社会・都市・映画・本。いま頭の中で考えてることをアウトプットする練習。

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最近の記事

リアリストとリベラリストの役割

リアリスト(現実主義者・保守派)とリベラリスト(理想主義者・革新派)。 2者は対立概念として用いられるが、実際には2者が協働することで社会は発展してきた。 「想像の共同体」という概念人類史に目を向けてみると、いつの時代も人類は何らかの共同体に帰属してきた。 共同体の構成員は文化を共有し、歴史観を共有し、他の構成員が感じる痛みを共有してきた。 このようなコミュニティは「想像の共同体」と定義され、同じアイデンティティを有する人々が協力し合うことによって租税制度や社会保障・常備

    • コロナ問題にみる、自由民主主義と有事対応の相克

      本稿記載の情報は2020年3月30日正午時点のものです。 お読みの時期によっては、古い情報となっている可能性にご留意下さい。 先に本稿の結論を申し上げておくと、下記の通りである。 政治家・メディア・国民など全てのアクターが平時から自由民主主義と向き合うことが、円滑な有事体制の構築につながる。 ①与党の法秩序に対する姿勢は、国民の信用を損ねる不誠実なものである ②与党を追求する主要野党も、与党との行き過ぎた対決一辺倒により国民の信用を失っている状態である ③国民自身も、与野

      • 体育会2.0 〜令和時代に求められる体育会のあり方〜

        近年、大学体育会に関する事件がニュースを賑わしている。これまでも同様の事例はあったものの、社会が人権重視・反ハラスメントへと向かったことによって、昭和体質をひきずる体育会の特異体質が改めて浮き彫りになった形だろう。それでは、体育会は本当に時代に取り残された存在なのか。体育会が令和時代に求められる教育機関として存続するために、どう変化していくべきなのか。 本稿では、従来の体育会の特徴を企業における終身雇用制度の崩壊と紐づけて、これらの疑問に対する処方箋を提示したい。 これまで

        • 民主主義は本当に正義か 〜香港デモから考える〜

          本記事では、自由民主主義に対して敢えて懐疑的な見方を提供する。 しかし、筆者は決して反自由主義・反民主主義ではないし、社会主義・共産主義を礼賛するつもりもない。 ここではあくまでも、「民主化なくして安定なし」と言われつづけた中国がなぜ発展を遂げることが出来たのか。この謎を紐解くため、中国式資本主義(社会主義)の上手く作用してきた点に着目し、自由民主主義国家にはない社会主義市場経済の利点を強調することになる。 香港をとりまく政治的環境香港は、1997年に英国植民地から中華人民

        リアリストとリベラリストの役割

        • コロナ問題にみる、自由民主主義と有事対応の相克

        • 体育会2.0 〜令和時代に求められる体育会のあり方〜

        • 民主主義は本当に正義か 〜香港デモから考える〜

          " MaaS "は満員電車に対する特効薬

          MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)に関する本を読んだ。 *記事前半は書籍の要約、後半は持論です。MaaSの基礎知識は十分知ってるよ!という方は後半からご覧ください そもそも"MaaS"とは皆さんはそもそも"MaaS"という言葉をご存知だろうか。"MaaS"とは Mobility as a Service の略であり、直訳すると「サービスとしての移動」だ。 簡単に言えば、マイカーを所有して移動する時代から、公共交通手段やカーシェア(車を複数人でシェアし、個人が使いた

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          三田キャンパスが好きな理由

          小さい頃から街とか建築物を観察するのが大好きな性格だし、こんな本を買って読んでみた。 三田キャンパスは慶應の総本山で、図書館旧館などの歴史的な建造物も多く残されている。このキャンパスの雰囲気が結構好きだ。なんで好きかというと難しいけど、何個か理由を挙げてみる。 一つ目に、都心キャンパス特有のコンパクトさ。文系4学部3・4年生の教育機能と研究機能が、あの端から端まで見渡せるような三田の山に収まってる。日吉では独立館から心理学教室まで10分近く歩かなければたどり着かないが、三

          三田キャンパスが好きな理由

          SNSによって分断する社会

           近年、日本社会における左右の分裂が拡大しているように思える。自衛官が左派系議員に罵声を浴びせたり、「非国民」「売国奴」といった戦時中に多用された言葉がネットを中心に復活している。その一方、昨今の森友・加計問題をめぐっては左派系の市民団体が国会前に詰めかけて熱狂する光景もみられる。片方では右傾化が、もう片方では左傾化が進んだ、中間層不在の社会になりつつある。  社会が比較的一体となって政治的メッセージを発信していた60年安保闘争の時代とは異なり、各派がそれぞれ盛り上がりを見

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          立憲民主党、躍進の理由

          同党代表・枝野幸男氏の演説には民進党時代には考えられなかった大観衆が詰めかけただけでない。インターネット上においても、立憲民主党の公式アカウントは、Twitterで国政政党アカウント中トップの20万人近いフォロワーを獲得した。なぜ衆院選直前に結党した、たった15人の新党がここまで人気を博し、議席を3倍以上に増やす大躍進に至ったのか。要因を考察する。 ①リベラルに純化した旧民進党出身者で設立された立憲だが、その特徴のひとつに、議員の殆どが左派系である点が挙げられる。これまで左

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