氷鏡の城

【CoClog】氷鏡の城

シナリオ制作者:辿条様
PC:和達 銀治(30歳・刑事) PL:銀月
PC:工藤 有佑(34歳・元刑事/現用心棒) PL:ハト
KP:ハト

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   氷鏡の城
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【日常】
KP:まだ寒い、粉雪が舞う季節。
早朝、和達は目を覚ます。今日は休日だ。
KP:ソファーにはまだ工藤が寝ている。

和達銀治:起き上がって顔を洗いに行きます、起こさないように
和達銀治:コーヒーを沸かしながらノアを起こします

KP:ノアは大きく欠伸をした後、しっぽを振って起き上がる。

和達銀治:「おはよう、今日も寒いな」なでなで
ノア:「わふ!」撫でられて嬉しそうにしている
和達銀治:「まだ有佑寝てるみたいだ、コーヒー飲んだら散歩に行くか?」
ノア:「わんわんっ!」
和達銀治:じゃあコーヒーを飲んでから散歩に行く支度をします

KP:支度をしている間、ノアは玄関でお座りして待っている。

和達銀治:出る前に工藤の様子をチラッと見ますよく寝てる?

KP:工藤はソファーの背もたれ側に顔を向けて寝ており表情は見えないが、静かに寝息を立てているのが聞こえる。

和達銀治:寒いので上から毛布をもう一枚かけてあげてから家を出ます
和達銀治:行くぞノア!散歩だ!!!

KP:和達がドアを開けてやると、ノアは全力で尻尾を振って外に飛び出す。
KP:1人と1匹は薄い靄のかかる朝の町に繰り出す。

和達銀治:「…こんなに冷えるのに、もうすぐ春が来るんだな。」
和達銀治:「楽しい時間は過ぎるのが速い…。」
和達銀治:散歩コースに沿って歩いて一時間くらいして帰るかなぁ
ノア:「わんっ!」足元に擦り寄る
和達銀治:「よしよし嬉しいのか?」わしゃわしゃ
ノア:「わふ!」しっぽを振る

KP:家に戻ると、工藤が起きている。どこかに出かけるようで、コートを着込んでいた。

和達銀治:「あ、ただいま、起きてたのか」
工藤有佑:「………」
工藤有佑:無視して玄関に向かう
和達銀治:「…?」

KP:ここ数日前から、工藤の態度が冷たい。いつも以上に細かなことで文句を言ったり、他人行儀だと和達は感じていることだろう。

和達銀治:「出かけるのか??」
工藤有佑:「…どうでもいいだろ」外に出ていく
和達銀治:「…どうでもって…遅くなるか?」見送りつつ声をかけます
工藤有佑:「……面倒だな、なんでお前にそんなことを言わないといけないんだ?」目も合わせずにどこかに歩いて行く
和達銀治:腕を掴みます
工藤有佑:「離せ」
工藤有佑:離さなくとも振り払います

KP:STR対抗どうぞ

工藤有佑:resb(13-12)
Cthulhu : (1d100<=55) → 13 → 成功

KP:工藤は和達の手を強く振り払うと、嫌悪の顔で睨みつける。

和達銀治:「…」
和達銀治:「何か、怒らせることしたか?」
和達銀治:「最近ずっとそんな感じだ…」
工藤有佑:「……別に…」
和達銀治:「じゃあなんで…」
和達銀治:「せっかく休日なのに」ぽそ
工藤有佑:「…わからないのか?そこまで鈍感だとは思ってなかった」目を細めて
工藤有佑:「じゃあな」

KP:言った後、工藤は背を向ける。一瞬立ち止まって右目を押さえたような素振りをするが、すぐにまた歩き出す。

和達銀治:「あ…」
和達銀治:「……ちゃんと帰ってこいよ」
工藤有佑:「…………。うんざりなんだよ」背を向けたまま
和達銀治:「……え、なにが」

KP:和達の言葉に返答はなく、工藤の姿は路地に見えなくなる。

和達銀治:「……」しばらくその場に立ってます
ノア:「クゥン…」心配そうに和達を見上げている
和達銀治:「……」
ノア:指先をぺろぺろ舐める
和達銀治:「…大丈夫だぞ、きっと疲れたんだな。一人の時間作ってやれないし」
ノア:「ウウー」外を見ている
和達銀治:「……それか……」
和達銀治:「いや……。どうするか…、俺たちは今日は家でのんびりするか?」
ノア:「わん!わん!」袖をグイグイ引っ張る
和達銀治:「ど、どうした…?」
ノア:外に行きたそうにしている
和達銀治:「……今散歩したばかりだろ?」
ノア:「わんっ!」
和達銀治:「…仕方ないな」
和達銀治:静かになった家を一階見てから、ノアに引っ張られて外に出ます

