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全農 日本カーリング選手権迫る! 女子チームプレビュー

2月11日から札幌市豊平区にあるどうぎんカーリングスタジアムで開催される第36回全農 日本カーリング選手権大会。前回の男子に続いて、今度は女子の9つの出場チームを紹介しながら、大会を展望する。

=女子出場チーム=

LOCO SOLARE(平昌五輪代表枠)昨年のオリンピックでは銅メダルを獲得し、「そだねー」で新語・流行語大賞の年間大賞までゲットしたのは記憶に新しい。昨年9月に一般社団法人化を公表し、ロコ・ソラーレというチーム名で出場可能になった。今季は本橋麻里選手が休養、チームマネジメントに専念する。11月のパシフィック・アジア選手権では決勝で韓国に敗れたが、先月のワールドカップのセカンドレグでは決勝で韓国に7-6で勝ってリベンジ。予選では世界ランク1位のスウェーデンに連勝するなど好調をキープ。本大会も制して、北見パラボに優勝を祝う懸垂幕を掲げたい。

富士急(前年度優勝)創部当時はチームフジヤマという名称だったが、2015年に規約に従い改称。昨年はチームリーダーの西室淳子選手が妊娠でリザーブに回ったが、スキップの小穴桃里選手を中心に戦い抜いて見事優勝。世界選手権でも5勝をマークする大健闘を見せた。今季は読みと精度に定評がある西室選手が復帰し、ますますチーム力はアップ。パシフィック・アジア選手権の日本代表決定戦ではロコ・ソラーレに敗れたが、今大会でその雪辱を果たすとともに、大会の連覇を目指す。石垣真央選手は札幌国際大学卒業まで北海道銀行の吉村紗也香選手とチームメイト。この大会でも切磋琢磨。

北海道銀行(北海道優勝)昨年6月にチームの精神的支柱であった小笠原歩選手が退団。チームにどう影響するか懸念されたが、小笠原さんが退団の挨拶で「北海道銀行フォルティウスはさらに強いチームとなって、新シーズンに戻ってきます」と書いた通り、海外遠征を経てたくましくなり、北海道選手権は予選から決勝まで9連勝と手がつけられない勢いだった。海外の強豪チームが参加した12月の軽井沢国際選手権でも準優勝。好調ぶりではヒケをとらず、2015年以来の優勝を目指す。

チーム札幌(北海道準優勝)札幌学院大学OG2人と、現札幌学院大学生3人による結成2年目のチーム。昨シーズンはIRIS(アイリス)という名前だったが、今季からNimoa(にもあ)に改称している。スキップの夏井坂真由選手とサードの井川真里選手は2015年のユニバーシアードに出場した実力者。まだそれほどクラウドファンディングが普及していなかった2015年に遠征をはじめとする活動資金の一部を募るなど、進取の気性に富んでいるのも魅力だ。笑顔の裏の芯の強さを発揮して強豪に立ち向かう。

CP帯広(北海道3位)CPはカールプレックスで、帯広のカーリング施設カールプレックスおびひろのチーム。普段はSunny Wins 帯広と名乗っている。サードの川平操子選手はホールマネージャーを務めていて、スキップの後藤亜季選手とともにミックスカーリングの日本選手権にも出場している。後藤選手は帯広畜産大学時代からジュニア日本選手権に出場するなど経験値は高い。北海道選手権には出場されていた大久津真由美選手(長野五輪代表スキップ!)が出ないのは残念だが、技巧派チームは侮れぬ存在になるはずだ。

チームかわむら(東北優勝)青森県の高校生チームで、普段のチーム名はCalfikio。大会用のチーム名は、スキップの川村和香羽選手から。東北選手権決勝では元チーム青森スキップの青田しのぶ選手が率いるDelight青森と大接戦となり、エキストラエンドで破った。メンバーのうちの3人は、Anthemisというチームで中学生時代から県大会に出場していた。今大会にはDelight青森の田中美咲選手がリザーブで加わる。かつて青森ジュニアのスキップとして第31回大会に出場した田中選手との融合でどんな化学反応が起きるか?

東京都協会(関東優勝)関東選手権ではST TOKYO、普段の名前はシュガーとげとげ。このチームとしては初出場だが、スキップの工藤楓選手とサードの倉光杏佳選手は青森ジュニアで、菅原舞雪選手はチーム東京で、鈴木彩希子選手(チームかわむらの鈴木香那子選手の姉)は工藤選手とともにあおもりユースで日本選手権に出場経験がある。9月のユニバーシアード日本代表選考会を全勝優勝し、代表に決定。リザーブの南真由選手はチーム札幌の2人と2015年のユニバーシアードに出場している。甘い名前と裏腹なピリッとスパイスが効いたプレーに注目を。

中部電力(中部優勝)昨季限りで清水絵美選手が引退しマネージャーに就任、ポジションもスキップとサードを入れ替えるなど変化が大きかったが、夏のどうぎんクラシックで準優勝し、海外遠征でも結果を出すなどチーム力は確実にアップしている。そして先月、SC軽井沢クラブのスキップだった両角友佑選手がコーチに就任。いくつもの修羅場をくぐり抜けた名選手を迎えたのは心強く、2年ぶり6回目の優勝を狙う。ちなみに、石郷岡葉純選手はかつて青森ジュニアに所属していて、今大会で当時の4人が揃うことになる。

チーム京都(西日本優勝)メンバーの入れ替わりはあるが、チームとしては2年ぶり4回目の出場となる。普段のチーム名はG.E.北摂。スキップの辻美奈子選手はteam西宮としてミックスダブルスの大会に出場したり、シニアカーリングの大会で活躍している。サードの吉田有希選手は、ミックスダブルスのチーム淀川の選手で、大会でライバル関係になることもある。また、安丸真衣選手と後藤彩乃選手は、なんと平昌五輪後にカーリングを始めたばかりなのだとか。のびしろがありそうで楽しみ。そして、リザーブで加わる辰段美和子選手は昨年の大会にチーム広島のスキップとして出場していた。西日本のパワーを結集して予選突破を期する。

【4チームが実力伯仲】
LOCO SOLARE、富士急、北海道銀行、中部電力の4強が優勝を争うというのは衆目の一致するところだろう。しかし、出足でつまずくと、思わぬ苦戦を強いられることもある。それだけに、初戦でいきなり激突するLOCO SOLARE対中部電力は注目カードだ。また、今大会は高校生や大学生が主体のチームが出ていて、こういったチームが勢いに乗ると手ごわいのは13年前、チーム常呂中として出場して旋風を起こし3位となった吉田知那美選手、鈴木夕湖選手、そして小野寺佳歩選手が一番わかっていることだろう。4強同士の試合だけでなく、4強と他のチームとの戦いも見どころは必ずあり、しっかりと観ることをお勧めする。

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。