Erik Satie "Vexations"

譜面にもある通り、バスのテーマは二回繰り返す。かつ、ソプラノとアルトは一回目と二回目で上下逆になって繰り返している。構造は至極簡単だ。

和音を調べてみるとほとんど減三和音だが2番目が増三和音、12番目が増6度の和音(形としては属七の5音除きと同じ)になっている。ちょっとしたフックですね。バスが繰り返しているので、3種類の減三和音は同じ順番で繰り返す。減七の和音は3種類しかないが、減三和音であるので音の選び方はバスが同じでも3通りあり、微妙に変えてあるのがみそである。最初の和音は c es a の組み合わせだが、5番目ではc(his) es(dis) fisの組み合わせになっている。臨時記号は明らかに敵意をもってつけられていて、840回繰り返さなくても十分いらいらさせられるようになっている。

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