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メリーモナークのないイースターウイークが終わり、6月を待つ

著:御手洗ケール

イースター・サンデーから始まる1週間を、ハワイでは「メリーモナーク・フェスティバル・ウイーク」と呼びます。ハワイの人たちにとって、イースター・サンデーは、フラの祭典、メリーモナーク・フェスティバルが始まる日。競技会は後半の週末にかけての3日間ですが、この日だけは深夜にまで及ぶテレビ中継を見守ります。

昨年は、56年という長い歴史の中で、初めて中止が決定。高齢の人間国宝級のクムフラを始めとするアンティ、アンクルたちの安全を守るためにも必要な決断でした。今年は、本来ならこの週末に行われるはずだったコンペティションの日にちをずらし、6月24日~26日に無観客で開催。その模様は、結果発表とともに7月1日~3日にテレビで放映されることになりました。「中止」ではなく「延期」になるも、この週末は、「今日はミス・アロハフラの日だったのに・・・」など、ちょっとした違和感というか、ふわふわとした喪失感を覚えたハワイの人は多かったようです。

私は、インターネットのライブ・ストリーミングでしか見たことはありませんが、ヒロの会場はレイの花の香りにあふれ、ステージから伝わる振動が体中を駆け抜け、その場の一体感は想像以上のもので、フラ愛好家でなくとも一生に一度は生で観戦するべきだと、見た人は必ずそう言います。しかしチケットは超入手困難。ホテルもレンタカーも飛行機も1年前から予約でいっぱい・・・。ハワイ文化の象徴とも言える一大イベントですから、それも納得なのですが。

今年は、参加ハラウはヒロに到着後、5日間の自己隔離を行い、他のハラウとの接触は禁じられるなど、厳しい管理下におかれます。無観客というのは華やかさには欠けますが、もしかしたらフラの原点に返る、特別な大会になるのではとも思います。

フラのオリンピックとも称され、ダンサーなら誰もが夢見る最高の舞台。そして演奏を担当するミュージシャンにとっても、メリーモナークのステージで歌うのは一流の証し。果たして今年はどんな趣向になるのでしょうか。楽しみです。

ハワイでも室内で集まれる人数が段階を経て徐々に増え、ウェディング、お葬式、スポーツ、コンサートなどは一部制限付きで解禁になりつつあるものの、大規模なイベントはまだまだ先が見えません。もともとはヒロの町おこしから始まったフェスティバル。普段は静か過ぎるヒロが、1週間限定で突然にぎやかになるメリーモナーク・フェスティバル・ウィークがまた戻ってくることを心より願うばかりです。

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メリーモナーク・フェスティバル2021詳細
https://www.merriemonarch.com/2021-ofificially-moving-forward/



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