KP:ノアに引かれるように、和達は再び外に出る。どうやらノアは工藤が行った方へと向かっているようだ。
KP:しばらく歩くと、近くの公園でノアは立ち止まり、和達のほうをじっと見つめる。

和達銀治:「どこまで行くんだ??」
ノア:「クウン…」公園のほうを向く
和達銀治:「いいけど、今日はボールも何も持ってきてないぞ…」公園に入っていきます

KP:公園に入ろうとした和達は、足を止める。
KP:公園のベンチに腰かけている工藤の姿が遠めに見える。
KP:足元に黒猫が寄ってくるが、工藤は見向きもしない。
KP:猫が膝の上に乗ろうとベンチに上ってくると、工藤は立ち上がり、舌打ちをして猫を睨みつけ、またどこかへ歩いて行く。

和達銀治:「…?」
和達銀治:「???」
和達銀治:「どうなってるんだ??」
和達銀治:こっそり跡をつけます

KP:工藤の後を追うと、特にどこに行くでもなく、人ごみを避けて歩いているように見える。

和達銀治:「…おかしい…俺はともかく猫にまで見向きもしないなんて…。」
和達銀治:「やっぱり疲れてるだけじゃないのかもしれないな…どう思うノア」
ノア:「わふっ?」
ノア:尻尾を振っている
和達銀治:CCB<=39 犬語
Cthulhu : (1D100<=39) → 2 → 決定的成功/スペシャル

KP:ノアも変だと思っているようだ。

和達銀治:「だよな……」
和達銀治:「やっぱり問い詰めた方がいいのか…いや、でも…。うーん」
和達銀治:「…前は気にせず聞けてたんだけどな…」
和達銀治:「いったん家に帰るか…。夜帰ってきたときにでも聞けばいいし…………多分…。」
どどんとふ:シークレットダイス
SCCB<=95 目星
Cthulhu : (1D100<=95) → 10 → スペシャル
工藤有佑:シークレットダイス

KP:工藤は時折立ち止まり、胸を押さえて身体を縮ませる。そして苛ついているように溜息をつき、後ろを向く。
KP:その鋭い目はあとをつけてきた和達に向けられている。

和達銀治:「…!」
工藤有佑:「……」
工藤有佑:「ついてくるな」
工藤有佑:「目障りだ」
和達銀治:「…」ムムム
和達銀治:「いくら何でも口が悪いぞ」
和達銀治:「それに様子も変だ」
工藤有佑:「…口が悪いのはもともとだ。余計な詮索をするな」
工藤有佑:「帰れ」
和達銀治:「…む、嫌だ」
和達銀治:「さっきからどこか具合も悪そうだ、放っておけるわけないだろ」
工藤有佑:「は?……別に何ともない。お前にも関係ない」
和達銀治:「まだ一緒に住んでるんだから関係ある」
工藤有佑:「…はっきり言って」
工藤有佑:「…顔も見たくない」
和達銀治:「…」
工藤有佑:視線を外してその場を離れます。
和達銀治:CCB<=78 目星
Cthulhu : (1D100<=78) → 34 → 成功

KP:顔を背けるその一瞬、工藤の瞳に青い煌めきが輝いたように見える。

和達銀治:「?」
和達銀治:「………顔も見たくないってさ」ノアに
和達銀治:「困ったな…。」
ノア:「クゥン……」尻尾の元気がない
ノア:和達の周りをぐるぐる回る
和達銀治:「……まあ、うん……。そこまでダメージはない…。大丈夫大丈夫」
ノア:「わんっ!」
和達銀治:「気分転換に…少し、散歩してから帰るか…。」
ノア:「わふ…」

KP:2人は公園のほうまで戻り、いつもと違う散歩道を歩いて家に戻ってくる。

和達銀治:「ただいま」
ノア:「わんっ!」

KP:部屋には自分とノアだけだ。
KP:つい数週間前までの、いつも通りの休日だ。

和達銀治:「…」しゅん
和達銀治:いつも道理過ごしつつ、工藤の帰りを待ちます
ノア:身を寄せてくる
和達銀治:顔をうずめます

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KP:【月明かり】
KP:夜になり、月明かりが窓から差し込む。
KP:夕飯の時間をとっくに過ぎても、工藤は帰ってこない。

和達銀治:「……」うぅ
和達銀治:「……帰ってこない。」
ノア:「クゥン…」
ノア:ぺろぺろ
和達銀治:「このまま帰ってこなかったらどうしよう」
和達銀治:「……もう少しでいいんだ…」
和達銀治:「せめて春まで…。」
和達銀治:「…難しいな。」
和達銀治:…一応電話をかけてみます

KP:電話をかけてみるが、つながらない。

和達銀治:今何時ですか?

