青木文太朗(ハトノス)

ハトノスの脚本・演出・代表。広島・原爆に関心を持ち、それらをテーマにした演劇も発表して…

青木文太朗(ハトノス)

ハトノスの脚本・演出・代表。広島・原爆に関心を持ち、それらをテーマにした演劇も発表している。劇作家協会新人戯曲賞一次審査通過:『折り鶴』(第24回)、『忘れ果てて』(第26回)、他:『始発まで』など。 https://twitter.com/fumi_wmglba

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ハトノス・青木の活動について

 最近ありがたいことにハトノスとしての活動を少しずつ再開させることができてきました。ハトノスを初めて知っていただく方に向けて、そして自分自身の整理のためにも、青木の、そしてハトノスの「自己紹介」をしてみます。 ■自己紹介青木文太朗 (ハトノス 脚本・演出・代表)  ▸2019年3月旗揚げ公演『始発まで』  ▸2020年3月 『ハトノスの記憶についての短編集』→公演中止  ▸2021年夏 『忘れ果てて』上演予定  <日本劇作家協会新人戯曲賞1次審査通過作品>  ▹『折り鶴』

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      広島と「8月6日」の歩み【ゆっくり解説】最初は「祭り」から始まった!?広島平和記念式典の歴史

      1945年8月6日に広島に原爆が投下されて以降、「8月6日」という日は広島にとってとてもとても大きな1日となりました。 終戦直後から今に至るまで、広島がどのような「8月6日」を過ごしてきたのかを辿った動画です。動画で取り上げられたのはあくまでもそのなかの一面にすぎませんが、皆さんが「8月6日」という日を考えるのに少しでも役立てられたらうれしいです。 きっと今ならば、365日いつだって「8月6日」について考えることができると信じています。よければ覗いてみてください。

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        【ゆっくり解説】原爆ドームの歴史 ~原爆ドーム保存運動について~

        「原爆ドームの歴史」をテーマに、原爆投下前の原爆ドームや、戦後の原爆ドーム保存運動について、なるべく知らない人もわかりやすいようにまとめてみました。 今では「平和のシンボル」として世界的な観光地となっている原爆ドームですが、戦後すぐはこれを取り壊してほしいという声も無視できないものとして存在していました。 そのような状況から現在残されるようになった経緯をたどってみます。 ぜひ覗いてみていただけると嬉しいです。

        • 武田泰淳『審判』を読んで(備忘録的な雑記的な)

          武田泰淳『審判』を読んだ。戦時中、学のある青年が人を殺したことを思い起こす話。読んだ後、何年に書かれたんだろうと検索してみるとAmazonの商品ページに以下のような記載あり。 おもわずなるほどと言ってしまう。何がわかったのかもわからないけど。 とても面白かった。戦争との距離感についていろいろ考えても、この話を読んでそれは感じない。後半の日記という強引さが痛々しく、この話の力になっている気がする。そうするしかなかったんだと思う。 感じたこと。まず1947年に書かれたことと

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        • ハトノス 広島-原爆のラジオドラマ『忘れ果てて』脚本
          0本
        • ハトノス広島講座
          6本

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          朗読劇『ある戦没オリンピアンの日記』公開に寄せて

           先日6月12日より、一橋いしぶみの会制作の朗読劇『ある戦没オリンピアンの日記』がYouTubeにて公開されました。今回、ハトノス青木として脚本・演出・編集として関わらせていただきました。何とも言えない社会情勢下で、このように作品の発表にたどり着けたこと、とても嬉しく思っています。35分ほどの作品なので、お時間あるときに是非ともご覧ください。 さて、朗読劇について、そして制作過程での話について、 ■「戦没オリンピアン」の朗読劇 東京商科大学(現・一橋大学)出身で、1932

          朗読劇『ある戦没オリンピアンの日記』公開に寄せて

          予測変換の話。Androidはスターウォーズに支配されている

           スマホやPCで文章を入力しているときに「予測変換機能」というものが働くようになっていて、これが大変便利である。昨日友人とLINEにてスターウォーズの話をした時、この予測変換機能が大活躍した。  スターウォーズの名ゼリフ、「フォースとともにあらんことを」という言葉を打ち込もうとしたとき、「ふぉーすとと」くらいまで打ち込んだ段階で予測欄に「フォースとともにあらんことを」という文字列が出てきていたのだ。最初私は便利ねぇ、と思ってそれを押したのだが、その後もなんだか非常に文章が打

          予測変換の話。Androidはスターウォーズに支配されている

          ハトノス不定期通信(2021年2月)

          年が明けて突如ゆっくり解説の動画チャンネルを始めるなど謎の動きを見せ始めたハトノスですが、現状とこれからについて書いていくことにします。 ■ゆっくり解説動画始めました ハトノスでYouTubeチャンネル「ハトノス動画部」を開設しました。挙げているのは、「ゆっくり解説動画」と呼ばれる形式の動画です。  実はもともとゆっくり実況の動画が好きだったので、一度作ってみたいなとは思っていました。このnoteでも「ハトノス広島通信」として「広島ー原爆」についての記事をいくつかの記事を

          ハトノス不定期通信(2021年2月)

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          【解説動画】黒い雨訴訟って何?【前半】

          「黒い雨訴訟」についての解説動画です。 2020年夏に広島地裁判決が出た「黒い雨訴訟」ですが、現在も続いています。前半では、そもそも黒い雨とは何か、何が原因で訴訟になっているのか、といったことを紹介していきます。 「広島ー原爆」についての演劇を作ったりしていましたが、なかなか劇場が遠くなってしまったので、なぜだかゆっくり実況動画を作ってしまいました。 これが初投稿作品ですが、これからも少しずつ「広島ー原爆」を起点に動画を作っていきたいと思っています。 後編もあるよ!

