森保一監督のサッカーがつまらない理由とは

トルクメニスタン戦、オマーン戦を経て思ったこと。

森保監督のサッカーってつまらないんじゃないか?

そして、森保監督は面白いかつまらないかで言うと、間違いなくつまらない部類に入る監督なのだろう。

この記事は、私が裏実況・解説をしているニコ生公式のチャンネルで話した内容に基づいて書いている。お相手はPerfumeの非公式熱愛家であり竹内由恵アナウンサーが画面に映ると解説をやめることで有名な戦術分析家の五百蔵容さん(@500zoo)。

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さて……。

前回のオマーン戦の前に「森保監督が優秀という前提は正しいのだろうか」という記事を書いた。

まるで、アンチ森保監督なんじゃないかという所業だが、実際ところ本当にアンチになる可能性もまだ残されている。

さて、前回書いたのは「森保監督のサッカーが強いか弱いか」についてだった。今回書くのは「森保監督のサッカーが面白いかつまらないか」である。

この二つには強い相関性はなく4つのパターンが存在することになる。もちろん、面白いの定義は人によって異なるので、後ろに続く具体例は人によって変わってくる。

強くて面白いサッカー:ブラジル代表、ベルギー代表、ペップ・グアルディオラ、ユルゲン・クロップ、ミシャ・ペトロビッチなどなど一番人気があるところ。

強くてつまらないサッカー:ドイツ代表、モウリーニョ、ハリルホジッチ。

弱くて面白いサッカー:ジェf(以下、血で途切れて読めない)。弱いところの例は、ポジションを獲得しているジェフ以外は難しいのだけど、ゼーマンが指揮しているときのローマは、それほど強くないけど面白かった。

弱くてつまらないサッカー:シーズン終盤で失速してきた時のFC東京(文字が血で書かれている)。

強さや弱さは、ある程度面白さに影響を与える。強ければ面白く、弱ければつまらない方向に意見が傾いていく。

だから、「弱くて面白いサッカー」と「強くてつまらないサッカー」は少し希少度が高まるように思う。こういった評価方法で言うと森保監督のサッカーというのはどういったものになるのだろうか。

初戦 vsトルクメニスタン

この試合は、圧倒的な力の差があるという下馬評にもかかわらず大苦戦を強いられた。といっても、トルクメニスタンは極めて知的であり、論理的に試合を構築していた。

五百蔵さんの分析を聴きながら試合を見るのは非常に面白くて、1試合見るたびにサッカーを解釈していく軸が生まれていく。五百蔵さんは、ゲームクリエイターとしてキャリアを始めていることもあって、分析視点には常にゲームにおいて、相手を攻略する方法という意識がある。

それで言うと、ゲームの攻略法をしっかりと考えてきたのはトルクメニスタンのほうだった。

日本は圧倒的なスポーツ大国である。人口は1億人を超えていて、お金もふんだんにある。ワールドカップに何度も出場し、先のロシアW杯ではベスト16まで進出した。アジアでは強国中の強国だ。

一方のトルクメニスタンは、ワールドカップどころか、アジアカップにも二度目の出場なのである。そうそう負ける相手ではない。

そのトルクメニスタンが、日本の攻略法を考えてきていた。それが5バックで守り、日本の縦パスをことごとく潰すことで、これが機能したため、日本の攻撃は前半の間ずっと麻痺していた。

そして前半26分。アマノフのミドルシュートで先制された。誰もディフェンスにいかなかったため、ミドルシュートの名手が気持ちよくシュートを撃つことが出来た。

後半は、ディフェンスを左右に動かすロングボールを展開し、2対1で守られていたところを、1対1にすることが出来たため、技術力が高い日本が競り勝つことが出来た。

しかし、これを同じくらいの強さのチームにやられたら負けていたんじゃないか?森保監督って本当に優秀なのか?そう思って書いたのが前回の記事「森保監督が優秀という前提は正しいのだろうか」である。


2戦目 vsオマーン

そして、次がオマーン戦。いつも渋い勝負をさせられる嫌な相手である。

このオマーン戦は、五百蔵さんによるとサイドでの攻防が肝になるとのこと。日本の右サイドは、酒井宏樹&堂安律なので、運動量もあり攻撃力もある。そこにぶつかるオマーンの左サイドが非常に強力で、ここに自由にさせないことが重要になるとのプレビューであった。

この場合、日本が取れるやり方は2つある。もっともあるはずだが、とりあえず2つあれば十分なので2つに分けるに止める。

1.右サイドを攻め上げて押し込んでしまうことで、攻撃力のある選手に守備を強いること

2.右サイドは諦めて左サイドや中央から攻めること

どっちで行くのかなと思いきや、基本的には右サイドで勝負することを選んだようだ。日本の右サイドである堂安、酒井宏樹のところに、南野、北川が寄っていく。そこに敵も集まってくるので、小学生の団子サッカーのような状態になった。

