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胃腸が弱いのは生まれつき



今日は私にとって衝撃的だった

「人生はじめて」を経験した。




そう、噂には聞いていた

「胃カメラ」をやってみた。


それも、かなり軽い気持ちで。




というのも、私はもともと胃腸が弱く

何かを食べたり飲んだりすると、かなりの確率で胃が痛くなったりお腹を壊すので、

一回ちゃんとみてもらおう、ということになって

今日大きめの胃腸病院に行ったのだ。

今日はそんな胃カメラのレポを書きたいと思う。





予約していた診断はサクサク進み、先生から


「時間があるなら胃カメラも今日できるけどやってく?」


という軽いノリで聞かれたので、

「あ、はい」と軽いノリで返事をしてしまった。



朝ごはんは食べていかなかったから、

その点は問題なかった。



「まあでも、鼻からは楽っていうし。

そんな身構えなくても大丈夫だよね」



そう思っていた私の心は

2時間後、バッキバキに折られるのであった。





苦手な採血を済ませ、冷房が寒い院内で

紗倉まなさんのエッセイを読んだりしながら

2時間ほど待つと、


いよいよ順番になり、部屋に呼ばれた。




「胃カメラ、初めてですか?」

と少し大きめのお姉さんに聞かれ、


「はい」と答えると若干あぁ…という顔をされる。




いや、今ならわかる。

辛さを知らない者の面構えをしていたのだろう。



そして、胃の泡を無くす液体?を

小さめのカップ一杯並々飲み干せと言われる。


飲んでみる。不味い。

無味かと思いきや若干味あるし飲みにくい。

この時点で少し気持ち悪くなる。(弱い)




そして

「ハンカチ持ってますか?」と聞かれ

「はい」と答えるものの

「あ…でも汚れるから大丈夫です、上がってください」

と診察台の上に上がることを促される。



え、汚れる、そんなに?

てかなんで聞いた?



と少し緊張しつつもベッドに寝転ぶ。



すると、

おもむろに鼻になにかの液体を入れられ

右の穴に麻酔の液体を入れられる。



このどちらかの液がとんでもなく不味くて

刺激され、喉が痛くていきなりオエッとなる。

吐くものはないんだけど。

痛いし。

え、ちょっと辛いんだけど。



「おいおいおい聞いてないよ」

という気持ちになる。逃げたい。



不安が増してきたところで先生登場。

ネットで画像は見たことのある細いカメラのようなやつを持っていた。

これが入るのか。大丈夫かよ。



「入れますねー」

右鼻から少しずつ入ってくる。



鼻通過。

え、つらい。息ができない。力が入る。


鼻で息しろって言われたけど、

鼻から入れてるんだから息できるわけない。

軽くパニックだったと思う。



「次喉通りますよー、

ちょっと気持ち悪いけど息止めてねー。」



息はすでに止まっている。

ここで強烈な異物感。



オェッと2回くらいえづく。


涙と鼻水と唾液とオェッが止まらない。

肩に力が入りすぎており、何度か肩をさすられる。


つらい。


カメラはどんどん進む。

胃の奥?十二指腸?まで進んだところで先生の説明が入る。


この辺りで目を開ける。

モニターに私の胃が写っている。


不思議とモニターを見るとちょっと気が紛れた。

意外と綺麗?なのか?これは。



先生はカメラを動かしながら、カシャカシャと撮っている。

時折「今どこどこですよ、大丈夫ですねー。」と親切に伝えてくれる。

相槌も打てないし返事もできないけど。



内臓は私の心配と気持ち悪さをよそに綺麗な色をしていて、そのことだけが私を安心させた。



そしてカメラはどんどん上へと上がり、

空気を入れて広げられた胃も綺麗だった。

とはいえ気持ち悪い。でもちょっと慣れてくる。



そして、再度喉を通過し、鼻からカメラが抜かれ

終わりです、の合図とともにティッシュを渡され

私は唾液やら涙やらいろんな液体を拭き取り

よたよたと診察台を降りた。



あぁ、やっと終わった。

どこかから帰還した戦士の気持ちだった。

現実は鼻にカメラ入れられただけの女だけど。





うん、心配いりませんね、

少し胃酸が多めに出るのかもね、お薬出しておきます。


と先生は言ってくれた。


か細い声で「ありがとうございました」と伝え、部屋から出た。

心配いらないって、良かったな。


チラリと時計を見ると、部屋に入ってから

20分くらいだった。地獄のような20分だった。辛かった。




お会計の待ちがあったので、

トイレに行って涙と鼻水と唾液を拭いた。

鏡で見る自分は涙目で笑えてきた。





椅子に座り、ふ、と落ち着いたあと、

なぜか怒りが湧いてきた。

鼻からの胃カメラは楽だって言ったの誰だよ!!!!!!!!!!


口からの胃カメラがどんなに辛いのか知らないけど、鼻からだって辛かった。


鼻からも充分辛いよって言ってくれれば、

私ももうちょっと気張って行ったのに。


こんなのあんまりだ。



過去に私にそう伝えた誰かに怒りながら、

午後出社するつもりだった会社に連絡をした。



AM休が終わる時間に間に合わないし、

なんかすごく気持ち悪いし、

私の心はバキバキに折れているし、

もう電車に乗るのも無理だ。潔く帰ろう。



それから検査結果を聞く日の予約と、

超音波?の検査の予約をしてから帰った。



梅雨入りしてしまったけど、

今日は清々しく晴れててよかった。

帰り道の小学校に咲いていた紫陽花を綺麗だと思う余裕もあった。

会社に向かう余裕はなかったけど。



結局胃痛の原因は本当に胃酸過多なのか

なんかもうよく分からないけど、

まあそれは次のときに聞くとして、




とりあえず当面はこの胃カメラの苦痛を

私の周りの色んな人に伝えよう。

と決意した。




この日記を偶然読んでくれた方、

もし、胃カメラをやるときは、気張って行ってください…




こんなのをやる大人、ほんとうに偉い。

とはいえ、お医者さんに感謝しなければ。

お疲れさまでした。




fin



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