（別ブログに過去投稿した記事です。少しずつ移行中です）

12年ほど前に、
初めてスペインに行った時の珍事件の話を少し。

なんと、
乗り継ぐはずだった飛行機が「ない」
という事態が起こったのです。

チケットの予約、発見は搭乗の半年前。

リコンファームは必要ない
ということだったのですが、
その後、出発時刻が数時間早まった
というのが理由でした。

私が利用した旅行代理店は
航空会社からその連絡を受けていました。
発券済だったため、
「搭乗者に変更の連絡をするように」という
通達があったにもかかわらず
代理店がその連絡を怠っていた…と
後に問い合わせてわかりました。

結果、
私は変更前の時刻が刻印されたチケットを持って
乗り継ぎ地である
フランスのオルリー空港に到着したわけです。

当然、案内板を何度みても、
乗るはずの便名は見つからず。

「カサブランカ…って、フランス語で、
もしかしてセビージャって読むのかもしれない…」

そんな都合がよすぎる想像も働かせてみましたが
絶対違う。
半べそかいて、
「エクスキューズミー！」
「エクスキューズミー！」と
空港中を駆けずりまわりました。

声をかけ続けて、20人目くらい。
警備員のお姉さんが
やっと私の話をまともに聞いてくれました。

「私が乗る飛行機がありません！」

チケットを見せながら、
乏しい英語力を駆使し、
必死で訴えました。

お姉さんは、
「も〜〜、そんなわけないじゃな〜い。
時刻はチケットに書いてある通りよ～。
困ったジャパニーズちゃんねえ〜〜〜」と
私の手を引き、
案内板の前まで連れていきました。

最初は余裕の表情で
チケットと上部の案内板とを交互に見て
確認していたのですが、
やがて、顔を上げ下げする回数が多くなり、
速度は速くなり、
どんどん眉根を寄せ始めました。

そして、手を口元に当てて
そんなはずはない…という表情で
私に向かって静かにつぶやいたのです。

「The plane has gone.」

一生忘れられない一言です。

衝撃を受けるとともに、
英語の現在完了形ってこういう時に使うんだなと
実践をもって学んだという、
変な満足感がありました。

「とにかく、航空会社のカウンターに行って
問い合わせましょう！」と、
今度はそちらに私を案内し、
スタッフの女性に事情を話してくれました。

私は、
「今日中にスペインの
へレスという街に着きたい」
「予定していたルートではなくてもいいから
なんとかならないか」
と掛け合いましたが、
「もう便がないから今日中は無理」
という返事。

大ピンチですが、泣くに泣けない状況です。

便がないからといって
引き下がるわけにもいかず、
無言で必死にカウンターに
しがみついている私に、
スタッフの女性はとても親身に
対応してくれました。

「これはカンパニーミステイクよ。
あなたは悪くないわ。
落ち着いたら、代理店に連絡して。
私は、ボスに翌日の便を手配できるか
確認してくるわ」
と言い、奥の部屋へ。

幸いにも交渉成立で
無料で翌日の便が取れました。

さらに
「今晩泊まるところはあるの？
ここからは、プライベートアドバイスだけど
近くに女性1人でも安心なホテルがあるから
そこに行ってみるといいわ。
ただし、空きがあるかまではわからないから
自分で聞いてみてね」
とIBSホテルを紹介してくれました。

ホテルに向かおうと
タクシーに乗ろうとしたら
運転手はどうしても私を乗せようとせず、
どうして！？と困惑しながら
指さす方向を見たら
シャトルバス乗り場があり、
そのバスなら無料で行けるから
ということでした。
何度も頭を下げてお礼を言いました。

ホテルに着き、受付で
「予約はしていないのですが、今日、泊まれますか？」
とドキドキしながら聞いてみると、
空きがあるとのこと！
このとき、やっと安堵できました。

警備員の方、航空会社スタッフの方、
タクシー運転手の方の親切に触れ、
感謝感謝です。

もちろん、航空券とホテル代、国際電話代は
後日代理店に払っていただき、
今となっては笑って話せて、
良い思い出とも言えますが、
もう二度とこんな悲劇的な目にはあいたくありません！

それなら今回は直行便を手配すればいいのに、
と自分にツッコミを入れつつ、
出発まであと1週間です☆