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【福島記念(G3)回顧~その先へ】血統篇

【福島記念の結果】
レースは、ホウオウエミーズ(3人気)が中団追走から3-4コーナーで前に取りつき、直線で外から脚を伸ばすダンディズム(12人気)との接戦(叩き合い)を制し、これにハナ差をつけ優勝。さらに1馬身差の3着にカレンルシェルブル(4人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「3歳馬」が[2-1-1-8]複勝率33.3%をマーク。今年出走馬16頭中2頭(シルトホルン6着、グリューネグリーン7着)も馬券に絡まず。次に「逃げ・先行」過去10年の1~3着馬30頭のうち18頭が「4コーナー1~4番手」も今年馬券に絡んだ1着馬ホウオウエミーズが4角3番手。最後に「1・2枠」が過去10年で7勝をマークも、今年は3着カレンルシェルブルが1枠2番が最高着順でした。

血統面で、結果的に父か母父が欧州型の馬が1~3着を独占!! まずは「父欧州型」は、出走馬16頭中8頭内2頭(1着ホウオウエミーズ、3着カレンルシェルブル)が馬券に絡んだ。また「母父欧州型」は、出走馬16頭中6頭内1頭(2着ダンディズム)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、この時期の福島は馬場が荒れやすく、このレースを迎えるまでに外差し同士の決着となるケースも少なくない。3角付近までは内~中あたりから、なるべく距離ロスを抑えつつ、馬場の比較的良い部分を立ち回る馬が有利という捉え方がベター。

【血 統 傾 向】
米国や短距離的な適性が問われるレース!
父が米国型。
父か母父がミスプロ系。
ボールドルーラー系、ダンチヒ系、ノーザンテーストの血を持つ馬。

2023年
1着ホウオウエミーズ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ダンディズム
父マンハッタンカフェ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着カレンルシェルブル
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
2022年
1着ユニコーンライオン
父No Nay Never(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着サトノセシル
父Frankel(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/欧
3着アラタ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着パンサラッサ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ヒュミドール
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
3着アラタ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2020年
1着バイオスパーク
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着ヴァンケドミンゴ
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着テリトーリアル
父Teofilo(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/米
2019年
1着クレシェンドラヴ
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ステイフーリッシュ
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
3着ミッキースワロー
父トーセンホマレボシ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧

【福 島 記 念  血 統 背 景】

ホウオウエミーズ(牝6、美浦・池上昌和)は、父ロードカナロア×母エミーズスマイル(母父アグネスタキオン)。母のエミーズスマイルはJRA2勝。クラウンプライドの叔母にあたる血統で、姉のエミーズパラダイスはエンプレス杯で2着というダート一族。父がロードカナロアのスピードとパワー、母系のトニービンやホワイトマズルで距離を伸ばすことに成功。本馬は全5勝が稍重~重の道悪巧者。馬場が痛みやすい福島とあれば、前々走七夕賞(3着)の時のように差し込みは十分可能!?

時計がかかる馬場コンディションを得意とするタイプ。出走した芝レースの馬場状態別成績は、良が〔0-3-2-11〕と未勝利なのに対して、稍重〔3-1-0-2〕、重〔2-1-0-2〕では好走確率がアップする。ただ、近3走中2走を良馬場で3着2回と安定しており、馬場が回復しても侮れない1頭だけに要注目!?

同馬は、中団追走から3-4コーナーで前に取りつき、直線で外から脚を伸ばすダンディズム(2着)との接戦(叩き合い)を制した。中盤以降はゴールまでラップがほぼ一定で推移し、スタミナと我慢強さを問われる競馬なら、ローカル開催後半(条件付き)で狙いたい!?

ダンディズム(セ7、栗東・野中賢二)は、父マンハッタンカフェ×母ビューティーコンテスト(母父Singspiel)。ムーンクレストやフォルテ、ダノンマッキンリーの半弟で、父のマンハッタンカフェは天皇賞・春や有馬記念、菊花賞を制したステイヤー。母父シングスピールはサドラー系でも日本の馬場への適性は高い血。上がり勝負だと斬れ負けしますが、上がりが掛かる決着になれば浮上するタイプ。夏は札幌の2600mで複勝圏に入る活躍。確かに長いところはこなせるタイプで、洋芝の長丁場には合う。福島小回りコースは問題ないが、この距離だと道中の追走力に?? 時計が掛かって欲しい!?

同馬は、軽さを要求される流れだとサッパリも、スタミナを問う競馬に強いタイプ。スタート後方から進め、4角で外を回し勝ち馬との叩きあいの末、2着入線。ストライクゾーンが狭く、好走するタイミングが難しい同馬も丹頂ステークス、札幌日経オープン、そして今回の福島記念と3レース連続で馬券に絡む安定さは馬場次第で侮れない1頭??

カレンルシェルブル(牡5、栗東・安田翔伍)は、父ハービンジャー×母カレンケカリーナ(母父ハーツクライ)。アカンサスの甥で、母カレンケカリーナはJRA5勝(芝1600~2000)。近親にアーリントンメイトロンH(米G3・ダ9F)勝ちユーフォニーなど。父ハービンジャーはキングジョージを圧勝しブラストワンピース、ディアドラ、ノームコア、ペルシアンナイトなどを輩出。ハービンジャー×ハーツクライだから重厚な中距離馬で、リファール5×4・5だから粘着力に富む。春の福島民報杯を勝っているように福島2000㍍は条件的によく、斬れるタイプでは無いだけに、澱みない流れなら??

今年の春に同じ舞台の福島民報杯(リステッド・福島・芝2000㍍)を勝利。夏の七夕賞は9着だったが、上がり3ハロンタイム最速タイ(推定)で駆けており、適性の高さは示している。前走の小倉記念でもいい脚を使って5着。台頭の余地は十分にある!?

同馬は、1、2着馬と同じく後方から進め、ちょっとした仕掛け遅れが最後に響き3着入線。ただ、時計面に限界があり、好走できるゾーンは狭いだけに展開次第??


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