どこを見ても人人人でスペースがないのだ。敵陣でファールでももらえば一気にチャンスになる可能性もあったのだが、オマーンのディフェンスは辛抱強かった。

日本は右から攻めるが攻めきれず、オマーンも右から攻めたいのに攻められないという停滞が続いた。

膠着状態に陥った時には何かしら手を打つ必要がある。左から攻める、中央から攻める、ミドルシュートを増やす、あるいは攻撃陣を交代するなどなど。

しかし、森保監督の取った手段は、現状維持であった。28分に原口元気がPKを獲得した。これを見事に決めて1−0。

その得点の、前も、後も、森保監督の選択は現状維持であった。右サイドを少し押し込んで膠着状態にする。こっちも攻めきれないが、あちらも攻められない。そういう状況が長引けば長引くほど日本は有利になるという判断だろうか。不気味なほど何も変わらなかった。

結果、何も起こらないまま、気づくと時間だけが過ぎていった。なんというつまらない試合だろうか。芸術的でも、ビューティフルでもない。

ニコ生観戦をしている諸氏は、FWの北川選手がなかなかボールに絡めないことをいじり倒して退屈をしのいでいた。

「北川がいないー」

「北川どこー」

「北川さん交代した?」

「心の綺麗な人にしか北川は見えない」

「北川が見えてきた!」

「あ、観客席にも北川が!」

「北川なら俺の隣で寝てるよ」

これを北川批判が巻き起こっていると捉えられてしまうと、ちょっと解釈が違っていて、あくまでも何も起こらない時間をどう解釈するか、視聴者と一体となって考えた結果なのである。

攻撃が停滞するのは、北川までボールがつながらないからであり、もしかしたら大迫なら繋がっていたかもしれないという前提のもと、北川の動きに何が足りないのかを考えていた。

ただ、森保監督にとっては、北川に繋がることは大切ではなかったのかもしれない。試合が膠着して動かないことは、リードしている日本にとって有利で、1プレーが終わるたびに、日本に勝利が近づいてくる。

だから、北川が消えていたとしても修正する必要はなかったということなのかもしれない。

後半になって、武藤嘉紀と伊藤純也が投入されるという変化はあった。しかし、戦術上のドラスティックな変化はなく、見た目上は何も起こらない、停滞して膠着した状態が続いた。

もちろん、特異的な出来事がなくても、試合の中には面白い要素がいくつもあるので喋る内容に困ることはないのだが、ここまでどんよりと停滞した試合を見るのも珍しいと感じた。

森保監督は退屈先生?

しかし、サンフレッチェ広島の試合を見ていた人ならみんなわかるのだそうだが、これが森保監督流の戦い方らしい。

相手の長所を消せるような強い戦略を持って対峙し、何も起こらないつまらない試合展開が続き、どういうわけかいつも同じようにやられる。

ミキッチにサイドを破壊され、佐藤寿人や浅野拓磨に決められて負けるのだ。そんなことはわかっているから、どのチームも対策をしているはずなのに。

そういえばFC東京も野津田から浅野への目が覚めるような縦の連携から決められて0−1で負けたことがあった(スコアは記憶なので違っているかもしれない)。

拙著『サポーターをめぐる冒険』には、天皇杯準決勝として国立競技場で、サンフレッチェ広島vsFC東京の観戦レポートを書いた。

あの試合は、本当に何も起こらない試合だった。結局何も起こらないまま延長戦に突入し、そこでも何も起こらずにPK戦になった。

結果、西川周作の好セーブが炸裂し、FC東京は敗れた。長く、退屈な試合だった。試合中に何度もあくびをしたのを覚えている。

あの試合が面白かったと言っている人には出会ったことがない。本当に、心の底から面白くない試合だった。特に直前のベガルタ仙台戦が、永久に語り継がれるような伝説の試合だったこともあり、この試合の退屈さが際だった。

今、FC東京のホームページでマッチレビューを見てみたらこんな記述がされていた。

「互いに良さを消し合い、緊迫した攻防が続く」

キャプテンの森重はこう語っている。
「互いに相手のよさを消し合うサッカーをして、ワンチャンスがモノをいう展開だった。(後略)」

あの時のFC東京は乗りに乗っていた。とても強かった。シュートこそ入らないものの、鉄壁のパス回しが永遠に続くチームだった。天皇杯では49番ルーカスの大怪我によって一致団結したこともあり、あるいは情熱のGK塩田仁史のカリスマ性もあって、生半可なやり方では止められない勢いもあった。

そのFC東京の良さを完全に消したのが森保監督だった。

一体どうやって?