KP:10時くらい

和達銀治:「…うん、探しに行く」
和達銀治:「このままは流石に嫌だ」
和達銀治:コートを着て家を出ます

KP:外へと出る和達を、ノアは心配そうに見送るだろう。
KP:外は粉雪が舞い、街中に人影はない。

和達銀治:今朝工藤が通った道をたどってみます

KP:聞き耳又は目星をどうぞ

和達銀治:CCB<=78 目星
Cthulhu : (1D100<=78) → 37 → 成功

KP:今朝通った公園を過ぎようとしたとき、和達の背後に黒猫がついてきてることに気づく。

和達銀治:「!」しゃがむ

KP:黒猫は「にゃあ」とひと鳴きして和達の足元に擦り寄ってくる。
KP:その猫は工藤がたまにエサをやっていると言っていた九郎であることがわかる。

和達銀治:「九郎か…よしよし、こんばんは」
九郎:「にゃー」
和達銀治:「………工藤を見てないか?帰ってこないんだ」
九郎:「にゃう」和達から離れて、振り返り、また歩く
和達銀治:「?しってるのか?」
和達銀治:ついていく

KP:和達がついてくるのを確認すると、九郎は足早に歩きだす
KP:狭い路地を抜け、しばらく歩いて行くと、九郎は立ち止まって振り返る。
そこは郊外の廃虚だった。

和達銀治:「ここは…」
和達銀治:「有佑ここにいるのか?」

KP:九郎は小さく鳴き、ただ和達を見上げている。

和達銀治:「……わかった行ってみる、ありがとな。」撫でる
九郎:目を閉じて撫でられている
和達銀治:「お前も美味しいご飯が食べれないのは困るもんな」
和達銀治:中に入っていきます

【廃虚】
KP:廃虚の中は荒れ果てており、足の踏み場も危ない。
KP:割れた窓から差し込む月明かりだけが廃虚の中を照らし出していた。
KP:建物の中に足を踏み入れた途端、耳鳴りが和達を襲う。
KP:きぃん、と甲高い音が頭の中に響いて来るようで、若干足元がふらつく。

和達銀治:「っ…?」
和達銀治:壁に手をついて進む

KP:中へ歩を進めるごとに、その耳鳴りは侵入者を拒絶するように大きくなっていく。

和達銀治:進みます

KP:さらに奥へ進むと、朽ちた窓辺に黒いコートを着た黒髪の人物。探していた工藤が横になって眠っているのを見つける。

和達銀治:「!!」
和達銀治:近くに駆け寄ります

KP:耳鳴りを我慢して和達は工藤の元へ駆け寄る。が、真っ先に和達の目に飛び込むのは身体の一部を霜のように覆う青白い結晶体。
工藤は死人のように青ざめた肌で弱弱しい浅い呼吸を繰り返していた。
KP:SANC(1/1d3)

和達銀治:CCB<=82 SAN
Cthulhu : (1D100<=82) → 86 → 失敗
和達銀治:1d3
Cthulhu : (1D3) → 3

和達銀治:「有佑…?」

KP:声を発した直後、耳鳴りはついに我慢ならぬものとなり、和達は工藤に振れる暇もなく崩れ落ちてしまい、意識を失う。
KP:———意識を失う寸前。「来るな」そんな拒絶の言葉が、どこか遠くで聞こえた気がした。

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【氷鏡の城】
KP:和達はひどく冷たく、固い床の上で目を覚ます。息は白く、どこか遠くからごうごうと風の吹くような音がする。

和達銀治:「ん…」起き上がります
和達銀治:「…なん…だ?」きょろ

KP:辺りを見渡せば一面青白い、氷のような材質で造られた建造物の室内のようだった。まるでホテルや、城のロビーのような雰囲気を感じる。目の前には青い扉が、背後には赤い扉があり、上を見ればはめ込み式の窓がある事が分かる。窓以外に光源は無いように見えるが、空間の中は薄暗いとさえ感じる事は無い。

和達銀治:「どこだここは…また変なとこに…」
和達銀治:とりあえず、青の扉に向かいます

KP:青い扉は霜で所々覆われている。触れるととても冷たく、痛みすら感じる。鍵はかかっていないが重い扉であるため、力を込めて開く必要がある。

和達銀治:CCB<=78 部屋に目星
Cthulhu : (1D100<=78) → 45 → 成功

KP:青い扉を良く見ると、取っ手の位置の霜が手の形の痕を残しているように見える。
KP:アイデアどうぞ

和達銀治:CCB<=60 アイデア
Cthulhu : (1D100<=60) → 28 → 成功

KP:「少し前に誰かが既にこの向こうへ進んだのではないか?」と思うだろう。

和達銀治:(有佑か…?それとも他のだれかか…)
和達銀治:赤も見に行きます

KP:赤い扉の近くに来ると暖かな空気を感じる。扉に触れればじんわりと冷えた指先を溶かすように暖かい。
KP:プレートがかかっており、「一方通行」とだけ記されている。

