八田益之(「大人のトライアスロン」日経ビジネス電子版連載中)

◇トライアスロン×社会学×キャリア ◇40前後でトライアスロンにどハマり ◇社会学で研…

八田益之(「大人のトライアスロン」日経ビジネス電子版連載中)

◇トライアスロン×社会学×キャリア ◇40前後でトライアスロンにどハマり ◇社会学で研究して『覚醒せよ、わが身体。─トライアスリートのエスノグラフィー』出版→中央公論,中日&東京新聞など書評掲載→ amzn.to/3bBudyT ◇noteは万ビュー超え12本

最近の記事

最新医学:活性酸素には「善玉」もあるよ

よく「運動し過ぎると、毒物である活性酸素が大量に発生し、体に悪い」という話を目にする。しかし最新医学は、活性酸素の重要な働きをいろいろ明らかにしている。先日は、記憶の形成に活性酸素が役立っていることが明らかにされた。 活性酸素にも「悪玉」と「善玉」がある活性酸素は脳内でも作られる。従来、悪玉としての活性酸素が脳卒中など脳に悪さをすると考えられていたが、今回、善玉として脳にいい役割がわかったわけだ。活性酸素には、悪玉と善玉がある、ということだ。 こちらの図は京大の発表ページ

    • 「22歳の新社長」、人手不足経済のお手本では?

      カレーハウスCoCo壱番屋=ココイチのフランチャイズ(FC)店などを経営する群馬県太田市の会社が22歳のバイト出身女性、諸沢莉乃さんを新社長に抜擢: 発端は2月の同社PRかな↓ 驚愕の事業継承!!と自分で驚いてる😁 と書いた通りの展開に🌸🌸 PRなのを感じさせないいい文章だ。 このスカイスクレイパー社は、創業した西牧大輔社長26歳でココイチの独立制度により設立。「26歳も22歳もそう違わない」ともいえるが、それにしてもだ。しかも最初に決めたのは20歳になったばかりの頃。

      • 東京マラソン、完走したくば、歩きなさい! (ゴール逆算思考:ランニング編)

        今週末は東京マラソン、鹿児島マラソンなど開催。コロナあけの市民マラソンは全体に苦境。問題点を日経新聞でシリーズで整理している: 値上げも一因で、第1回は1万円だった東京マラソンの参加費は今年1万6500円、ドル円と同じくらいに上がっている。シューズも1足3万円以上が普通で、劣化も早いので、大事な大会には新品を投入するのが普通。首都圏在住者でも5万円かかる大会になった。 ただ、東京都心をワンウェイで移動できる東京マラソンには、それだけの価値もあるだろう。ここ完走するのを憧れ

        • 大学生アスリート海外大進学は「自己肯定感」より「人的支援体制」

          日本人高校生トップアスリートのアメリカ大進学が急増中2024年2月、高校野球の佐々木麟太郎内野手(岩手・花巻東高)がスタンフォード大学への進学を決めた。学費&奨学金5000万円という金額込みで話題だ。 このような、日本人高校生トップアスリートのアメリカ大進学は、近年急増している。このグラフはNCAAディビジョン1(D1)におけるアジア出身の留学生アスリート(ISA)の推移。 最上位カテゴリのD1は大学間の競争が激しく、日本の箱根駅伝のようなチーム1名のような厳しい制限も

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        記事

          運動習慣は「接触物の高性能化」から

          そんなあなたに! 運動習慣をつけるために、1つだけ、大事なことをお伝えしよう。 「頻繁に接触するモノ」を高性能化しなさい! 接触物とは、まずはシューズだ。ふつうは毎日1回以上使用し、外出中常時、足に接触しているモノがシューズだ。これを動きやすい高性能シューズに換えれば、外出時間がまるごと運動チャンス時間に変わる。 もう1つの例が机。高さを簡単に変えられるタイプへと高性能化すれば、立ったままデスクワークができ、作業時間がまるごと(緩いけど)運動チャンス時間に変わる。

