私には兄が2人いて、3番目の子供だったから

兄たちに比べて写真が少ない。

けれど母待望の初めての女の子だったからか、

とても大切に育てられたことを知っている。

今日、兄夫婦が不在の数時間、私と母で姪のお世話をしていた。

ミルクをあげたり、おむつを替えたり抱っこしたりする中、

私が産まれる前後に撮っていたビデオを母が流し始めた。

もう何度も見たことのあるビデオだけど、

腕の中で姪を抱っこしながら、

同じようなサイズの自分の小さな頃を見るのは

不思議な感覚だった。

ビデオでは、どたばたと小さな兄たちが暴れ、騒ぎ、走り回る中  

母はビデオで私を撮りながら しきりに

可愛いね、大好きだよ、と小さな私に声をかけていた。

じんわりとあたたかい感情にじんで、

大人になった私が母と見るのは、照れくさくて

なんだか少し泣いてしまいそうな感じがした。

一緒に見ている母はどんな気持ちでいるのか

まだ私にはわからないような気がした。

私は母に対してたくさんの後悔がある。

中学生、高校生、大学生と

何故だかいつも疲れていて、優しくできなくて

アドバイスも素直に受け取れずに

冷たく きつく当たってしまった。

だからこうしてこんな小さい頃、

自分がまったく覚えていない頃にも

私に対して全力の愛を注ぎ、優しい母を見ると

ありがたさと、少し苦しい気持ちになる。

それから大学も終わる頃になって、

時間にも自分にも余裕ができてからは

少しずつ仲の良い親子になってきたのかなと思う。

いくつになっても

過去の後悔は消えないんだろうけど、

これからを後悔しないように生きることは

これからの自分次第で出来るよね、

もっと大人になったら、

今日の母の気持ちも分かるかな？