和達銀治:「……」考える
和達銀治:青い扉に戻って、開けようと試みます

KP:力を込めて青い扉を押すと、指先からまるで凍っていくかのような感覚になる。刺すような痛みを耐えて扉を開けると、先には通路がある。
手に凍傷を負いHP-1。

和達銀治:「…」冷たい…
和達銀治:進んで行きます

KP:一見氷でできた通路だが、良く見れば両側の壁が鏡になっており、自分の姿が映しだされている。
KP:突き当りには先ほどと同じような青い扉がある。…が、その前に目に付くのは、先ほど倒れていた工藤の姿だ。

先程見た状態と同じように、身体の所々を霜のようなもので覆われて、青ざめた肌で頼りなく歩を進め、突き当りの扉の前まで来ている。
和達銀治:「有佑!!」おっきい声で呼ぶ

KP:和達が声を張り上げ名前を呼ぶと、工藤は背後に目向けるが、その片目からはまるで突き刺さっているかのように青白い結晶体が生えていた。また、左胸の辺りにも同じように結晶体が生えているのが分かる。
KP:そのまま、彼は残された感情のこもらない片目をすぐに和達から逸らして扉の向こうへと行ってしまう。

和達銀治:「待て」追いかけたい

KP:追いかけようと足を踏み出したその時、不意に強く肩を掴まれる。

和達銀治:「!?」
和達銀治:振り返る

KP:振り返ると、合わせ鏡から身を乗り出すように腕を伸ばしている自分と目が合った。
SANC(0/1d4)

和達銀治:CCB<=79 SAN
Cthulhu : (1D100<=79) → 64 → 成功
和達銀治:「!」

KP:鏡の中の自分は、不安げな顔で声をかけてくる。

鏡の自分:「…本当に追うのか」
和達銀治:「……なんだお前」
鏡の自分:「有佑は望んでいないんじゃないか…帰れ、って言われたし」
和達銀治:「…」ムム
鏡の自分:「……どうせまた冷たくされるだけだ」
和達銀治:「…うるさいな、離せ」
鏡の自分:「…帰ってこなかった」

KP:この声を聴いた和達は【POW*5】

和達銀治:「ccb<=60 POW*5
和達銀治:ccb<=60 POW*5
Cthulhu : (1D100<=60) → 86 → 失敗

KP:和達はその声を、肩を掴む腕を、振り払うことができなかった。
KP:掴まれている肩の辺りが急激に冷たくなったかと思うと、感覚が鈍くなっていくのを感じる。
KP:肩に目を向けると、青白い結晶体が僅かに生えてきているのに気が付く。SANC(0/1D3)

和達銀治:「っつ!」
和達銀治:CCB<=79 SAN
Cthulhu : (1D100<=79) → 43 → 成功
和達銀治:「くそッ…なんなんだ」

KP:合わせ鏡の自分はゆっくりと手を離し、身体を鏡の中へ戻す。しかし自分を止める声は相変わらず収まらない。

和達銀治:「…」肩を押さえて進みます

KP:廊下の奥へ進むにつれて、身を刺すような寒さが増してくる。
【CON*5】を振ってください。

和達銀治:ccb<=65 CON*5
Cthulhu : (1D100<=65) → 59 → 成功

KP:凍えながらも先へと進み、青い扉の前まで来る。
KP:扉はやはり、霜で所々覆われている。触れるととても冷たく、痛みすら感じる。

和達銀治:「…つめた…。」
和達銀治:服の袖を伸ばして直接ふれないようにしてドアを開けます

KP:力を込めてドアを押し開けると、パリ、と肩の結晶にひびが入る音がする。が、全く痛みはない。

扉はゆっくりと開かれ、その先は広間になっている。
和達銀治:工藤を探します。きょろきょろ

KP:先へ進めば大きな姿見が一つだけ佇む広間に出る。奥にはまた、青い扉が目に入る。先に進んで行った工藤の姿は見あたらない。

和達銀治:「…はぁ、」
和達銀治:姿見をチラッと見てみます

KP:姿見に近寄れば、自分の姿が同じように此方へ近寄ってくる。
KP:そして、目が合うと、鏡の中の自分は突如また喋り出す。
KP:穏やかで、一つ一つゆっくり届くように、しっかりと確認するような声で問いかけてくる。

