいない。
KP:所持品ですが、この空間に飛ばされる前にもっていた持ち物はそのまま持っている。
KP:桐の箱、陶器の欠片も所持している。

克司朱密:ふむふむ
克司朱密:お膳台に近寄ります

KP:足つきのお膳はかなり古めかしいもの。なにも載ってはいない。側面には桜の絵が描かれている。

裏返せば、「約定(やくじょう)の日 此れを使用す」とある。

KP:<値切り>が振れます

克司朱密:CCB<=5 値切り
Cthulhu : (1D100<=5) → 29 → 失敗

KP:<アイデア>を振ってください

克司朱密:CCB<=70 アイデア
Cthulhu : (1D100<=70) → 10 → スペシャル

KP:では、裏に書かれている字が伝票の「日置良一」の署名と筆跡が似ていることがわかる。

克司朱密:「?誰だこいつ…」
克司朱密:部屋を見渡します

KP:<目星>どうぞ

克司朱密:CCB<=50 目星
Cthulhu : (1D100<=50) → 26 → 成功

KP:ふすまには様々な絵が描かれている。
□ふすま・甲
遊ぶ子供たちの絵。
おそらく鬼ごっこをしているのではないだろうか。
□ふすま・乙
宴席の絵。
老若男女が酒を飲み、踊る絵が描かれている。
□ふすま・丙
龍の絵。
水墨画の荒々しいタッチで、嵐の中、風に踊る龍が絵が描かれている。

KP:そして、足元に少し浮いている畳を見つける。

克司朱密:「ここ…?」
克司朱密:剥がせますか?
克司朱密:畳を

KP:畳をはがせば、下には収納が存在している。
KP:収納には、蒔絵の細長い箱と錆びたクッキーの缶詰が入っている。

克司朱密:クッキーの缶を手に取ってよく見ます

KP:かなり錆びている。中はそこそこ重く、物が詰められているようだ。

克司朱密:中を確認します興味があります

KP:中にはいくつものおもちゃが入っていた。
ビーズでできた指輪、プラスチックでできた何かのおまけ、本…どれも「子供のころ、一番大切にしていそうな宝物」の類である。
あわせて、黄ばんだ画用紙が折りたたまれて入っている。

克司朱密:画用紙を見る

KP:画用紙には幼い子供の手によるものと思われる絵が描かれている。背景には公園が描かれ、何人もの子供たちが手をつないでいる。その上につたない字で「またあそぼうね」と書かれていた。
中央には鬼の面をかぶった子供が立っている。
KP:<アイデア>を振ってください

克司朱密:CCB<=70 アイデア
Cthulhu : (1D100<=70) → 60 → 成功

KP:では、克司はこの絵を描いたのは自分自身であることを思い出す。

克司朱密:なに?
克司朱密:ほんとに?

KP:どうして今まで忘れていたのだろう?確かに幼いころに自分が描いた覚えがある。

克司朱密:「……へったくそだな……。」
克司朱密:裏とかは

KP:特に何も書かれていません

克司朱密:なんだこれ
克司朱密:それは置いておいて、箱を見ます

KP:1mほどの長細い箱。蒔絵はたいそう立派なもので葵の紋がきざまれている。
この蒔絵の箱には紙が無造作に貼り付けられている。
「太刀 銘安綱(名物童子切安綱) 附 絲巻大刀 梨地葵紋散蒔絵大刀箱」
KP:<日本刀>技能が振れます

克司朱密:「太刀……?刀か?」
克司朱密:CCB<=70 日本刀
Cthulhu : (1D100<=70) → 2 → 決定的成功/スペシャル

KP:では、克司は以下のことを知っている。
童子切安綱(どうじぎりやすつな)
天下五剣(てんがごけん)と呼ばれる室町時代より名刀と称された五振の名刀のうちの一つ。国宝指定。
国宝指定名称は 「太刀 銘安綱(名物童子切安綱) 附 絲巻大刀 梨地葵紋散蒔絵大刀箱」
(たち めい やすつな めいぶつどうじぎりやすつな つけたり いとまきたち なしじあおいもんちらしまきえたちばこ)
清和源氏の嫡流である源頼光(みなもとのらいこう)が、丹波国大江山(たんばのくに おおえのやま)に住み着いた鬼・酒呑童子の首をこの刀で切り落としたという伝承のある一振りである。
平安時代、伯耆国(ほうきのくに 現在の鳥取県中部あたり)の刀工、 安綱の打った名刀である。
刃の長さは80センチはある。
克司朱密:「何でこんなものがここに…?」
克司朱密:中を確認します

KP:箱を確認するが、刀は中に存在しておらず、こしらえ一式と組み立てに必要な道具が収められている。

克司朱密:「本体がない…」
克司朱密:うーんと考えて、庭園を眺めに行きます

KP:雪見窓の向こうには庭園が広がっている。枯山水の庭園、廊下はどこまでも続いているように見える。

克司朱密:縁側まで出ていく

KP:縁側に出ると日が差し、眩しさを感じる。美しい枯山水が広がっているのが見える。枯山水の奥には塀が見える。
KP:庭園には松の木、飾り石、小さな池がある。
KP:<アイデア>を振ってください

克司朱密:CCB<=70 アイデア
Cthulhu : (1D100<=70) → 36 → 成功

KP:枯山水は水の流れを表現しており、手前とあちら側を区切っているように思える。
彼方(あなた)と此方(こなた)、つまりあの世とこの世を表現しているのではないかと思う。

克司朱密:「あっちは駄目か…」
克司朱密:じゃあ小さな池を見に行きます

KP:しゃりしゃりと音を立てる小石の上に降りる。池を覗き込むと、数匹の金魚がのんびりと泳いでいる。
KP:しかし、そんなことよりもあなたは驚くだろう、水面には子供の頃の自分の姿が映っている。

