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特撮はいかにして少年の人格を陶冶するか、或いは青年の心を打ち砕くか

「平成ライダー」という特撮のジャンルに出会ったのも、小学生のときであった。
それは、勧善懲悪を基軸としたストーリーを破壊したという点で、私の人格形成に大きな影響を与えた。

この特撮シリーズの多くの作品は、子供達のヒーローである仮面ライダーが、味方にも敵にも存在するのである。
そのストーリーの中で、私は正義とは何かについて大いに考えた。
そして、主人公に敵対する仮面ライダーを解釈することに必死だった。

子供騙しで子供は騙されない。
平成ライダーは、大人になってから改めて見返してみるとその深さがよくわかるのである。
そのドラマの中で多くの人間的葛藤と闘う人たちを見て、私は自分の理想を形作ってきたのだった。

そんな尊い憧れを持って、私は少年時代と青年時代を過ごしてきた。
そして、社会人になって初めて気づいたのだ。
自分は正義側の人間ではないことに。
勿論、私は法を犯したことはないし、大多数の大人たちより道徳を遵守している自信はあった。

だが、自分の中にあるエゴイズムだけは、これだけは、社会という環境を持ってしても、どうにも片付けようがなかった。
そしてそのエゴイズムの暴走こそ、特撮が「悪」としてずっと描いてきたテーマの一つではなかったか!

社会に出て私が最初に学んだのはこの事実だった!
これは私にとって、とんでもない発見だったのである。

私も、かの主人公たちのように闘わねばならぬのだろうか。
それとも、エゴイズムを受容しながら棘の道を進めば良いのであろうか。

現実では、弱さの中に格好良さがあり、強さの中に醜さがある。
だからこそ、それを描いたり、逆転したりしたドラマが、テレビという理想の中で肯われるのである。

私は苦悩した末に産み出した哲学で自分を固めても、生き方を選択できるほど大人になれはしなかった・・・。

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早川 あすむ

東京に暮らす社会人。 半生や考えたことや本の紹介を書いていきます。 何かございましたらお気軽にどうぞ→ hayakawa.asumu1991@gmail.com

私の半生記

半生を綴った記事です。
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