Dvorak Symphony No.9 "From the New World" Movt. 2

超有名曲であるし、アナリーゼもあるのだろうが、自分で参加することに意義がある、というオリンピック精神の下(?)やってみた。

スコアは、臨時記号のつけ方についてあまり統一がとれていない。最大公約数をとって略式のピアノリダクションを作ってみた。(音はこちら

最初の部分はこんな感じになる。

3小節目のバスのa とcisだが、ファゴットパートではbes とdes トロンボーンパートではa とdes で書いてあり、混乱している。(Berlin: N. Simrock, 1894)

ここはフラット系に統一してみた方がいいかと思って、フラット系に揃えてみたらこうなった。

この5小節は、まるまるドヴォルザークの発明だと思ったほうがいいのかもしれないが、一応、理屈をつけてみると、赤字で書き込んだようなことになるのではないか。

Db Majorであるという前提をおいて、最初の和音(Fb)はDb Majorの同主短調であるDb minor (des es fes ges as b c )の三度の長三和音 i(III)

二つ目の和音は、Db Majorの2度調であるEb minor の属和音 ii(V)

2小節目頭は、同じくi(III) 後半はDb Major の主和音(主和音にはぜんぜん聞こえないけど)

3小節目頭は、Bbb で、これは同主短調 Db minor の6度の和音 i(IV)。次は自然に(?)4度の和音i(iv)、そして主調であるDb Major の主和音に到達する。

まー、こんな分析しても虚しいですな。これはこれでひとまとまりのドヴォルザークの創作でありますからね。

ついでに、有名な主旋律(「家出」じゃないや「家路」か)も見ておく。

3小節目の頭まで、バスをdes as で固定してあるのがいいですね。そしてバスが3度あがって、かつas が a になって増三和音になるのが実に効果的。中間部をはさんで、16小節目に至って初めてバスが下降してくる。17小節目はドミナントだが、Ebm7 on Ab あるいは Gb6 on Ab として、導音になる c を隠して、モーダルな感じ。この曲はこの後出てくる中間部を含め、無駄がない名曲ですね。ドヴォルザークは妙に展開部とか動機労作とかしないほうが(ry

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