見直してみないとわからない。見直してもわからないかもしれない。森保監督は何をしたのだろうか。

その答えは森保監督のインタビューには一切含まれない。森保監督は、自分の思考を一切他人に漏らさないように鉄壁のガードをしていると五百蔵さんに教えてもらったのだが、確かにその通りだった。

この人は毎回同じことしか言わない。ほとんどコピーアンドペーストだ。新聞記者が困らないようにある程度の分量は言うが、精神論とファン・サポーター、スポンサーへの感謝しか言わない。あ、あと選手へ大まかな賞賛。

この試合ではこんな感じだった。

【広島・森保監督の会見要旨】
「元日決勝の国立で戦う目標を掲げていた中、進出することができ、結果的に良かった。 ←結果に対するただの感想

今日も非常に難しくタフな戦いだったが、選手たちの勝つという気持ちが結果に結びついたと思う。 ←精神論

試合はどちらが勝ってもおかしくない、戦術的にもフィジカル的にもタフな戦いになったが、制することができた。 ←よく見ると精神論

国立競技場は東京のホームのような状況であったが、その中でも選手たちは落ち着いて試合を進めた。←選手への賞賛

最後までやりきれたのは広島のサポーターがたくさん駆け付けてくれ、チームを後押ししてくれたことが要因だと感じる。彼らと喜びを分かち合うことができることが何よりも嬉しい」 ←サポーターへの感謝

FC東京を無力化するために何をしたのか、まったく明らかにならない。ヒントすらないのだ。オマーン戦の会見も色々喋っているが、どういう思考で戦ったのかは全く明らかになっていない。

ただまぁ、なんというか……。

勝てたには勝てたが、その勝ち方でいいのかモヤモヤする!!

面白くはない!!

こういう感想になってしまった。

もしかしたら、この先あたる強豪国との対戦を前にして手の内をさらさないように戦っているのかもしれない。敢えて弱点を残しながら、そこを突かれても修正せずに、ギリギリ負けないであろう線を保つというやり方なのかもしれない。

あるいは、グループリーグの間は、どうせ勝てるからという開き直りのもと、チーム力の醸成のため、無策で放り出しているのかもしれない。

わからない。全然わからない。何考えているんだろう、この監督は。

まず、優秀か優秀ではないのかという判断で言うと、2試合をきっちり勝ってきているのである程度信頼はあがってきた。ただし真の評価は、イラン、韓国、オーストラリアなどの強豪国とぶつかってからとなる。

そして、試合の運び方については、五百蔵さんの仮説が正しいとすると、勝つために最善手を尽くしていることになる。ただしそこには、観客を楽しませようというプロレス的なエンターテイメント精神はない。

勝つためには相手を骨抜きにして、見かけ上つまらなかろうが、90分+αを1点以上リードした状態で勝てる可能性が高いやり方を選択する。

どこかで聞いたことがある……。

誰か……。似ている人が……。

いたような……。

おまえだよ!!!

ハリルホジッチ!!!

(写真使おうかと思ったけど、流石にフリー素材ではなかった)

確かに似ている。そう言われると似ている。五百蔵さんがハリルホジッチに似ていると言った時には最初はピンと来ていなかったのだが、確かに似ている。

つまらない試合運び。危うくてモヤモヤする。それでも相手は非常にやりにくそう。というか、味方もやりにくそう。みんなやりにくくてモヤモヤする試合。でも結局勝っていることが多いという。

和リルホジッチ・森保の爆誕である。

最大の違いは、ハリルホジッチ前監督はマスコミの前で色々なことを開けっぴろげに言うけど、森保監督は何も言わないということ。

だから現時点では、森保監督が何を考えいるのかまったくわからない。トルクメニスタン戦、オマーン戦についてどういう感触を持っているのかもわからない。

本当に何もかもが謎だ。

今日のウズベキスタン戦。また一つ謎が明らかになることだろう。あるいは謎が増える結果になるかもしれない。

このアジアカップは、日本が生んだ超人的監督である森保一が、世界へと挑戦する過程の目撃者となるためにあるような気がする。

そして、ただ目撃するだけはさっぱりわけがわからないので、どういう意味づけがあるかを考え続ける必要がある。

本当に地味な試合ばっかりの癖に、カロリー消費の多い大会だこと!!

いやいや、地味なのはグループリーグの間だけで、決勝トーナメントはド派手な試合ばかりになるかもしれない。進んでみないとわからない。下馬評通りならベスト4までは行ける力がある。

そこから優勝できるかは、和リルホジッチ・森保監督と、選手たちの団結にかかっている。

こうやって、疑問を投げかけながらも、森保監督について語って行こうと思う。ちょっと煽ったタイトルになってしまって申し訳ないのだが、こういう書き方しか出来ないのだ。

アジアカップに関心を持つ人を増やし、日本代表が強くなっていくと信じて……。優勝めがけて応援していこう!!

さあ行こうぜどこまでも 走り出せ 走り出せ

輝け俺たちの誇り 広島 広島 オオオオー 

サンフレッチェ広島の名チャントの「広島」の部分を「森保」へと脳内変換して、今日の実況解説も気合いを入れて行こうと思います。

どれだけ試合が膠着しても、俺は喋るのをやめない!!!

※この記事は、ともに裏実況・解説をニコ生で行っている五百蔵容さんの意見を踏まえて書いていますが、ぼくの中で一度解釈し直している部分もあります。五百蔵さんの見解については、Twitterなどをご参照下さい。(@500zoo

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最近は裏実況・解説に注目してまとめ記事を作る方も出てきました。

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中村慎太郎

スポーツコラム

サッカー旅、サッカー関係者へのインタビューなどなど。

コメント2件

私の記事も紹介していただき、ありがとうございます!
おもしろかったです!
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