克司朱密:「…?」

KP:そして、貴方の後ろには鬼の面をかぶったこどもがいる。

克司朱密:勢いよく振り返ります

KP:急いで振り返るが、そこには誰もいない。足元に目をやると、そこには血だまりがある。
嫌な予感と、まるで自身の死を予見するかのような血だまりに、SANC

克司朱密:CCB<=80 SAN
Cthulhu : (1D100<=80) → 66 → 成功

KP:減少なしです。

克司朱密:「気味が悪いな」
克司朱密:もう池を一回見る

KP:もう一度見るが、普段の自分の姿が水面に揺らめいているだけだ。

克司朱密:ふむ
克司朱密:戻って廊下を左に進んでみます

KP:廊下を進んでいくと、部屋と同じくらいの範囲まで進んだと思った瞬間、反対側から戻ってきてしまう。ループしているようだ。どうしても帰れない事実に気づいたあなたはSANC。

克司朱密:CCB<=80 SAN
Cthulhu : (1D100<=80) → 14 → スペシャル

KP:減少なしです。

克司朱密:「ふん」ムム
克司朱密:左(甲)の襖近くに行きます

KP:襖・甲
何人もの童女・童子が遊んでいる。鬼ごっこをしているようだ。
鬼だと思われる子供はオレンジ色の着物を着、鬼の面をつけている。
KP:<歴史>が振れます

克司朱密:CCB<=40 歴史
Cthulhu : (1D100<=40) → 92 → 失敗

克司朱密:聞き耳します
克司朱密:CCB<=55 聞き耳
Cthulhu : (1D100<=55) → 19 → 成功

KP:襖のむこうから、カラスの鳴き声と学校のチャイムが聞こえてくる。

克司朱密:なんで?
克司朱密:「……」開ける

KP:甲の襖を開けたその先には、草に覆われた遊具とプレハブ小屋のある公園がひろがっていた。
空は夕方時のオレンジ色を示し、あちらこちらの家から食事の香りが漂っている。

克司朱密:「……は?」
克司朱密:「何どうなってんの?」

KP:<アイデア>を振ってください

克司朱密:CCB<=70 アイデア
Cthulhu : (1D100<=70) → 52 → 成功

KP:では、そこはあなたが子ども時代に遊んでいたときの公園であることを思い出す。
そしてあたりの風景、遊具の色などからして小学生時代の風景であると思われた。

克司朱密:恐る恐る足を踏み入れます

【郷愁】
KP:襖に入って振りかえれば、奇妙なことに開け放たれた襖がぽっかりとうかび、畳の部屋が向こうに見える。
鼻につくくさいきれは、それがまぎれもない現実だと君に告げている。
公園の遊具のそばにはいくつものランドセルが置かれている。色は赤や黒などさまざまで、男女混ざって遊んでいるようだ。

克司朱密:懐かしい……
克司朱密:子供の声とかしますか?

KP:子どもたちの姿は見当たらない。夕暮れの公園はやけに静まり返っている。

克司朱密:じゃあランドセルに近寄ります

KP:ランドセルを調べると、そのうちの一つには「こくしあけみつ」と自分の名前が書かれている。

克司朱密:「俺のじゃん」
克司朱密:中を開けてみます

KP:教科書類をあされば小学校1年生のようだ。
KP:そしてランドセルの中には、この頃宝物のように大事にしていた、母親からもらった和柄のハンカチが入っている。それは大切にしていた記憶はあるが、いつの間にか手元から消え失せていたものだ。

克司朱密:「…!これ……」
克司朱密:実家に置いてきたか…
克司朱密:そのままランドセルに入れなおします
克司朱密:プレハブ小屋に行ってみる

KP:プレハブ小屋はぱっと見ぼろぼろで、自治会の倉庫として使われているものだとわかる。鍵はかかっていない。

克司朱密:中に入ります

KP:中に入ると、ホコリっぽい匂いが鼻につく。薄暗い奥のほうに目を向けると、少年が一人隠れているのが見える。

克司朱密:「?!」
克司朱密:「……えっと?」困惑

KP:克司が声を出すと、少年が振り返る。その顔には鬼の面がつけられている。

少年は口元に指をやり、「しー…」というポーズをする。
克司朱密:「……何してんの?」小声で
少年:「しー…今、あけみつとかくれんぼをしてるんだ」
克司朱密:「あけみつ…?」

KP:少年はこくりと頷く。

克司朱密:「二人でやってんの?」
少年:「ううん、ほかのこもいっしょだよ。あけみつが鬼なんだ」
克司朱密:「ふーん」
少年:「だいじなかくれんぼなんだ、お兄さんも、かくれて」
克司朱密:「え、俺参加してないし…」
少年:「そこに立ってるとぼくがみつかっちゃうから」
克司朱密:「……」ムっとしつつ横に座ります

KP:克司が座ると少年は満足げに頷く。

克司朱密:「…君の名前は?」
少年:「えっと…」
少年:「りょういち」

KP:少年は思い出したように言う。

克司朱密:「りょういち…」差出人と一緒だ
克司朱密:「……いつまでやるのこれ」
少年:「もうちょっと」
少年:「ぼく、今日で遠いところに行かなきゃいけなくなったんだ。だから、最後にみんなと賭けをしてるんだ」

KP:少年は少しさみしそうに口角を下げる。

克司朱密:「……引っ越し?」
少年:「…ううん、そうだね。引っ越しかな」
克司朱密:「そう、まあよくあることだ」
克司朱密:「賭けって何してんの?お菓子とか?」
少年:「よくあることなの?…えっとね。もし、最後まで見つからなかったらみんなの宝物がもらえるんだ」
克司朱密:「へぇ」
少年:「でもあけみつは鬼が上手だから、ちゃんと隠れてないと。だから、お兄さんも黙っててね」