          箱根駅伝は「誰のものでもない」から儲からない

          箱根駅伝2024、青山学院が「箱根の強さ」を見せつけ優勝。このnote では、原晋監督が最新刊で「20年の集大成」として主張し、注目の書『箱根駅伝は誰のものか』でも論じられるテーマを考えてみたい。 誰のものか? 答えは「誰のものでもない」のだと思う。いわば界隈の空気によって動いていて、リーダーシップ(オーナーシップ)不在。だから儲からない、という論です。 "箱根駅伝をめぐる「闇」の真実" 問題原さんの最新刊『最前線からの箱根駅伝論 〜監督就任20年の集大成』。指導方針、教

          箱根駅伝は「誰のものでもない」から儲からない

          「大人のトライアスロン」連載15回の途中まとめ

          2024年はコロナ明けリスタート2年め、「身体性あるお祭り」のエネルギーを書いていきます。'23年末まとめ(の少し拡大版)として、2022年10月からの日経ビジネス電子版連載「大人のトライアスロン」15回分の連載について整理してみたよ。 「コンテンツとしてトライアスロン」のマイナー度まず歴史にすこし触れておこう。大前提として、トライアスロンは市場が小さい(or 超小さい)ので記事になりにくい。日経電子版でこの1年で「トライアスロン」は26件。主にオリンピック関連で数人のエリ

          「大人のトライアスロン」連載15回の途中まとめ

          福山雅治もテイラー・スウィフトもアスリート級に鍛える、AI時代の「スターの身体性」

          2023年のTIME誌「今年の人」は歌手テイラー・スウィフト。コロナあけの世界ツアーの興行収入は10億ドル突破、大谷翔平どころではない。もはや「世界エンタメ界の頂点」を超えて「世界人類の頂点」である。 AIが注目される昨今だが、とくに生成AIのアウトプットは中途半端なものにとどまらざるをえない。人間が過去に作り、かつ電子情報として残したものしか扱うことができないのだから。そんな時代環境では、身体性を極めたリアル人間の価値は今まで以上に上がる。結局、感情を揺さぶることのできる

          福山雅治もテイラー・スウィフトもアスリート級に鍛える、AI時代の「スターの身体性」

          五輪レガシー2:スポーツの「過程」にある価値を探れ!

          「メダル至上主義さらば 選手に重圧、競技団体も潤わず」との11/26日経記事がアクセスランキング上位で注目されていた: まとめると、「メダル獲ったアスリートは心を消耗し、競技団体はお金を消耗して、そのあとに残ったものが期待外れかも?」という話。 「メダルとれても五輪後に競技団体の収入は減ると思うよ」という予言は五輪前からあり(為末大さんとか言ってた)、現実化した。メダルでメディア露出できても、情報過多な今のネット時代に昔ほどのインパクトはなく、広告効果として回収できないと

          五輪レガシー2:スポーツの「過程」にある価値を探れ!

          「東京五輪レガシー=海外コーチ」説

          東京オリンピック開催前までは、「オリンピックのレガシーとは・・・」という話をよくみた。始まるまでは。。記事検索すると、開催前は識者のみなさんがあれや これや と語ってたが、開催後ほとんど忘れられてる。そもそもIOCがレガシーと言い始めたのは、"お金はかかるがこんなに良いことがあります」と、開催を考える都市にアピールする手段"  だという指摘もあった。開催経費は1兆6989億円、関連経費込みでは約3兆6800億円(会計検査院2022.12)、これだけのお金を使うんだからきっとな

          アイドル「学歴の暴力」にみる「学歴大好き日本人」の理論的背景

          10月9日の日経MJで、アイドルグループ「学力の暴力」が特集されていた ↓ 結成2年ほどの社会人の休日活動だ。これだけ注目されるのは興味深い。それだけ日本人が、学歴の話が大好きってことだろう。だからSNSで燃えるし、燃えるから注目される。 このグループは、2021年6月に東大と京大出身の2名で結成(多分当時会社員で片方は既婚者)、メンバーを少し入れ替えながら週末だけライブ活動。ざっくりいえば、昭和世代の感覚でいう「大学生のロックバンド」的なやつの、令和バージョンかなと思っ

