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2023年松本山雅 勝手に個人総括<GK・DF編>

2023年も全日程が終了し、今シーズンの総括から今後に向けての重要な再構築の季節に

結果を見ると霜田体制1年目は9位。目標である「昇格」や描いていた「設計図の完成」には値しない仕上がりに終わってしまったが、この悔しさをきちんと力に変えるためにもこれも1つの「過程」として捉えて来季以降に繋げていかなければならない。

幸いなことに今年は早めに監督の人事も決まり、目指す方向性ははっきりとしている。ということで、その点も踏まえて今オフも選手個人・チーム全体にフォーカスした振り返り記事をいくつか出していきたい。

まずは選手の個人総括のGK・DF編から。

<個人総括>

※出場ポジション別、出場時間順


■GK

・村山智彦

出場試合:23試合(23)、出場時間:2070分
成績:0G0A、警告・退場:1枚・0枚

昨年はビクトルが正GKとして起用され、リーグ戦は最終節の出場のみに留まったが、今年は12節~32節まで守護神の座を守ってGKでは最多出場に。ピッチ上では唯一のベテランになることも多かったのでチーム全体を引き締める役割としても評価され、これまで重視されてこなかったビルドアップにも果敢に参加していた姿も印象的だった。終盤は守護神の座を譲ることになったが来季はどのような構図になるか。

・ビクトル

出場試合:15試合(15)、出場時間:1350分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

霜田体制下でも開幕からスタメンとして使われてシーズンをスタート。しかし、途中で守護神の座を奪われてからは長い期間出番は訪れず。最終盤には再び出番が回ってきたが、村山とは対称的に出場機会減の1年となった。J3でもトップレベルのシュートストップは健在で、インパクトを残した試合も多かったので十分にアピールはできているがトータルでの出場数がどう出るか。狙うチームが出てきてもおかしくない。

・薄井覇斗

出場試合:0試合(0)、出場時間:0分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

オフに村山・ビクトルの2人と競るアピールをするも最後は押し出される形に。シーズン中もベテラン勢の欠場がなかったため、結局ベンチ入り0で1年を終えることになった。来年は大卒3年目で勝負の年になるがベテラン勢の去就、GKに求められる能力によっても左右されそう。出番を掴めるか。

・神田渉馬

出場試合:0試合(0)、出場時間:0分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

昨年はベテラン勢の欠場でスタメンに抜擢されたこともあった神田だが、今年は出番に恵まれることはなく、薄井同様にベンチ入りも0で終わる。まだ21歳で若いとはいえ、2種登録も含めると4年の間3番手争いをしているのでどうにか現状を打破したいところ(去年も言った気がするな……)。

■DF

・常田克人

出場試合:38試合(38)、出場時間:3420分
成績:0G3A、警告・退場:2枚・0枚

DFリーダーとして全試合フルタイム出場。J3のFPでは唯一の記録となるのでその点だけでも評価ポイントとしてはかなり高い。加えて昨年までとは違ったハイラインや後方からのビルドアップなどリスクを負うスタイルにも適応を見せ、結果的に失点は多くなってしまったが個人としての貢献度は山雅に来てから間違いなく最高だった。J3の年間ベストイレブンに入ってもおかしくないほど評価を高めている。

・野々村鷹人

出場試合:34試合(34)、出場時間:3025分
成績:3G1A、警告・退場:5枚・0枚

出場停止から一時ポジションを奪われることもあったが、終わってみるとチーム3位の出場時間。苦手分野を求められることが多かった中で奮闘を見せ、個人的にはこの1年で最も伸びた選手だと思っている。セットプレーでもプロ初ゴールを含む3得点。まだまだ取れそうな雰囲気もあった。常田と比べると希少性という点では薄いが、伸びしろも買われて上からも声がかかりそうな存在である。

・藤谷壮

出場試合:33試合(28)、出場時間:2457分
成績:1G0A、警告・退場:2枚・0枚

鉄板4人に次ぐ出場時間を記録し、新加入では唯一の50%超え。プロ入り後は怪我に苦しみ続けた彼自身にとってもキャリアハイの出場時間に。チームでは数少ない仕掛け役を任され、自陣・敵陣問わず藤谷の個人技で局面を打開するシーンは毎試合のように見られた。課題だった守備もシーズン進むにつれて向上。オーバーワークのSBで一番手を掴んだのは伊達ではないが数字をもう少し伸ばしたかった。

・下川陽太

出場試合:28試合(24)、出場時間:2027分
成績:0G3A、警告・退場:1枚・0枚

ここ2年は右での起用が多く、久々に左が主戦場に。対人の強さとリーグ2位の平均クロス数、上下動できるタフさは霜田体制でも重宝され、藤谷(8試合)、龍平(4試合)を大きく上回るフル出場13試合もそれを表している。イーブンなぶつかり合いなら負けないという安心感があった。一方、昇格のかかる終盤にかけては突然の出番減。逆足SBということもあり、立ち位置や身体の向きまで細かく求められる今年のサッカーに苦戦した面も……。