KP:少年はそういって静かになる。
KP:その時、外から「もういいかい?」という元気な声が聞こえる。貴方には聞き覚えがあるが違和感のある声である。

克司朱密:「!」
少年:「しー」
克司朱密:静かに待ってます

KP:では、黙って声が過ぎるのを待っていると、あたりが静かになる。
KP:少年はほっとした顔で、あなたへハンカチに包まれたものを渡してくる。

少年:「お兄さんありがとう。これは黙っていてくれたお礼」
克司朱密:受け取ります
克司朱密:「なにこれ」
少年:「おとうさんに渡された大切なものだけど、もう必要ない。使いたくないし」
少年:「そんなものがなくても、ぼくたちはともだちになれたから」
克司朱密:「はぁ…」貰ったものを見ます

KP:ハンカチを広げると、陶器の欠片が入っている。
KP:あなた宛てに送られてきたものと同じもののように見えるだろう。

克司朱密:「…?」自分の分も出して見比べます

KP:送られてきた欠片と見比べ、あわせればぴったりとかみ合い、そしてすっとつなぎ目がくっつく。亀裂もなくなり、ひとつの盃としてできあがる。

克司朱密:「…」くっついた…
克司朱密:「そう、じゃあこれはありがたくもらっていく」
少年:「うん」

KP:少年は再び隠れる姿勢になる。

克司朱密:「ま、楽しんで。俺は行かなきゃ」
克司朱密:外に出ます

KP:少年は小さく手を振ってあなたを見送る。

プレハブ小屋からでると、遠くから声が響く。
「もーいーかい?」
それは幼い頃の自分の声だ。「「もーいーよ」」幼い誰かの声も響く。プレハブ小屋の中からも。
そして、そこにもう一つの声が重なった。

【気配】
「もういいよ」
KP:振り返れば、プレハブ小屋の上に異形がいる。
KP:鬼の面をかぶり、かぎづめのような手足を持つ四つん這いになった異形が、だらだらと血を流しながら見下ろしている。身にまとう着物はぼろくずのようになっていた。まるで誰かと争ったあとかのように。ぽたり、ぽたりと血が滴っている。
「あな、くやしや、くやしや。御曹司にしてやられるとは、御曹司に、裏切られるとは。だが見つけた、まだ間に合う。ぬしが仲間になればこちらのものよ。御曹司も正気を取り戻すであろう。」
KP:明らかに鬼としか思えない異形のものを前にした克司は、SANC

克司朱密:CCB<=80 SAN
Cthulhu : (1D100<=80) → 43 → 成功

KP:1の減少です

克司朱密:「…なんだお前」ム

KP:鬼はあなたに襲い掛かってこようとしている。あなたは先に動くことができます。

克司朱密:刀を抜きます

KP:では戦闘に入ります

【戦闘】
行動順は、克司→異形の者

1R
克司朱密:斬りかかりたいです

KP:日本刀どうぞ

克司朱密:ccb<=70 日本刀
Cthulhu : (1D100<=70) → 10 → スペシャル
異形の者:CCB<=(8*2) 回避
Cthulhu : (1D100<=16) → 85 → 失敗
克司朱密:1d10
Cthulhu : (1D10) → 9

KP:克司はプレハブ小屋から飛びかかってきた異形を刀で斬り払う。血が飛び、異形の者は真っ二つに両断され地に落ちる。

異形の者:「おのれ…おのれ…」

KP:恨み言を吐きながら、異形の者は霧となって消えていく。戦闘終了です。

克司朱密:刀の血を払って鞘に納めます
克司朱密:「さっきのは…御曹司ってなんだよ…」
克司朱密:もう一度あたりをきょろきょろしてから何も変わったところが無ければ襖のほうに戻る

KP:特に変わった様子はない。夕暮れの公園にはどこかもの悲しさが漂っていた。
KP:畳の間に戻ると、襖の絵から鬼の役をしていた子供の絵だけが消え去っている。

克司朱密:「……」
克司朱密:部屋も特に変わったところはないでしょうか

KP:部屋を見回すと、お膳の上にはいつのまにか徳利がおかれている。

克司朱密:「?」組長が良く添えてるやつ
克司朱密:持ってみる
克司朱密:中は入ってますか?

KP:中には何も入っていない。

克司朱密:「空じゃん」
克司朱密:組長が飲んだ…?
克司朱密:じゃあ次は右のほうに行ってみます

KP:襖・丙
墨で描かれた龍の絵のふすま
荒々しい豪快な筆致で描かれ今にも踊りだしそうに見える。
龍の目はこちらの動きを追っているようにも見える。

克司朱密:聞き耳します
克司朱密:CCB<=55 聞き耳
Cthulhu : (1D100<=55) → 10 → スペシャル

KP:ふすまの向こうから風が吹き荒れる音と、雨音が聞こえてくる。

克司朱密:「こっちもまた別の場所っぽいな…」
克司朱密:開けます

【枯野原】
KP:ふすまの向こうでは嵐が吹き荒れていた。
KP:重苦しい分厚い雲から激しい雨が降り注ぎ、風がごうごうと音を立てて襲い掛かってくる。
足元には膝の丈ほどの灰色の枯草が生い茂り、それは遠くまで広がっていた。枯草の中、小高い丘が一つある。丘の上には黒く枯れた木が一本たち、大風に右へ左へ揺れている。どうやらその木の根元に誰かがいるようだ。

克司朱密:「?」目を細める
克司朱密:「おい!」その場のまま声をかけます

KP:その人物は動かない。嵐のせいか、声が届いていないのだろう。

克司朱密:「はぁ……」ため息をついてそっちに向かいます

KP:草をかき分け進んでいくと、木の下には、面をかぶった着物姿の男が二人、それぞれ背中合わせになるように座っている。
KP:<歴史>どうぞ
克司朱密:CCB<=40 歴史
Cthulhu : (1D100<=40) → 54 → 失敗