鏡の自分:「有佑の傍に居たいか?」
和達銀治:「……」
和達銀治:「…うるさい」
鏡の自分:「…答えられないのか?」
和達銀治:「…我ながら、こんな時だけよくしゃべるな」
鏡の自分:「…教えてほしい」
和達銀治:「…………」
和達銀治:「………そうだよ」
鏡の自分:「本当に?」
和達銀治:「……………」
和達銀治:「勘弁してくれないか…。」
和達銀治:「こんなとこまで来たんだ、一緒に居たいに決まってるだろ……」
鏡の自分:「そっか。そうだよな。…傍に居たくなかったら、こんなところまで、助けには来ないか」
鏡の自分:「…好きなんだな」
和達銀治:「…。」

KP:あなたをじっと見据えていたその目はゆっくりと伏せられ、また歪んでぶれたかと思うと姿を変える。
KP:姿見の歪みが元に戻った先にいたのは、水晶体も生えていない、工藤の姿だった。
KP:それはまた、嫌悪と侮蔑のまなざしをあなたに向けて口を開く。

工藤有佑:「…お前なんて、…嫌いだ」
和達銀治:「……ゆ、……」
工藤有佑:「自分勝手に人を助けようとして、勝手に人の中に踏み込んでくる…だれが救ってほしいなんて頼んだ」
和達銀治:「っつ、」
工藤有佑:「…こんなところまで来て、俺が喜ぶとでも思ったか?」
和達銀治:「……違う」首を振る
工藤有佑:「……何が違う」
和達銀治:「喜んでほしいとか、好きになってほしいから助けに来たんじゃない」
和達銀治:「俺が有佑にどう思われようが…いいよ、ただ、生きていてほしいから助けに来た」
工藤有佑:「迷惑だ。人の気持ちも知ろうとしないで…厚かましいんだよ…。俺に、もう近づくな」

KP:一つ一つ貴方にはっきり届くように、鏡の中の工藤は拒絶の言葉を吐く。

和達銀治:「……」何も言えない…

KP:和達は【POW*5】ロール

和達銀治:ccb<=60 POW*5
Cthulhu : (1D100<=60) → 46 → 成功

KP:呪詛を掃出し続ける鏡はぴしり、と音を立ててひび割れたかと思うと、和達が息をつく間もなく「ぱりん」と割れてしまい、辺りには静寂が訪れる。

和達銀治:「……」
和達銀治:「そんなこと、言われなくてもわかってるよ…」
和達銀治:CCB<=78 目星
Cthulhu : (1D100<=78) → 32 → 成功

KP:工藤の姿ごと砕かれた鏡の破片の中に混じり、青白い鍵を見つける。

和達銀治:鍵を拾います

KP:鍵を拾おうとすると、鋭い氷に指先が触れ、痛みと共に赤い血が流れる。HP-1
KP:この部屋の青い扉は今までの扉と似ているが、大きな鍵穴があるのがわかる。

和達銀治:拾って扉のほうに向かいます
和達銀治:拾った鍵を刺します

KP:鍵は鍵穴にぴったりとはまる。

和達銀治:開けます
和達銀治:氷は触らないように服を使います

KP:扉に直接触れないようにしながら押し開ける。先の部屋からはこの部屋以上の冷気が漂ってくる。

和達銀治:「…どこまで行ったんだ…」
和達銀治:すすんでいく

KP:扉を進めば凍える寒さの中、二人の人間が抱き合う姿が目に飛び込む。部屋は氷で作られた調度品に囲まれる形になっており、奥にはまた青い扉が見える。
和達銀治:人が気になるので近くに行ってみます
KP:二人の人間をよく見ればそれは片方は氷像だった。だが、もう片方は見覚えのある姿——探していた、工藤の姿だった。結晶は生えていないが、青白い肌をしている。
KP:氷像と抱き合う彼の表情は愛おしげなものであり、抱えるように守るように抱きしめている。
KP:【POW*5】ロールどうぞ。

和達銀治:ccb<=60 POW*5
Cthulhu : (1D100<=60) → 23 → 成功

和達銀治:像に目星します
和達銀治:CCB<=78 目星
Cthulhu : (1D100<=78) → 67 → 成功

KP:氷像の中に鍵が凍りついているのを見つける。氷像を砕けば取り出せそうだと感じるだろう。

和達銀治:「…?」
和達銀治:調度品も見に行きます
和達銀治:CCB<=78 目星
Cthulhu : (1D100<=78) → 72 → 成功

KP:調度品は全て氷のような透明な結晶で作られている。椅子やベッド、箪笥や机に壺、動物の像まで様々なものが置いてある。
KP:見渡せば、小さな台の上にリボルバー式の拳銃が置いてある。不可思議な青白い素材で作られているようだが、撃てそうだ。装填数は1つだけ。
KP:その横には文字が刻まれており、「あなたにとって"邪魔なもの"を、一つだけ打ち砕いてあげよう」とある。

