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【ホープフルS(G1)回顧~その先へ】血統篇

【ホープフルSの結果】
レースは、中団後方から大外を回って鋭く脚を伸ばしたレガレイラ(2人気)が、好位からいったん抜け出したシンエンペラー(1人気)を差し切り、3/4馬身差をつけ優勝。さらに2馬身差の3着にサンライズジパング(13人気)が入り、2連本命決着!! 3連大波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「前走重賞1着の無敗馬」に注目。今年はサウジアラビアRC1着ゴンバデカーブース(取消)、京都2歳S1着シンエンペラー(2着)が該当。次に「4コーナー1~4番手」に付けていた馬が好走。今年、4角2番手通過のシンエンペラーが2着、同じく5番手通過のサンライズジパングが3着。最後に「短期免許で来日中に外国人騎手」[2-2-0-4]連対率50%のハイアベレージ。今年は先ほど紹介したシンエンペラー(2着)にB.ムルザバエフ騎手、アドミラルシップ(4着)にH.ドイル騎手、タリフライン(中止)にT.マーカンド騎手などが好騎乗。

血統面で、タフな血統が走りやすく「母父欧州型」に注目。出走馬18頭中6頭内3頭(1着レガレイラ、2着シンエンペラー、3着サンライズジパング)のパーフェクト、ワンツースリー決着。

トラックバイアスからみると、芝は内が幾らか荒れてきたが、避ける必要はないレベル。ペース次第では逃げ先行馬同士の決着もある。開催を通してハーツクライ産駒の活躍が目立つ。

【血 統 傾 向】
タフな血統が走りやすく、ステイゴールドの血が活きる!?
ステイゴールド、ロベルト系の血を持つ馬。

2023年
1着レガレイラ
父スワーヴリチャード(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着シンエンペラー
父Siyouni(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着サンライズジパング
父キズナ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2022年
1着ドゥラエレーデ
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着トップナイフ
父デクラレーションオブウォー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着キングズレイン
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着キラーアビリティ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
2着ジャスティンパレス
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ラーグルフ
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2020年
1着ダノンザキッド
父ジャスタウェイ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着オーソクレース
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
3着ヨーホーレイク
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2019年
1着コントレイル
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着ヴェルトライゼンデ
父ドリームジャーニー(サンデー系/日)×母父ハンプトン系/欧
3着ワーケア
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧

【ホープフルS 血統背景】

レガレイラ(牝2、美浦・木村哲也)は、父スワーヴリチャード×母ロカ(母父ハービンジャー)。ドゥラドーレスの半妹で、ヴァルコスの姪で、母ロカはクイーンC3着。牝祖ウインドインハーヘアはディープインパクトの母で子孫に活躍馬多数の名繁殖。2戦2勝のアーバンシックとは父が同じで母が全姉妹=同血の間柄になる。父スワーヴリチャードはコラソンビートなど初年度産駒が好調でファーストシーズンサイアー首位を快走中。細身で脚長でストライドで斬れる牝馬で、アイビーSも直線脚を伸ばしていた。中山内回りを器用に差すタイプではなさそうだが…。

前走のアイビーS(リステッド・東京・芝1800㍍)は、超スローペースで前を捕らえ切れなかったが、メンバー中最速タイの末脚で勝ち馬から0秒2差の3着に入り、能力の片りんは示した。2か月ほど間隔は空いたが、調教の動きが一段と良くなっており、これまで以上のパフォーマンスに期待したい!?

同馬は、スタート悪く出遅れ後方で脚をため、3~4角で先団へ進出も大外から直線へ。直線で上がり3F(推定)最速(35.0秒)を使って一気に突き抜け優勝!! スワーヴリチャード産駒でG1を初めて勝利した馬として、牡馬路線を歩まされる可能性もあり、世代最上位クラスとして、今後も要注目の1頭。

シンエンペラー(牡2、栗東・矢作芳人)は、父Siyouni×母Starlet’s Sister(母父Galileo)。仏ダービーと凱旋門賞を制したソットサスの全弟で、BCフィリー&メアターフのシスターチャーリーの半弟。母スターレットシスターはミスワキ3×3をもつ名繁殖。父シユーニはヌレイエフ直系の名種牡馬で、シユーニ×ガリレオは名馬セントマークスバジリカと同じ。見た目はデインヒルが強く走るとナスキロ+トムフール的にしなやかなのは全兄と似る。あのストライドは大箱がベターで、京都2歳Sも直線半ばからエンジンがかかった。ダノンザキッドのように能力で勝ちきるか。

全兄ソットサスは凱旋門賞などフランスのG1を3勝、半姉シスターチャーリー(父Myboycharlie)はアメリカの芝G1を7勝という世界的な良血馬。本馬は無傷の2連勝で京都2歳Sを制しており、先々まで目が離せない。

同馬は、スタート良く先行3番手と内々の位置取り。ただ、勝負どころでの反応鈍いなか直線で先頭も、最後は差されて2着。ここ2戦はしっかり動かせる外国人騎手が騎乗しており、来春に向けて鞍上は課題?? あと、展開次第で瞬発力勝負には苦戦も、将来性はある1頭。

サンライズジパング(牡2、栗東・音無秀孝)は、父キズナ×母サイマー(母父Zoffany)。グランシエロの下で、ATCチッピングノートンS(豪G1・芝1600m)のコントリビューターの甥。母母セリシアはプシュケ賞(仏G3・芝2000m)勝ち馬。母父ゾファニーはハービンジャーと同じダンジリ産駒でリカンカブールの母父。母サイマーは名牝クードフォリーの4×3をもつ。父キズナはダービー馬でディープ後継として最も成功。ダートで賞金を積んできたが、血統的には芝中距離。時計や上がりがかかるようならヒモ穴の妙味はありそう。

同馬は、スタート良く先行4番手の外側に位置取り。ただ、4角で膨れてきた馬に外へ振られ、ゴール手前で1,2着馬に挟まれてブレーキをかける場面があり3着も、着差ほど負けていない。キズナ産駒の牡馬はパワー寄りの持久力勝負に強く、その典型型。今後は、時計や上がりがかかるようなら(芝)馬場なら前残りの穴馬として狙いたい!?


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