KP:2人とも能面をかぶっていることがわかる。
KP:白い着物の男は腰に刀を帯びている。服装は直垂。髭の生えた翁の能面を付けている。
KP:黒い着物の男も腰に刀を帯びている。服装は狩衣。赤い鬼の顔のような能面を付けている。

克司朱密:「……何してんの?」声かける
克司朱密:二人に
白い服の男:「花を売っている。物事には花が必要であろう」
黒い服の男:「花を売っている。物事には花が必要であろう」

KP:話しかけると、2人同時に克司のほうを見る。

克司朱密:「……は?」困惑

KP:白い着物の男はしわがれた穏やかな声をしており、黒い着物の男は低い声だ。お互いがお互いのことを無視しているように思える。

克司朱密:「?」
克司朱密:「花って、花?こんな嵐なのに?」
白い服の男:「晴れれば嵐の日もあるだろう」
黒い服の男:「晴れも嵐の日もあろう」
克司朱密:(性格出るな…)
克司朱密:「なるほどね…」
白い服の男:「花は別れにも再開にも必要なもの。それは酒と同じように。だから花を一輪、お買いにならんかね?」
黒い服の男:「花は別れにも再開にも必要なもの。それは酒と同じように。だから花を一輪、お買いにならないか?」
克司朱密:「二人で花屋やってんの?場所もっと考えた方がいいよ」
白い服の男:「おや、もう一人いるのか。自分には見えない。悪鬼・妖怪のたぐいであろう」
黒い服の男:「はて、もう一人いるのか。自分には見えない。悪鬼・妖怪のたぐいであろう」
克司朱密:「……え、喧嘩?」
克司朱密:「花ってなんの花?」
白い服の男:「桜の花を売っている。物事には花が必要であろう」
黒い服の男:「椿の花を売っている。物事には花が必要であろう」
克司朱密:「桜と椿か…」
白い服の男:「銅銭5枚でどうか?」
黒い服の男:「銅銭5枚だ」
克司朱密:「銅銭?10円のこと?」

KP:10円玉を見せてみても首を横に振られることだろう。

克司朱密:「はぁ?」
克司朱密:「わがまま言うな」
白い服の男:「そのような銅銭は見たことが無い」
黒い服の男:「そのような形の銅銭は知らぬ」
克司朱密:「俺もこれ以外の銅銭はしらねぇよ…」
白い服の男:「自分はここで待っている故、用意ができたらまた来ておくれ」
黒い服の男:「自分はここで待っている。用意ができたら再び訪れよ」
克司朱密:「わがままだなホント…」ため息
克司朱密:一応きょろきょろ見まわしてみます

KP:小高い丘には嵐に揺れる黒い大木しかない。丘の周りは枯草の草原がどこまでも広がってざわざわと雨風に揺れている。

克司朱密:仕方ないから部屋に戻ります

KP:克司は再び襖の部屋へと戻ってくる。

克司朱密:「となるとこっちか…」乙のほうに行く

KP:襖・乙
襖には老若男女が敷物を敷き、酒を飲み、踊りを踊っている。
桜の木の下の花見のようで、どの人物も楽しそうに見えた。
中央にいる、この宴の中心人物だと思われる青年はオレンジ色の着物を着ている。鬼の面はつけていない。
KP:<歴史>が振れます

克司朱密:CCB<=40 歴史
Cthulhu : (1D100<=40) → 62 → 失敗

KP:<知識>も振れます

克司朱密:CCB<=70 知識
Cthulhu : (1D100<=70) → 31 → 成功

KP:オレンジ色の着物を着た人物は席次でいうところの上座に座っている。また、この人物は宴の席にあるにもかかわらず帯刀のままでいる。そのことに奇妙さを感じる。
また、その刀には見覚えがある。この畳の部屋に来る前の板間の部屋で、あなたに酒を差し出した童女を斬った人物、その刀に似ている。

克司朱密:「?……」聞き耳振ります

克司朱密:CCB<=55 聞き耳
Cthulhu : (1D100<=55) → 14 → 成功

KP:特に物音は聞こえない。

克司朱密:開けます

KP:襖を開けると、土間の部屋がそこには広がっていた。
湿った、ほこり臭い空気が鼻腔をつく。窓はあるが板の雨戸がしっかりと閉ざされ、外を見ることはできない。薄暗い部屋ではあるが、明かり取りか空気の入れ替えのためか、高い天井の先には天窓があり、鉛色の分厚い雲が見えた。そこからのわずかな光で部屋の中は不十分ではあるものの探索することはできる。
室内に設置された井戸、かまどが2つ、棚、陶製の壺が3つ、そして台所というなかなか妙な部屋だ。台所には一通りの物品がそろっている。
KP:棚、大きな陶製の壺3つ、井戸、かまど2つを調べることができる。

克司朱密:棚をあさる

KP:木製の棚には雑然とものが並んでいる。
酒の入った陶製の瓶がいくつもならんでいる。
下の方にはいくつもの鬼の面が置かれている。
KP:<目星>をどうぞ

克司朱密:CCB<=50 目星
Cthulhu : (1D100<=50) → 33 → 成功

KP:棚の奥に誰かの目から隠すようにしまわれた木箱を見つける。また、棚の一番下には「菅原道真」「平将門」について書かれた書物がほこりをかぶって置かれていた。
克司朱密:箱を自分のほうに寄せて開けます
KP:木箱を開けると、克司が小学生のころに大事にしていた「母親からもらった和柄のハンカチ」が、経年相応に古びた状態でしまわれている。古びてはいるが、丁寧に扱われているようだった。

克司朱密:「……これ。実家に忘れたかと思ってたけどな…」
克司朱密:書物にも目を向けます、道真から!