          アイドル「学歴の暴力」にみる「学歴大好き日本人」の理論的背景

          ニュースと SNS の補完法…「エキスパート」の「リスト」

          コロナウクライナパレスチナ・・・ややこしい問題が噴出するごとネットに飛び交う情報たちを、僕らはどう扱えばいいのかな? 「ニュースとSNSの関係」に絞って、ちょっと考えを書いておこう。(10/18追記) 基本結論を先にかくと、基本の使い分けは 全体像=ニュース・新聞など 詳細= 旧ツイッター「リスト」機能的なもの の順序だと思う。なぜなら、 全体=受動的に流入する情報=バランス&客観性が必要 詳細= 主体的に取り行く情報=目的ごとの専門性が必要 だから。 その逆

          ニュースと SNS の補完法…「エキスパート」の「リスト」

          女子ゴルフ放映権にみる「アスリートファースト」の現在地(とジャニーズ問題)

          7月、水泳世界選手権での日本チーム不振のあと、「アスリートファーストでなくなった」と20代の主力選手が言っていた。ここ、40代以上くらいの年齢層など違和感を感じた人はまあまあいるのでは。 ジェネレーション・ギャップとはそういうもので、時代のアタリマエは変化してゆく。 この「アスリートファースト」という概念は、理念と現実、2つの視点がある。現実側の変化は大きく、そのわかりやすい事例が「女子ゴルフ放映権」の問題で、日経が特集していておもしろかった。以下、少し整理してみよう。

          女子ゴルフ放映権にみる「アスリートファースト」の現在地(とジャニーズ問題)

          ボランティア不足は「ボランティアツーリズム」で救えるか?

          この夏、3年間の抑圧をスカっと解放できる「コロナ明けのお祭り」がめだった。その象徴が慶応高校野球部。ヒマとカネのある慶応関係者(+便乗したパリピ)たちがこぞって甲子園に行ってお祭りを楽しんでいて陸の王者みあった。 一方で苦しいのは、マラソン・トライアスロンのような参加型スポーツイベント。トレーニング期間を要し、再開に時間がかかるから。ただ今年は大会が確実に開催されるようになって、3年ぶりに戻りつつあるようだ。 取り残されているのが、大会を支えるボランティア。 9月の日経

          ボランティア不足は「ボランティアツーリズム」で救えるか?

          「コロナ明け祝祭としての慶応優勝」説

          慶応優勝にわいた2023夏の甲子園、Facebookの慶応人ただ歓喜、早稲田人「ウチらはあーならん」と諦観、かたやホンネぶちまけ匿名SNSは「社会格差すごい!」から、だんだんと「応援格差ひどい!」と炎があがっていく。野球そのものからテーマが離れていくわけで、それだけの社会現象といえる。 僕は、 だと思った。慶応高チームはこのニーズに圧倒的に答えられる状況にあった。 この4年間ほどをふりかえると、2019ラグビーW杯を最後に、東京オリンピックも空振り。モヤモヤが蓄積されて

          「酷暑の甲子園」、球場より練習環境を考えろ

          「暑すぎるので不要不急の外出を控えましょう」というアイロニカルな字幕と一緒に中継される真夏の真昼の甲子園。「やめろ」「ドーム球場や北海道に移せ」等々叩かれがちだ。(※北海道も今や暑いですよ) 僕の考えでは、これら球場を巡る議論は「トカゲのシッポ切り」であり「モグラ叩き」にすぎない。本質は日常の練習環境の方。本質、といっているのは、単にスポーツの問題ではなくて、真夏にスイカを収穫する農家さんとかとも共通する話だからだ。 要点の1つを先に書いておくと、野球は試合のほぼ半分(=