Mozart Piano Concerto No. 24 c moll KV.491 Movt. 1

この曲の冒頭は絃楽器とファゴットのユニゾンなのだが、転調が多く、これをソルフェージュで初見視唱の課題に出されたらつらい。音はこちら

単旋律で聴いていると40番交響曲の第4楽章にもそういうところがあるが、ほとんど12音音楽である。番号を振ってみたが、11小節目までで12音すべてが登場している。

このメロディーの肝は丸でかこったAsの音で、ハ短調と思わせて、Asの音を出すことで、VIの第二展開(あるいはAsを倚音と感じることもできる)特徴的なかつ多義的なフレーズになっている。

13小節目からは、和声をつけて、このメロディーの謎解きが為されている。ハ短調で始まり、ト短調、ハ短調、ヘ短調、変ロ短調、変ホ短調とめまぐるしく転調している。

そのあと、21小節目でG上のCmの四六の和音となり、次にナポリの6°(Db/F)からCmを経てAbの減七和音になり(この和音は何なんでしょうね、偶成和音ですか)、またCmの四六の和音となりというのをもう一度繰り返してやっとドッペルドミナントD7b5b9に達してドミナントに繋がる。

非常に不安を感じさせる展開であり、モーツァルトの短調の中でも異色なのではないだろうか。


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