KP:<歴史><オカルト>が振れます

克司朱密:CCB<=40 歴史
Cthulhu : (1D100<=40) → 89 → 失敗
克司朱密:CCB<=5 オカルト
Cthulhu : (1D100<=5) → 75 → 失敗

KP:<図書館>と<アイデア>組み合わせロールどうぞ

克司朱密:CBRB(55,70) 組み合わせロール
Cthulhu : (1d100<=55,70) → 84[失敗,失敗] → 失敗

KP:では本に目を通しても特にピンとこないだろう。

克司朱密:「…日本史のレポート…まだだったな…」
克司朱密:「ないな…」
克司朱密:壺を見に行きます

KP:かなり大きく、大の大人がすっぽりと入れそうなほどの大きさだ。物はかなり古そうでもある。
各壺には蓋がついている。
奥底でからからと音がする壺、悪臭を放つ壺、からからと軽く硬いものが入っている壺

克司朱密:カラカラ音がするやつの中を覗きます

KP:では、DEX*5どうぞ

克司朱密:ccb<=75 DEX*5
Cthulhu : (1D100<=75) → 98 → 致命的失敗

KP:開けた瞬間、中から鬼の面が飛び出してくる。鬼の面はまるで生きているかのように口を開き、克司の肩に噛みつく。1のダメージ
KP:鬼の面の裏側は血と、生々しい肉がこびりついている。

克司朱密:「ぐっ?!」
克司朱密:引きはがす

KP:引きはがすと、鬼の面は、ぎょろりとその目を克司に向ける。動かないはずの木製の口がゆっくりと動く。

「あなくやしや、裏切り者にしてやられるとは、このような姿になりさがるとは」
「くやしや」
「くやしや」

KP:言いながら、動かなくなっていく。
KP:本来それ単体で動くはずのない鬼の面の、生きているとしか思えない行動を目撃したあなたはSANC。

克司朱密:CCB<=79 SAN
Cthulhu : (1D100<=79) → 22 → 成功

KP:1の減少です
KP:壺の中には袈裟斬りに両断された着物が血にまみれて入っている。

克司朱密:「……」ムム
克司朱密:鬼のお面を置いて悪臭のするやつを開けます

KP:蓋を開けると、中にはばらばら死体が入っている。
それは冒頭で、桐箱を送ってきた送り主の、最初の名前になっていた友人のものだ。
友人の非業の死を目撃したあなたはSANC

克司朱密:そんなことaru?
克司朱密:CCB<=78 SAN
Cthulhu : (1D100<=78) → 13 → スペシャル
克司朱密:?

KP:1の減少です。

克司朱密:蓋を閉めます

KP:閉まります。

克司朱密:最後の一個に願いを込めて開けます

KP:蓋を開けて覗きこむと、奥底に古ぼけた銅銭が5枚入っている。
乾元大宝(けんげんたいほう)と刻印が入っている。
KP:<歴史>が振れます。

克司朱密:CCB<=40 歴史
Cthulhu : (1D100<=40) → 87 → 失敗

KP:とても古そうだということはわかる。

克司朱密:「あ、あった」
克司朱密:とって持っていきます

KP:もって行けます。

克司朱密:かまどに行きます

KP:かまどは2つある。両方とも灰がたまり、長い間使われていないらしい。
KP:<日本刀>が振れます

克司朱密:ccb<=70 日本刀
Cthulhu : (1D100<=70) → 23 → 成功

KP:では克司は片方はかまどではないとわかる。それは日本刀の鍛造に使われる炉である。よく見れば、鍛刀の道具がそこここに収納されている。すべてほこりをかぶってはいるが。

克司朱密:(刀工がいるのか…)
克司朱密:炉をくわしく調べます

KP:炉の灰の中をあされば、一振りの日本刀が収められている。美しい刃紋を描く刀身を持つ太刀だ。銘は「安綱 」と刻まれている。

克司朱密:「あ!国宝」

KP:80cmほどの抜き身の刀。抜き身の刀のため、このままでは使用できない。

克司朱密:「……こんなところにおきっぱも罰が当たるかな…」と思うので持っていきます怪我しないように

KP:持って行けます。

克司朱密:「……まるで誰かの家みたいなとこだな」井戸に向かいます

KP:手押しのポンプ式井戸。
最初は赤さび色の水、さいごは清流が流れる。
冷たくて気持ちがいい。

克司朱密:(あんまり使われてなかったのか…)
克司朱密:「5枚しかなかったけど…仕方ないか」
克司朱密:一旦襖の部屋に戻ります

KP:襖の部屋に戻ってくる。特に変わった様子はない。

克司朱密:箱のとこに行って安綱を鞘に納めます

KP:克司は刀を組み立てる。
KP:組み上がった刀はとても美しく、波紋は花のように、刀身は流れるような弧を描いている。
KP:【武器データ】
童子切安綱
日本刀技能使用
取得技能値+20%
ダメージ2d8+db
KP:日本刀及び居合の技能値+20で振ることができます。戦闘のみ

克司朱密:まあ国宝なので持っていきます一応ね!
克司朱密:丙の襖の向こうに行きます

KP:克司は再び丙の襖の奥、嵐の中へと足を進める。

克司朱密:「銅銭ってこれ?」見せます

KP:2人の男は頷くだろう。

克司朱密:「5枚しかなかったんだけど、まけてくれたりしないの?」

KP:2人の男は首を横に振る。

克司朱密:「……はぁ」
克司朱密:「もうじゃあ俺の好みで決めるから」
克司朱密:「………」悩む
克司朱密:「……じゃあ椿」

KP:克司が黒い着物の男に銅銭を渡すと、男は懐から椿の花を一輪出し、克司へと差し出す。

克司朱密:受け取ります

KP:椿が克司の手に渡った途端に花は風に舞い、音を立てて目の前の枯れ木に一瞬にして満開の椿が咲き誇る。風がやみ、雨はいつの間にか雪に変わる。空は薄灰色の雲に覆われ、しんしんと降る雪に枯草は隠されあたりは雪原へと変わっていた。
KP:白い着物の男はその瞬間、霞のように消える。