和達銀治:「邪魔なもの…」
和達銀治:扉を見に行きたいです

KP:扉は前の部屋にあったものと同じ、冷気を持った青い扉だ。
KP:鍵穴がついているのがわかるだろう。

和達銀治:とりあえずリボルバーを取りに戻ります
和達銀治:像に向かって構えて見ます
和達銀治:いろんな角度で見てみてこれ工藤に当たりませんか?????

KP:この二人はかなり密着しているため、撃てば工藤にも影響がでるかもしれない。それでもよろしいですか?

和達銀治:壁って氷みたいな素材でできてますか?

KP:壁は氷のような材質で造られているように見えるが、外からの光が入ってこない為かなり厚いのではと思うだろう。

和達銀治:んん、扉を…
和達銀治:撃ちます

KP:和達はトリガーに指をかけ、凍りそうな指先に力をこめ、引いた。
KP:びしりびしりと扉に亀裂がみるみる広がり、ぱりんと軽い音とともに青い扉は砕け散った。奥には上へ続く螺旋階段が覗いている。
KP:背後から「それが正解」と聞き慣れぬ声が重なって聞こえる。振り向けば、抱き合う氷像が此方を見て微笑んでいた。
KP:その微笑みは、貴方の知る工藤とは違うように見えるだろう。
KP:「あなたはこの先に進みたいのだから、邪魔なものはその扉」
KP:「嫉妬と目先の悪意にとらわれないその心は、きっと暖かいのでしょう」
KP:「いい事を教えてあげる。この先に進んで行った人には悪魔の鏡が突き刺さっている。それを溶かして、洗い流すのは、人に流れる命の赤」
KP:「この世界ではもうあなたしか持たぬ色」

和達銀治:「命の赤…?」
和達銀治:「………血ってことか?」

KP:【アイデア】どうぞ

和達銀治:CCB<=60 アイデア
Cthulhu : (1D100<=60) → 83 → 失敗

KP:特に思いつくことはないが、焦燥感に襲われる。

和達銀治:「…わかった、ありがとう」
和達銀治:階段を足早に登っていく

KP:螺旋階段を登るにつれて、身を裂くような寒さに襲われる。
KP:CON*5どうぞ

和達銀治:ccb<=65 CON*5
Cthulhu : (1D100<=65) → 87 → 失敗

KP:寒さで体が思うように動かない。凍りつくような痛みが全身に走る。HP-1

和達銀治:「っ…っつ…。」寒い~!

KP:それでも上へ上へと歩みを進めると、煌めく青い光が見えてくる。

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【祭壇】
KP:螺旋階段を登り終えると広い空間に出る。椅子が並び、巨大な窓からは光が差し込み、奥には祭壇のようなものがあって巨大な水晶体がきらきらと輝いている。
KP:まるで教会のような印象を受けるその場所の水晶体の前では工藤がぼうと立っており、和達がやってきたことに気が付いたのかそちらへ目を向けた。
KP:片目と胸を突き刺すような結晶体は相変わらずだが、廊下で見た時より霜のようにおおわれている部分が増えている気がする。

工藤有佑:「…こんな場所までよくきたな」
和達銀治:「有佑…」
工藤有佑:「気安く名前を呼ぶな…出て行け」
和達銀治:「…………」
和達銀治:「…断る」
和達銀治:「随分派手になったな?寒いのは苦手じゃなかったのか?」
工藤有佑:「…無駄話をする気はない」
和達銀治:「…そんなに俺のことが嫌いか…」
工藤有佑:「………」睨んでいる
工藤有佑:「ここに入ってくる奴は…皆侵入者だ、邪魔者…」
工藤有佑:「引き返せば命は取らない」
和達銀治:「さっき断ったはずだが?」
工藤有佑:「……なら、仕方ない」

KP:工藤はため息をつき、嫌悪の視線を向けたかと思うと、片手から刃のような結晶体を生やした。

工藤有佑:「殺すだけだ」

KP:ここから戦闘に入ります。

1R
工藤有佑:CCB<=25 ナイフ
Cthulhu : (1D100<=25) → 93 → 失敗

KP:工藤は片手に生えた結晶体を和達に向けて振り上げるが、空を切る。

和達銀治:だ、抱きしめたりできますか…。

KP:DEX*5または幸運どうぞ

和達銀治:CCB<=60 幸運
Cthulhu : (1D100<=60) → 36 → 成功

KP:では腕を振り下げた隙に、和達は工藤を正面から抱きしめる。
KP:和達の腹部に、工藤の胸から突き出た結晶体が刺さる。
KP:ダメージ1D4

和達銀治:1d4
Cthulhu : (1D4) → 3

KP:鋭い痛みと共にあなたの血が飛び散り、工藤の体にかかる。それは左胸、右目の結晶体にも。
KP:暖かな赤は、工藤の身体を蝕む冷たく輝く結晶を、ゆっくり、ゆっくりと確かに溶かしているのがわかる。