・山本龍平

出場試合:22試合(15)、出場時間:1388分
成績:1G2A、警告・退場:2枚・0枚

前半戦は守備面の課題もあって先発わずか5試合のみ、6~8月はベンチにも入れない期間が長かった。だが、27節の宮崎戦から先発で起用されると出場機会が激増。復帰した山口との相性も良く、鋭くて精度の高い左足のクロスが個人・チームともに1つの武器として定着した。山雅ではなかなか出場機会を得られずにいたが、霜田体制継続は追い風。来季の開幕を主力の立ち位置で迎えられるか。

・宮部大己

出場試合:13試合(8)、出場時間:647分
成績:0G0A、警告・退場:1枚・0枚

今年は副キャプテンに任命されるなど期待されていたものの、終わってみれば山雅に加入してから最少の出場時間に。サイドでの粘り強い守備はチーム1と言っても過言ではなく、そこを買っての起用をされていた時期もあった。一方、攻撃を得意とするSBが重宝される中で不利な立場に置かれてしまった感は否めない。出場時は前向きな姿勢も印象的だったが、さらに攻撃面を尖らせていくであろう来季はスタイルにどれだけフィットできるか。

・橋内優也

出場試合:20試合(5)、出場時間:554分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

若手の成長もあって今年はCBの3番手に。信州ダービーでのSB起用や主力の出場停止の代役から一時は続けて出番を掴む。しかし、その後は後半途中から3バックへとシフトするスイッチ役として起用され続けた。数字としてはそれほど長い出場時間ではなかったが、霜田監督からの信頼が厚かったのは感じ取られ、ピッチ内外での影響力は今年も大きかったように思う。篠原が移籍したので責任はより一層重大となる。

・樋口 大輝

出場試合:4試合(0)、出場時間:48分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

多くの若手が出場機会を得られずに苦しむ中、特指ながら4試合に出場。幸か不幸か(?)滅多に経験できないアウェイの琉球や鹿児島なども帯同して、得点が必要な局面でも投入されるなど監督からの評価も悪くなかったように思える。今治戦では同点弾に繋がるチャンスを創出、逆に大阪戦では失点に絡んでしまうなど酸いも甘いも経験できたのは来季にむけてもプラスになるはず。プロ1年目からの飛躍を期待したい。

・篠原 弘次郎

出場試合:4試合(0)、出場時間:43分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

山雅に加入して3年、怪我などもあって出場機会を得られないシーズンが続いていたが、今年は橋内とベンチ1枠を争うような構図となり、さらに出番が回って来ず。8月には関東1部のVONDS市原へと完全移籍となった。移籍後は元山雅の布監督の元でポジションを掴み、JFL進出をかけた地域CLでは過密日程の中、出場停止を除く全5試合にフル出場してわずか2失点と堅守に貢献。しかし、得失点差で栃木に及ばず2位に回り、沖縄SVとの入れ替え戦でも延長戦の末に敗戦。JFL昇格は叶わなかった。

・二ノ宮慈洋

出場試合:0試合(0)、出場時間:0分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

唯一の高卒としてポジション争いに挑み、ベンチ入りまであと1歩のところまで上り詰めるも結局不動のスタメン組、そして3番手を争うベテラン2人を上回るには至らず。ベンチ入りのハードルを考えると健闘した1年目と言っていいのではないか。8月にヴェロスクロノス都農へとレンタル修行に出てからも出番を得られなかったのは痛いが、スタメン組の去就次第ではチャンスもある。まずは初出場を目指したい。

・志村 滉

出場試合:0試合(0)、出場時間:0分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

二ノ宮と同じく、まずは3番手を目指した1年目は不本意な結末に。持ち味のフィードや地上戦でアピールしたかったが、空中戦やカバーリング、ビルドアップまで余裕を持って行うキャパが求められるCBの基準を超えるのは容易ではない。ただ一度定位置を手にすれば野々村のように一気に出場機会を掴めるポジションでもある。大卒2年目になる来年は主力争いに加わりたい。

・藤本 裕也

出場試合:0試合(0)、出場時間:0分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

志村と同じく最終ラインのポジション争いに加われず。主戦場として想定していたであろう左SBは下川・山本龍が定位置を争っていた上、(大学時代の映像を見る限り)低い位置での組み立てやフィードを得意とするタイプなのでそうした難しさもあったか。ただ精度の高い左足は重宝されやすいはず。3バックのオプションや同じく左利きの選手の去就次第では一気に序列を上げる可能性も秘めている。


MF・FW編へ続く




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