克司朱密:「………!」びっくり

KP:黒い着物の男は立ち上がると、克司の持っている刀、童子切安綱を見て皮肉そうに笑う。

黒い服の男:「これはずいぶんと面倒くさい、鬼斬りの刀をお持ちなようだ。自分の刀とは真反対のもののようで」

KP:そう言って、己の刀を示す。

黒い服の男:「自分は波平行安というしがない能登の刀工である。この刀は鬼人大王という刀である」

KP:<日本刀>が振れます

克司朱密:CCB<=70 日本刀
Cthulhu : (1D100<=70) → 48 → 成功

KP:克司は以下の情報を知っている。
鬼神大王波平行安(きじんだいおうなみひらゆきやす)
平安時代後期薩摩国波平に住まった刀工集団「波平行安」が鍛えたという伝説の刀である。
奥能登の老鍛冶が立派な刀鍛冶になら娘を嫁がせる、という条件を出した。その時に一日に千本鍛えると称して現れた男(鬼)が999本目に鍛えた刀がこの鬼神大王波平行安である。鬼はこの刀を鍛えたところでひとにのぞかれ、姿を消した。
波平行安の打つ刀がすばらしいものだったのでこの伝承が残ったとされる。

克司朱密:「鬼が作った刀?」
黒い服の男:「さよう」
克司朱密:「確かにそれは正反対だけど…」
克司朱密:「でもこれ、国宝だから。使わねぇよ」

KP:しんしんと雪が降り積もる中、黒い着物の男は静かに話し始める。

黒い服の男:「ずいぶんと冷えてきた。暇を告げる前に、いくつか話をしよう」
黒い服の男:「君は鬼に好かれたようだ。並大抵のことではどうにもならないだろう。ここは『鬼の居る間』、現と幻の狭間である。脱するには鬼を斬ればいい。ああ、飲食には気をつけろ。ヨモツヘグイ、は知っているか?  酒を飲むくらいなら、水でも飲んでごまかせばいい」
克司朱密:「…酒、飲んだけど」
黒い服の男:「そうであったか。それもまた君の運命かもしれぬ」
克司朱密:「他人事だと思って…」
黒い服の男:「この世には抗えぬ運命というものがある」
克司朱密:「ふーん……」
黒い服の男:「そろそろ自分はいかねばならぬ。では」

KP:そう言い残して、彼は去っていく。

克司朱密:「……」
克司朱密:(飲んじゃダメだったかな……)
克司朱密:椿をしばらく眺めてから戻るかなぁ

KP:静まり返った白い雪原に、丘の上の満開の椿の花だけが映える。
KP:雪の重さに耐えかねてぽとり、ぽとり、と椿の花が落ちる様子を、克司はしばらく眺めていた。

克司朱密:「…。」

KP:畳の部屋に戻ると、丙の襖から龍は消え失せ、全ての襖が墨で描かれた椿の絵に変わっている。
KP:そして膳台の前に、着物を身にまとった日本刀を持った男、この畳敷きの部屋に来る前にきた板間の部屋で、童女を切った男が座っている。
KP:克司が来たことに気づくと、男は徳利を持ち上げ、克司が持っている盃と似た盃を膳台に出す。

面の男:「飲もうか、酒を持ってきてはくれないか」

KP:そう言って徳利を差し出す。

克司朱密:「あんた……」
克司朱密:「誰なんだ?」
面の男:「……」

KP:男はその質問には答えない。

克司朱密:「さっき、うかつに飲むなって言われたんだけど」
面の男:「…そうか。強制はしない」

KP:男は少し残念そうな声で言う。

克司朱密:「……ふむ。」
克司朱密:「いいよ、どうせ飲んでるし。一杯だけね」

KP:男は顔をあげ、嬉しそうに克司に徳利を渡す。

面の男:「ありがとう」
克司朱密:受け取ります
克司朱密:「……はぁ」ため息
克司朱密:乙の部屋に行ってお酒を入れます

KP:克司は棚から酒をとり、徳利に移す。

克司朱密:持って戻ります

KP:酒を持って畳の間に戻ると、男はそれを受け取り、盃に注ぐ。

克司朱密:「どうして俺を誘ったの?」見てる
面の男:「…君と、一番仲がいいと思っていたから、かな」
面の男:「君はもう、忘れてしまったかもしれないが」
克司朱密:「そうなんだよな」
克司朱密:「名前、やっぱり教えてくれない?」
面の男:「………」
克司朱密:「そ」
克司朱密:「多分だけど、あんたは良一ってやつで、俺と昔友達だったんだ」
面の男:「君にはそう名乗っていたね」
KP:男は少しほほえみを浮かべ頷く。
克司朱密:「俺には…?」
克司朱密:「あんたはたくさん名前があるの?」
日置良一:「本当の名を言ったら驚かせてしまうからね」
日置良一:「あの時は、とっさに思いついた名を名乗ったんだ」
克司朱密:「ふーん」
日置良一:「朱密、僕と…盃を交わしてくれないか」
克司朱密:「盃ね…。」
克司朱密:「………。」考えてる

KP:盃を交わしてくれないかと言う面の男、日置良一は、克司に座るよう促す。

克司朱密:とりあえず座ります
克司朱密:「良一だっけ、今までどこに?」
日置良一:「遠いところだ」
克司朱密:「遠いところ…じゃあここは?お前の家なの??」
日置良一:「明確には僕の家というわけではない。ここは、幻の世界。現の世界とは異なる場所だ」
克司朱密:「じゃあ何でここにいるの?」
日置良一:「僕はもともとこの世界に住んでいる。君とは住む世界が違うのだ。だから本来、干渉してはいけなかった」
克司朱密:「なるほどね」
克司朱密:「やっぱり、ただの人間じゃないんだ」