工藤有佑:「…なにを…して……」

KP:工藤は狼狽えて、身を引こうともがく。ピシピシと工藤の腕に亀裂が入り、青い結晶の欠片が宙に舞う。

和達銀治:「ゴホッ…っ」
工藤有佑:「馬鹿なのか…?こんなことをして、何になる…」
工藤有佑:「…死にたいのか?」
和達銀治:「何に、なるかな…わからん…でも…っ」
和達銀治:「生きて…ほしい、って思う…。」
和達銀治:「このやり方じゃ、…お前、を傷つける…のもわかるし。…自分勝手で、…自己満足でも」
工藤有佑:「!?」
工藤有佑:何でそこで笑うんだ…って顔

KP:和達はアイデアどうぞ

和達銀治:CCB<=60 アイデア
Cthulhu : (1D100<=60) → 63 → 失敗

KP:痛みで思考に靄がかかっている。赤い血は未だ出続けており、青い結晶体は腹部に刺さっている。少しずつ溶けだしてはいるが、核まで溶かすには足りないように思える。

2R
KP:工藤は和達の行動に狼狽しながらも、刃物へと変わった片腕を振り上げる。
KP:0距離なので50%とします

工藤有佑:CCB<=50 ナイフ
Cthulhu : (1D100<=50) → 86 → 失敗
工藤有佑:「ッ…離せ…」
和達銀治:じゃあ、血がかかりやすいようにそのまま押し倒したいです

KP:ではSTR*5か幸運どうぞ

和達銀治:ccb<=60 STR*5
Cthulhu : (1D100<=60) → 15 → 成功

KP:和達は工藤の身体を抱きしめたまま床へ体重をかけ、押し倒す。工藤の身体から生えた結晶体が更に深く和達に突き刺さり、そこから溢れる大量の血がお互いを赤く染める。
KP:1D6ダメージ

和達銀治:1d6
Cthulhu : (1D6) → 3
和達銀治:「っつ、ぁ...!」

KP:その行動に、工藤が驚き、耳元で息をのむ声が聞こえる。

工藤有佑:「……意味が、分からない……」
工藤有佑:「どうして…そこまで……できる…」
和達銀治:「……だ、い…事…だ、から…」

KP:腹部から絶えず流れる血が、刃を、工藤を蝕む結晶を溶かしていく。

工藤を抱きしめる手に、少しずつ、力が入らなくなっていく。和達は痛みと失血で意識が少しづつぼやけてくる。
工藤有佑:「……やめろ……」
工藤有佑:「………いや、だ…」首を横に振る
工藤有佑:「間違ってる……」
和達銀治:「……ごめ、ん……俺は…いっつも…有佑を……悲しませ、るな…」

3R
工藤有佑:「…悲しい…?かなしく、なんか……」

KP:工藤は血で染まりながらも体勢を立て直そうとするが、和達の腹部や胸に深々と刺さった結晶体を引き抜くことはできない。
KP:結晶は2人を繋ぐ核を残し殆ど溶けているように思える。
KP:和達の胸と腹からはどくどくと赤い血が流れ続けている。致死量だと薄々感じるだろう。

意識を繋ぎとめるだけで精一杯の状態の中、とうとう手に、体に、力が入らなくなり、工藤に覆いかぶさるように倒れこむ。
和達銀治:「………」言いたいことがいっぱいあるのに言葉にできない…
和達銀治:「……だめ、だな…やっぱ、こういう…。時言葉が出ない。...」
和達銀治:「………結局…誰、…一人…助けれなかった…けど、……。」
和達銀治:「……何、回目…の人生でも、お前に会えて。よかったと思う…………」
和達銀治:目をゆっくり閉じます
工藤有佑:「………」

KP:和達は目を閉じ、その瞬間、結晶が溶けきったのか、支えをなくす。

【静寂】
KP:床に倒れると思ったその時、あなたの背中に手が回され、優しく抱きしめられる。
KP:何かがポタリ、と一粒、床に流れ落ちる音が耳元で聞こえた。
KP:ぼやけた視界の中、最後の力を振り絞りその先を見ると、そこには結晶が消え、その目から涙を流す工藤の姿があった。

