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Jun Yamamoto 音楽を語る(2)

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クラシック音楽のいいとこどりをして語ります。
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2017年4月の記事一覧

Bartok String Quartet No.5 (1)

バルトークの6曲の弦楽四重奏曲はどれをとってもすばらしいと思うが、特に5番が好きだ。

第一楽章の14小節目からの一節だが、いかにも対位法でございという顔をしているのだが、よく見てみるとよく言えば融通無碍、悪く言えば結構ご都合のなんちゃって対位法であることがわかる。そこがバルトークのテクニックなのだが。音はこちら。

14小節目、チェロのF#の上に順番に動機の入りが積み重ねられており、非常に混みあ

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Bartok String Quartet No.5 Movt.1 (2)

バルトークの弦楽四重奏曲第5番の第一楽章の180小節目から8小節。



これは既に何度も出てきているモチーフだが、改めて全楽器の斉奏で示され(A Cb B C D Eb) このあと15回、「入り」がある。



1 A から 上行

2 D# から 上行 

3 Eb(D#) から 下行

4 A から 下行

5 A から上行

6 D# から 上行

7 Eb(D#) から下行

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19世紀から20世紀へークラシック音楽の推移

ドイツロマン派の終わりはどこなのか。ワーグナーのパルジファルが1882年、ブラームスの最後の交響曲が1885年である。ワーグナーは1883年に死に、ブラームスは頑張ったが、1897年に死んでいる。シェーンベルクが「浄夜」を書くのが1899年、まさに20世紀の前夜である。

ロシアではチャイコフスキーが悲愴交響曲を書くのが1893年。その年に死ぬ。

しかし、ロシアではムソルグスキーが1874年に「

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