KP:日置はゆっくりと頷く。

克司朱密:「鬼たちが呼んでた御曹司ってお前だろ?ってことはお前も鬼なの?」
日置良一:「…さすがにわかっているか。そうだ、僕は鬼だ」
日置良一:「先刻は同胞たちが迷惑をかけて、すまなかった」

KP:日置がそう言って面を外すと、額には鬼の角が生えている。

克司朱密:「…へぇ、顔初めて見た」
克司朱密:「なるほどね、正体がわかって幾分かすっきりした」
克司朱密:「それでなんだっけ、盃?」
日置良一:「ああ。最後に君と、酒を飲みたい」
克司朱密:「……最後?」ム
日置良一:「現と幻は交わってはならない。厳然とした区切りだ」
克司朱密:「じゃあこれが終わったらもう会うことはないってこと?」
日置良一:「鬼と人は、出会うべきではない。だからこれは、…別れの盃だ」
克司朱密:「……それは困る」
克司朱密:「かくれんぼ、あんまり覚えてないけど。」
克司朱密:「ここに皆の宝ものてのがあるってことはそっちが勝ったってことでしょ?」
日置良一:「ああ、僕が勝った」

KP:日置は嬉しそうに笑う

克司朱密:「俺、負けるの嫌いだから」
日置良一:「それは知っている、変わってないな」
日置良一:「……あの頃は、楽しかった」
克司朱密:「……今は楽しくないの」
日置良一:「今この瞬間、君と会話をしている時間は楽しいものだ」
克司朱密:「じゃあずっとできるようにすればいいだろ」
克司朱密:「家のこととか、決まりとか。そういうの守って生きるの嫌じゃん。それこそ負けてるみたいだ」
日置良一:「……君のそういう所、僕は好きだ」

KP:日置はそういって少し悲しそうに盃に注がれた酒を見つめる。

克司朱密:「…な、なに。別に嬉しくないから……。」照れてる
克司朱密:「……」ムム
克司朱密:「いいよ、お前にできないなら俺がやってやる。」
克司朱密:「盃って、約束とか交わすときにするものなんだろ」
日置良一:「ああ、そうだ」
克司朱密:「じゃあ俺は、お前をここから引きずり出して元の世界でお前と勝負する」
克司朱密:「鬼であるのがダメなら、鬼なんか捨てさせる」
日置良一:「……」
克司朱密:「何か文句がある?」
日置良一:「随分と強引な約束だと思ってな…朱密らしい」

KP:日置は笑みを浮かべる。

日置良一:「わかった、約束しよう」
克司朱密:「そ」
克司朱密:「じゃあ、約束だ」盃を手に取ります
克司朱密:両手を添えて静かに飲みます

KP:克司は酒が注がれた盃を口元までもって行く。
甘い甘美な香りに、舌先を少し酒につける。それは春の晴れた日のような、甘く爽やかな味がした。
盃を交わすと、日置は克司をまっすぐに見て口を開く。

日置良一:「…かつて、昔話のように鬼がいた」
日置良一:「いや、今も君の前にいるな。鬼は人間とは相いれない。鬼にとって人間は餌だ。現と幻が交差しないようにそれは厳然とした区切りでもある」
日置良一:「そしてここは『鬼が居る間』だ。君が現に戻るためには『鬼が居ぬ間』にしなければならない」
日置良一:「…もうわかっているだろう。僕は鬼だ」
日置良一:「僕を亡くさねば、君はここから出られない」

KP:日置はゆっくりと立ち上がり、間合いを取って刀の鯉口を斬る。

日置良一:「死合おうか」
克司朱密:「…嫌だ」
克司朱密:「元の世界で、って言っただろ」
克司朱密:「ここだと審判もいないし、ズルされたら嫌だから」
日置良一:「…君なら応じると思っていたが、そうか…君という奴は……」

KP:日置は構えていた刀をおろし、肩をすくめる。
KP:その時、雪見障子がガラリと音を立てて開かれる。

【気配】
KP:目を向けると、庭園から大柄の男が現れる。
KP:その男を克司は見たことがあるだろう。
KP:木の下で花を売っていた、黒い着物を着ていた男。波平行安だ。
KP:波平行安は鞘から鬼人大王を抜き放ち、朗々とした声で口上を述べる。

波平行安:「そのような身勝手なこと、なりませぬぞ、なりませぬぞ。そこな御仁は我ら郎党と盃を交わし、同胞になるはずだった。それを一時の感情で逃がそうとは笑止千万。鬼の統領としての自覚がありませんな、御曹司」

KP:日置は波平を見て、睨みをきかせる。

日置良一:「黙れ、波平。…まだ生きていたのか」
波平行安:「御曹司が腑抜けとなれば私が代わりに立つとしましょう。我が名は鬼の刀工、波平行安。お手合わせ願おうか」

KP:そう言い放つと、波平行安の体が変貌する。
KP:その面は体と同一化し、体は筋肉をまとって膨張し、額からはめりめりと新たに角が生えていく。
KP:見紛うことなきおとぎ話の鬼の姿と、本来ありえないはずの肉体の変貌を目撃したあなたはSANチェック