          【解説動画】黒い雨訴訟って何?【前半】

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          2020

          一年間の振り返りなんて人生の中できちんとやったこともないだろうけれど、たまたま時間が空いたのでそんなこともやってみる。これは多分、やったことないこともやってみようと思えるようになったということなのかもしれない。そんなことをしてしまったら来年もくたびれるに違いない。大変ねえ。 ■冬 すごくいろいろあった。年明けの広島では悲しいこともあったけど、従妹にお年玉を渡せたよ。人生で初めてお年玉を渡すことになった。年上の従妹は結婚していた。もしも子供ができたらお年玉を渡せるだろうか。渡

          ハトノスいろいろ

          あまりにも低空飛行すぎてハトノスという肩書が寂しそうなので、ちょっと文章を書いてみます。大層な告知があるわけでもないのですが。現状について、だらだらと。 ■早稲田大学演劇博物館オンライン展示「失われた公演」へのチラシの寄贈2020年3月に中止となったハトノスの公演、「ハトノスの記憶についての短編集」について、公演チラシを早稲田大学演劇博物館に寄贈し、「失われた公演」というオンライン展示に加えていただきました。 チラシを作ってくれた田原ヒロシがこんなのあるけど送らないかと声

          私が「黒い雨」の再検証検討会に対して興味を示せない理由

           2020年11月16日、厚生労働省は「黒い雨」の援護対象区域を見直すための有識者検討会を開きました。そして、私はこの検討会についてかなり冷めた目で見ています。「広島―原爆」をまなざす者として黒い雨訴訟については注目してきたし、個人的にも黒い雨地域の拡大を望んでいます。今回は、この検討会がどのようなものか整理してみたうえで、タイトルにも記したように、私が醒めた目で見てしまう理由について記していきます。 ■「黒い雨訴訟」とは? まず、「黒い雨訴訟」とはどのようなものでしょうか

          私が「黒い雨」の再検証検討会に対して興味を示せない理由

          『野火』と『ひかりごけ』を読んで色々話したという話

           先日後輩に誘われて読書会という名の飲み会に行きました。読んできてねと言われた本が『野火』と『ひかりごけ』。カニバリズム、人肉食を題材とする小説として有名なこの二つの本をもとに色々喋ったのですが、最近はただの引きこもりと化している私には読んだ本の感想を話すということはあまりにも刺激的すぎて未だに色々考えてしまいます。ほんと感謝ですね。  色々考えてしまって元気なので、考えたことなど書き散らしてみます。すべて私の考えでもなければ全て受け売りなわけでもないこれを書いてみるのって

          『野火』と『ひかりごけ』を読んで色々話したという話

          雨が降ったから外に干した洗濯物を取り込む。

           それは昨日のことだった。確か20時頃、なんだか音が聞こえる。これは、雨音。最近の雨は音もたてずにしんしんと部屋の外を包んでいることもある。今日は、いや、昨日は気付けた。体を起こして、外に干した洗濯物を取り込みに行く。  そんな当たり前のことだけれど、当たり前のことだからこそか、物理的に体を動かしているとなんだか不思議な気分になる。器用なものだ。どれだけ気分が乗らなくて、眠れない夜を迎えていたとしても、雨音一つで僕は起きて、部屋に明かりがついた。明かりがついたことで、眠れな

          雨が降ったから外に干した洗濯物を取り込む。

          「エモい」イルカショーを見て

          ※この記事に出てくる写真は私が以前和歌山県太地町で撮影したものです。これから記す「先日見たイルカショー」とは関係ないです。  先日、いろいろあってとある水族館でイルカショーを見た。3年ぶりくらいだろうか。ショーが始まるのを待つ間、なんとなく懐かしさを感じていた。クジラにひかれ、捕鯨についてもやもやしながら和歌山県太地町を訪れた時の記憶もどうやらすっかりと心の奥にしまいこんだままになっていたようだ。うっすら積もった埃を苦笑いしながら払っているうちに、インストラクターの人たちが

          「エモい」イルカショーを見て

          「黒い雨訴訟」とは何か

           今年の夏、「黒い雨訴訟」を巡る判決がニュースとなりました。広島地裁が原告の訴えを認める判決を出し、その後国の要請によって被告である広島県・市は控訴した。このニュースについて、私の大好きなTwitterでは、(いつものように、)勉強になる投稿から見たくもない誹謗中傷まで沢山の声が集まっていました。でもどうしてかこのズレまくった誹謗中傷さえもなんだか「一理ある意見」的に見えてしまう、それが大変やるせないのです。だから、今回はこの「黒い雨訴訟」について取り扱うことにします。  

          「黒い雨訴訟」とは何か

          2020年8月6日を迎える

          今年も、いつものあの日がやってくる。8月6日。私の口癖でもあるこの言葉。75年前、広島に原爆が落ちた日。この日を前にしての言葉は、やはり残しておくことにしよう。一つだけ、どうしても書きたいことがある。「差別」についての話しだ。今日「原爆と差別」という言葉を聞いた時にふっと思いつき、少し泣きそうな気持ちになった。 ■「広島ー原爆」と「差別」と、思ったこと 今年の8月6日は例年と違う。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのイベントが延期や中止となっている。移動すること自体へ

          2020年8月6日を迎える