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【イベントレポート】グローバルで急拡大するクライメートテックの現状と日本の課題

HAX Tokyoは2023年9月27日に世界のクライメートテック(気象変動テック)の動向についてディスカッションするオフサイトイベントを開催しました。

当日はHAXを運営するSOSVの面々に加え、東京大学FoundXディレクターの馬田隆明氏、ホンダ・イノベーションズ シニア・アソシエイトの羽根田里志氏、そしてHAX Tokyoを共同運営する住友商事 新事業投資第一部 部長代理の山下晋平が登壇。国内外の動向や今後の展望についてディスカッションしました。

本記事では当日のサマリーをご紹介します。

イベントの冒頭ではSOSV ジェネラルパートナー兼HAX ディレクターの​Cyril EbersweilerとDuncan Turnerから、クライメートテックへの投資動向についてのプレゼンテーションがありました。

多くのVCが投資先をSaaSやデジタル関連へのスタートアップから、その他の領域へシフトする中、SOSVで200社以上のクライメートテック・スタートアップに出資しています。気象変動対策に対する関心は世界規模で高まっており、欧米やアジアではクライメートテックに関連したファンドが続々と組成されています。

SOSVが特に注目する領域として、代替エネルギー関連の動向が紹介されました。米国では2030年までに二酸化炭素排出量を50%以上削減する目標を掲げていますが、達成には現在の3倍の電力量を代替エネルギーで生み出す必要があります。世界のESG投資額は約35兆ドルと2年で約15%伸びており、あらゆる産業の川上から川下に至るまで大きなチャンがあると捉えています。

SOSVが特に注目している技術として、新たな動力源となる新素材や新元素の元となる鉱物の発掘や、充電池の回収・再利用のようなリサイクル技術、自然エネルギーによる発電の不安定さをカバーする電力貯蔵技術、航空や船舶などの輸送機器の燃料効率を高める技術などが紹介されました。

その後、東京大学の卒業生向けアクセラレーションプログラム「FoundX」のディレクター馬田隆明氏が登壇し、日本国内におけるクライメートテックの動向を踏まえたスタートアップ支援に対する課題についての講演がありました。気候変動などグローバルな課題を解決するためには、画期的な革新を起こせるスタートアップが必要だと馬田氏は指摘。

日本がこれからの産業を牽引する存在になるには、そうしたスタートアップの育成と大企業との連携や投資、が欠かせないと語りました。


イベントの最後にはHonda、IGNITIONの運営事務局の羽根田里志氏と、住友商事 新事業投資部の山下晋平も加わり、登壇者らによるパネルディスカッションを実施しました。

ディスカッションの中では、高い技術力と産業基盤が日本の強みである一方で、技術をグローバルに展開するためのビジネス経験が不足しているとの課題が提起されました。
それに対する提言として、日本の大企業が買収に対して積極的になることや、日本の起業家がもっとグローバルなマインドセットを持つこと、国内のスタートアップエコシステムにより国際的な経験を持った人材や資本を取り入れること、そして大企業、投資家、スタートアップ間の全体的なコラボレーションを強化することなどが挙げられました。

HAX Tokyoではクライメートテックに取り組むスタートアップへの投資・支援を行っています。ご興味のあるスタートアップ関係者の方はお気軽にHAX Tokyoウェブサイトからお申し込み・お問い合わせください。


スタートアップからの相談にこたえるオフサイトイベントを開催しています

HAX Tokyoでは起業予定の方や既にスタートアップとして活動されている方、ハードウェア・スタートアップとの事業開発に興味がある大企業の皆様向けに、カジュアルな相談会を実施しています。

相談会ではHAX Tokyoでスタートアップをメンタリングするディレクターやメンター、大企業とスタートアップをつなぐHAX Tokyoスタッフが聞き手となり、大企業との連携のコツや試作開発の進め方、創業期の事業開発など、さまざまな相談をお受けします。

今後の開催予定はHAX Tokyo公式SNS及びニュースレターでご案内しますので、ぜひご登録ください。

https://twitter.com/HaxTokyo


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