ななえさん、こんばんは。
こちらスウェーデンは、ななえさんが起きる頃に寝る時間になるよ。あと1週間くらいで帰国します。スウェーデンはミートボールが有名で美味しいよ。IKEAで500円くらいで食べれるやつね。でも物価が高いからほとんど自炊だよ。今日は手巻き寿司をみんなで食べたよ。


面白い企みに誘ってくれてありがとう。人から見守られて記録される場所で、誰かと文通をすることはとっても意味がある気がするよ。小学校や中学校のときの交換ノートとはまた違った秘密の共有の仕方だなぁ。普段言ったりしないけど、誰かに見せたい秘密ってある、とわたしは思ってる。これってどういう気持ちなんだろう？やってるうちに見えてくるかな、考えていきたい。交換ノートって、大体いつのまにか一緒に回してたメンバーの誰かの家にあるままになってた。その人の家にあるからその人しか読み返せなくなるわけだけど、ここは、インターネットがあればどこでもいつでもだれでもが見返せるね。インターネットにある、誰かの秘密を見るのが好き。どこかの誰かが、ある朝ホッケを焼いて食べて、ただ美味しかったっていうような、もしかしたらその日誰にも言ってないそんな秘密が、その人を知らないわたしが見つけられるなんて、面白すぎる。ハッピーな秘密だってネガティブな秘密だって、その人と会ったことなくても会ったことあっても、そんなことが今ここで会ってないのにリアルタイムに知ることができるなんて、面白い。誰かにとっての、そんな秘密の共有の場所にここがなったらいい、と思ったりしました。交換を重ねていって考え方がまた変わっていったら、それも残る。公開文通、今すごくやる価値があると思った。誘ってくれてありがとう。


好きな街、いつか聞いたね。誰かの好きな街に連れて行ってもらうのも、誰かを自分の好きな街に連れて行くのも好き。でも、誰かを自分の好きな街に連れて行って、自分が好きなその街の部分で、相手をときめかせられるかの自信がいつもないから、よっぽど相手のことを信用できてないと、その街の自分が本当にときめいてる部分を相手に紹介できない。人に心を開くのが苦手すぎる。
ななえさんがでかいファミレスのヒントをくれるまで、ななえさんが教えてくれた好きな街のこと思い出せなかった。勝どきのデニーズのことだっけ？聞いた大事な話も、話した大事な話も、すぐ忘れちゃう。そんな自分のことが最近こわい。ななえさんは、私が話したことも、ななえさんが話してくれたことも、すごく良く覚えてるし、一緒に体験したことも、ななえさんの方がすごく良く覚えてるときが多いと最近思ったよ。これは前伝えた気がする。『アボカドの固さ』の試写の打ち上げのときかな。そういう部分で苦しむ時もあるんだろうか。私は、あまりにも大事なことも忘れすぎていて、人を傷つけてしまうことが多々あります。


いろんな場所に仕事で行くけど、自分がもってる街ボキャブラリー、実はよーく思い出さないとよかったことが思い出せない。
好きな街は、武蔵関、経堂、松濤、東松原、吉祥寺。立川、国立、昭島、奥多摩、東伏見あたりも好きかな。昔住んでたところだったり、よく行く場所だったり、写真を撮りに行く場所だったりする街たちだよ。具体的にこれがあるからいい、っていう基準は特になくて、愛着って方に近いのかも。街並みとか、建物と建物の間に日当たりのいい静かな隙間があるとかが気にいるポイントかな。でも古本屋と、リサイクルショップがある街は好きだな。最近だと、経堂に古本屋がある商店街があって、そこを抜けて行くと「リサイクル・ヤング」っていう、ただの倉庫にドカドカ家具やら家電やら食器やらが詰め込まれてるリサイクルショップがあって、いい街だなと思った。帰るときに、鳥を外の籠でいっぱい飼ってる理髪店（美容室じゃなくて、理髪店）も見つけて、あ、やっぱりいい街だ。と思った。その日はリサイクル・ヤングで800円の棚を買って、自力で運んで持って帰った。


一人暮らしを始めてから、花を買うようになって、季節の花をだんだん覚えてきたよ。(まだ、引っ越してきてから一つの季節しか超えてないけど。)
ななえさんは、確かお花の種類に詳しかったよね。好きなお花ってある？私はカンパニュラっていう大きい鈴みたいな花が最近お気に入りだよ。ななえさんはどんなことで季節を感じてるの？どんなところを季節の節目だと思う？私はそもそも、結構季節に敏感なのかも。季節のイベントごとが割と好きだから。そういえば、七夕は何かお願い事した？私は、短冊も笹もなかったからしなかった！でも、毎年、駅にある短冊でも、商店街にある短冊でも、見つけたら書くようにしてるんだ。それに、七夕は知らない人のお願い事を見れるのも好きだなぁ。


東京を離れていて、離れれば離れるほど、東京から出たいなって思っちゃった。それは今、自分が堪え難いと思っているものが全部東京にあるから、そこから離れている楽さからだと思うんだけど。離れたいと思うくせに、遠く離れた街に一人でいる想像をしたら、そこから友達なんて作れるのかな、とか思ったりしたけど、そんなことで決意しきれないことをわかりたくない自分もいた。東京はなんでもありすぎるから、地方から出てきた人の方が、吸収力があるというか、行きたい土地に自分の足できている人たちには敵わないな、自分が郊外出身だったらよかったのに、とすら思うときある。これは、逆東京コンプレックスなのか？東京から離れたところに住みたいなぁ。でもいま住みたい街の第一希望は京都か大阪！（郊外じゃないじゃん！)とにかく東京から離れたいらしいが、なんでもあることに慣れすぎていて、何もない地方の田舎にいると、人も建物も、なんでも密集していないことが不安になる。そんな強迫観念めいた欲しがりも焦りもいつか失くしたい。何もないことは全くこわいことじゃないのにな～。


ななえさんの愛着が湧いた街、気になるなあ。今度連れて行ってね。
実は、フローズンヨーグルトに入ってたキンキンに冷えて固くなったグミをかんだら銀歯が取れちゃったから、帰ったらまずは歯医者に行きたいんだ、私。




さよ