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Jun Yamamoto 音楽を語る(2)

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クラシック音楽のいいとこどりをして語ります。
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2016年10月の記事一覧

"serious" music?

最近は「現代音楽」という言葉がはやらなくなった。確かに、60年代ならともかく、21世紀に入って、シェーンベルク以降の西洋音楽をまとめて「現代音楽」というと幅が広すぎるということもあるだろうし、もともとcontemporary musicの訳だろうから、現代に広く行われる音楽と解すれば、(日本では)AKB48とEXILEと嵐が「現代音楽」だ。

ポピュラー・ミュージックに対して、シリアス・ミュージッ

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Mariya Takeuchi "Genki wo Dashite" 竹内まりや「元気を出して」

竹内まりやさんの「元気を出して」はもともと薬師丸ひろ子さんに書いた曲だが、まりやさん本人のカバーバージョンがあり、そこでは最後のコーラス部分に薬師丸さんが参加している。

このコーラスが秀逸なので、採譜してみた。音はこちら。

実に美しい対旋律が書かれている。AntとかいたのはAnticipationで、先取音、rはretentionで掛留である。緑色で丸をつけたのはクラシックではこうは書かないと

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Tchaikovsky Symphony No.6 Movt.3 (2)

チャイコフスキーの悲愴を取り上げるのは「私の記憶がたしかならば」二回目。第3楽章のブライトコプフの楽譜で練習番号Dの部分。

同じ音形がバスの上で、バイオリン、クラリネット、ビオラ、ホルンと受け渡されるのですが、ちょっと変わった響きになっています。和声的には最初のバイオリンがDの和音(所謂ホルン5度)で、次のクラリネットがEb7(バスのC#はEb7の7度音のDbと同じ音)、ビオラがEの和音でさらに

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Mariya Takeuchi "Konya wa Hearty Party" 竹内まりや 「今夜はHearty Party」

竹内まりや featuring 木村拓哉 の「今夜はHearty Party」である。このdanceable tune はバークレーメソッドのお手本のようなコード進行になっているので、解析(というほど大げさなものではないが)してみたい。

Bbメジャーの曲だが、ところどころでスパイスが効かせてある。10小節目はEbm7で、これは次のDm7への半音上からのアプローチになっているとも取れるし、本来Eb

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