工藤有佑:「……また、大事に…できなかった……」
工藤有佑:「い、つも……どう…して……」
工藤有佑:「……好き、…なのに……」

KP:その言葉を聞いたか聞かなかったか、和達はついに瞼を開けていられなくなり視界が暗転する。
KP:—————どこか遠くで、必死に自分を呼ぶ声が聞こえた気がする。

——————————

【雪化粧】
KP:やがてゆっくりと貴方は意識を取り戻す。
KP:目を覚ませば、月明かりが照らす廃虚で和達は工藤を抱きしめており、彼も同じように目覚めたのか二人の視線が合わさった。

和達銀治:「…あ」
工藤有佑:「!?」
工藤有佑:「………銀治」腹部を触る

KP:和達に怪我はない

工藤有佑:「…すまなかった」
工藤有佑:離れて、頭を下げる
和達銀治:抱きしめます
工藤有佑:「…!?」
和達銀治:「ちゃんと温かい」
工藤有佑:「……すまなかった……」抱き返す
和達銀治:「違う、俺が悪かった」
工藤有佑:「…やっぱり、俺は…」
和達銀治:「…有佑」首を振る
工藤有佑:「大事に、できない……できないんだ…」
和達銀治:「違う」7
和達銀治:「俺は、お前に大事にしてもらったからここにいる、お前が大事にしてくれたから生きてる」
工藤有佑:「……」涙を流してる
工藤有佑:「…生きてて…本当によかった……」
工藤有佑:「…俺は、大事にはできてない…。酷いことをした」首を振る
工藤有佑:「…謝らせてほしい」
和達銀治:「……いいよお前がそうしたいなら」
和達銀治:「今なら許してやれる」
工藤有佑:「許さなくていい」
和達銀治:「……なんで…。そうなるんだ…」
工藤有佑:「……」
工藤有佑:「ごめん………」
工藤有佑:そんな顔にさせたくないのにさせてしまう
和達銀治:「俺はまだ許してやれる、いっぱい間違っていい…。」
和達銀治:「…一生許してもらえないなんて、謝りたい相手が謝りたいときにいないなんてそんなの悲しすぎる」
工藤有佑:「………」俯く
工藤有佑:「…銀治は、優しすぎるな」
工藤有佑:「……」
和達銀治:「またそうやって距離を置く…」
工藤有佑:「………近すぎると苦しくなる。このくらいがいいだろ、お前にとっても」
和達銀治:「嘘だ…」
和達銀治:「本当は近づきたいと思ってるくせに」
工藤有佑:「……そんなのは、夢の話だ」
工藤有佑:「………そんな顔するな」
工藤有佑:「……」髪を撫でる
和達銀治:「……でも、…それでも俺はもっと…」
和達銀治:「…………近づきたい」強く抱きしめます
工藤有佑:「…!!」
工藤有佑:「………っ」目を細めて少し我慢する…
工藤有佑:抱き返します
工藤有佑:頭を優しくなででぎゅっと抱き寄せる
工藤有佑:「………うん」
工藤有佑:しばらくそのままでいます

KP:確かな体温をお互いの触れ合う場所から感じる。

和達銀治:「………寒い」顔をうずめます
工藤有佑:「……そうだな」自分のマフラーをとって和達の首に巻く
工藤有佑:「帰ろう…」巻いたら立ち上がる
和達銀治:「……ん」
和達銀治:「九郎とノアが待ってる、有佑のこと」
工藤有佑:「…九郎は野良猫だから…別に俺のことは待ってないと思うが」
和達銀治:「ここまで連れてきてくれた」
工藤有佑:「……。そうなのか…」
工藤有佑:「……」また会ったら美味しいささみをやろう
和達銀治:立ちあがって今日は自分から手を取ろう
工藤有佑:「……っそういうのは…」
工藤有佑:でも振りほどきはしないです
和達銀治:「手が冷えてるんだ、悪いが付き合ってくれ」
工藤有佑:「……お前のほうが温かいけどな」
工藤有佑:ぎゅっと握る
和達銀治:「…。」そのまま家に向かって歩き出します
工藤有佑:「……。銀治」
和達銀治:「?」
工藤有佑:「…………ありがとう、救ってくれて」
工藤有佑:歩き出す

KP:2人は粉雪の降る中、夜道を手を繋いで歩いて行く。繋いだ手からは確かに相手の温もりが伝わってくる。
あの悪意も、冷たさも溶けて、元の大切な人と日常を取り戻せたのだと理解するだろう。
おめでとうございます、「氷鏡の城」シナリオクリアです。
【END】

銀月さんに卓絵をいただいたのでここに掲載、ありがとうございます!!


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