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美ー子ちゃんのディスクレビューOZROSAURUS「OG」


私たち日本語ラップリスナー同士が会った時、最近必ず出てくる会話の一つに「マッチョのキレがすごい」「マッチョキレッキレ」っていうのがあるのよね。

知らない人が聞いたらいかにも、アメリカナイズされた筋肉至上主義者のボディビル談義に聞こえてしまうかもだけど、
ことジャパニーズヒップホップの世界ではマッチョ=オジロザウルスのMC、つまり「最近のMACCHOのラップのキレはもの凄いよね」
という会話が繰り返されていくうちに省略されて「マッチョキレッキレ」になってるわけなのよ!


でも最近見たフリースタイルダンジョンのオジロのライブで、お客さんが全然盛り上がってなくてっびっくりしたのよ!実際観覧に行ったヘッズも言ってたからマジだと思うわ。いや、あのオジロよみんな!?しっかりして! 

私の中で尊敬されてるラッパーとして名前が挙がりがちな三大ラッパーといえば般若、トコナ、マッチョだと思ってるんだけど、
それぐらい偉大なラッパーよ?MCバトル新規のみんな、しっかりして!


オジロといえば何と言ってもまず有名なのは2001年リリースの「ROLLIN'045」ね。


045スタイルなんて呼ばれて私の地元の西日本の超田舎でもヤンキー達がウェッサイなダボダボのセットアップを着て
オープンのアメ車を乗り回し出すほど影響を与えたすごいアルバムよ。



・・・そして時は流れて15年。数々のリリースを経て今やバンドスタイルになったオジロの「OG」よ。


結局の所私たちが何に感動してるかって、
「今やベテランになったマッチョが未だにそこらへんの若手と同じようにラップスキル一本で勝負してる!」って所なのよね。
これぐらいのベテランだと作品のコンセプトとか、ドラマ作りとか、もっとサブな要素を色々気にするじゃない?
逆にちょっと落ち着きを出してみたりとか。

しかもラップスキルも未だに向上してるって言うのが凄い所で。
2012年のサイプレス上野とロベルト吉野「ヨコハマシカ feat.OZROSAURUS」も
ゆったりしたシンプルなトラックでただ横浜の事をラップしてるだけなのにこんなに聞かせるの!?っって
衝撃を受けたわ。私なんて地元の事でラップしてって言われても5秒で言う事なくなるわ・・・。



実は私、前述の「田舎のヤンキー・ウェッサイ化」事件もあって昔のオジロはイメージであんまり好きじゃなかったんだけど・・・
ウェッサイスタイルの不良にアメ村でカツアゲされた事あるし。

でも今はむしろ逆に大好きだし、私の中で「好きなラッパー」という枠を越えて「尊敬する人間」というジャンルに入ってるわ。
イチローとかダルビッシュ、羽生名人と同じよ。

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