克司朱密:CCB<=77 SAN
Cthulhu : (1D100<=77) → 14 → スペシャル

KP:1の減少です
KP:そして鬼は克司と日置に刃を向ける。
KP:戦闘に入ります。
KP:日置は刀を抜き、克司に目をやる。

日置良一:「朱密、共に戦ってくれないか」
克司朱密:ほんまにいうとんのか?
克司朱密:大好き
克司朱密:これは銀月
克司朱密:「……仕方ないな」構えます

【共闘】
克司→日置→波平
1R

克司朱密:愛刀のほうを使って居合します
克司朱密:ccb<=1 居合
Cthulhu : (1D100<=1) → 29 → 失敗

KP:綺麗に鞘から刀身を抜く。

日置良一:CCB<=65 日本刀
Cthulhu : (1D100<=65) → 38 → 成功
波平行安:CCB<=12 回避
Cthulhu : (1D100<=12) → 34 → 失敗
日置良一:1D10+1D4
Cthulhu : (1D10+1D4) → 9[9]+2[2] → 11

KP:日置の放った一閃は鬼の肩から腰を袈裟切りにし、鬼は悲鳴を上げ赤い鮮血を飛び散らせる。
KP:しかし踏みとどまり、太刀を振るう。

波平行安:CCB<=50 日本刀
Cthulhu : (1D100<=50) → 42 → 成功
日置良一:CCB<=30 回避
Cthulhu : (1D100<=30) → 31 → 失敗
波平行安:1D10+1D6
Cthulhu : (1D10+1D6) → 6[6]+1[1] → 7

KP:波平の刀は避けようとした日置の胴を切り裂き、赤い花を咲かせる。日置は苦痛の声をあげ波平を睨みつける。

2R
克司朱密:斬りかかります
克司朱密:CCB<=70 日本刀
Cthulhu : (1D100<=70) → 40 → 成功
波平行安:CCB<=12 回避
Cthulhu : (1D100<=12) → 76 → 失敗
克司朱密:1d10
Cthulhu : (1D10) → 8

KP:克司の放った力強い一閃は、波平の胴体を斜めに切裂き、肉を両断する。波平は赤い鮮血をまき散らしながらその場に倒れ伏す。
KP:戦闘終了です。

波平行安:「……このようなこと…許されぬぞ……御曹司……貴様も……道連れ……に……」

KP:波平はそう言い残し、塵のように崩れ消えてゆく。
KP:日置は刀を鞘に戻し、克司に頭を下げる。

日置良一:「……朱密、礼を言おう」
日置良一:「そして巻き込んでしまってすまない。本来は僕がけじめをつけるべきだった」
克司朱密:「別に、ただの準備運動だし」刀をしまう

KP:襖の寒椿の絵から、まるで本物のような雪が舞ってくる。
KP:縁側の向こうの日本庭園もいつの間にか白い雪景色になっており、しんしんと静かに雪が降っている。

克司朱密:「まあいいじゃん。これで好きなようにできるんじゃないの?」目で眺めてる
日置良一:「……あぁ」

KP:そして雪に埋もれた日本庭園に、いつのまにか道が現れている。
KP:日置はその道を指さす。

日置良一:「その道を歩いていくといい。現へと戻れるだろう」
克司朱密:「…」ムム
克司朱密:「一緒に行くんだよ」
日置良一:「……」

KP:日置は微笑を浮かべている。その場から動く様子はない。

克司朱密:「良一、かくれんぼは終りだ」
克司朱密:「もう家に帰ろう」
克司朱密:「もう俺達は大人なんだから自分のしたいように。していいんだよ」
克司朱密:じゃあ腕を掴んで引っ張ります
日置良一:「…朱密…」

KP:日置は困り顔であなたを見る。

克司朱密:構わず引っ張ります

KP:両側を椿で囲まれた道を進んでいくと、赤い椿の花がぽとり、ぽとりと落ちていく。
KP:白い雪の上に落ちる赤い椿は、まるで血のようにもみえる。
KP:違和感を感じた。

ぼとり。

後ろで何かが落ちる音がした。
振り返ると、日置の首がゆっくりと落ちる。
椿の花のように。
椿は落ちる。首とともに。

KP:SANCです

克司朱密:CCB<=76 SAN
Cthulhu : (1D100<=76) → 43 → 成功

KP:1D3+1の減少

克司朱密:1d3+1
Cthulhu : (1D3+1) → 2[2]+1 → 3

日置良一:「…波平め……してやられた、な…」
克司朱密:「…良…一……」
日置良一:「このような姿を…見せ、たくな…」

KP:頭を失った日置の胴体も、雪原の上に崩れ落ちる。

克司朱密:「良一」

KP:日置は狼狽する克司の姿をその瞳に映し、ゆっくりと目を閉じる。

克司朱密:その場に膝を折ります
克司朱密:「どこ、いくんだよ…」
克司朱密:「勝ち逃げ、なんて…卑怯だぞ…」
克司朱密:落ちてる顔に触れます

KP:しんしんと降り積もる雪が、赤い血の跡を消していく。日置の顔はどこか安らかだった。

克司朱密:「……」
克司朱密:「………」

KP:2人の上に雪が降り積もる。目を閉じると、まばゆい光に包まれて、克司は意識を手放すだろう。

【花冠】
———はっと気が付くと、克司は自宅に戻ってきている。荷物を受け取り部屋で開けた時間から進んではいない。
手元には桐箱と一つになった盃だけが残っており、そのほか、畳の間で手に入れたものはすべて失われている。
窓の外をふと見ると、3月の忘れ雪が降っていた。

「じゃあ俺は、お前をここから引きずり出して元の世界でお前と勝負する」
「鬼であるのがダメなら、鬼なんか捨てさせる」
「じゃあ、約束だ」

あなた達は約束をした。日置、そして克司の、鬼の憑き物は落とされた。
約束は果たすことができる。どのような形であれ。きっと、いつか。あなた達は再会するだろう。
それがいつになるのか、どんな姿での再会かはわからないけれど…

KP:「現の盃」シナリオエンドです。
KP:お疲れ様でした。

↓銀月さんからいただいた卓絵。


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