女友達noteヘッダー

私の女友達たちは、女の子と付き合ってる。

こんにちは、ハヤカワ五味です。


私の周りには色々な人がいます。

障害者手帳持ってるパリピとか、めちゃくちゃハッピーなゲイの人、このご時世に隠れキリシタンの人。自分の仕事柄もあって様々な人が身の回りにいるのだけど、大学時代に仲良くなった友達がレズビアンだったので、彼女と過ごしていく中で「レズビアンから見える世界」を少し垣間見た。

そんな中、最近になってLGBTQ+と出生率に関してのニュースやツイートを多く見かけて、居ても立ってもいられずこのnoteを書いています。

同性婚をOKすると出生率が下がるというのは、どういった理論なのだろうか。

ゲイやレズビアンといったような性的指向は、なろうと思ってなるものではないし、自分で変えられるものでもないのだ。それゆえ同性婚を認めることによってLGBTQ+だと自認する人や公言する人が増える可能性はあるけれど、同性婚を認めることがすなわち出生率の低下に寄与するというのは理論が飛躍していないだろうか?

だって私のような異性愛者だって、結婚制度を使えるから、好きになる性別を異性に設定してたんでしたっけ?もし仮に、この日本で同性婚しか許されてなかったとしても、きっと異性のことを好きになり異性と結婚したいと願うのではないか。

と、まあ、考えていけば不思議なニュースなのだけど、それでも否定的な人がここまで多いのはどうしてなんだろう?


も し か し て 、

ゲイの人に襲われるのが怖いとか、
女友達がレズビアンだったら2人で一緒にいたくないとか、
自分達と相容れないとか、
なんか、よくわからないから気持ち悪いとか、

そう思ってたり…?

わからないことって怖いよね。わからないとどんどんと怖いイメージが膨らんじゃうと思うし。


ー リサと五味ちゃん、女の友情

よく「男女で友情が成立するか」って話がある。それってつまり「相手が恋愛対象になり得る関係性の中で友情が成立するか」ってことなのだと思う。この考えでいけば「異性愛者の女性と同性愛者の女性で友情が成立するか」という議論にも置き換えることができるのではないか(一方的な関係にはなってしまうけれど)。

私は結論から言えば、異性愛者の男女での友情も、異性愛者の女性と同性愛者の女性での友情も、成立すると思っている。

なぜなら、私にはレズビアンの親友リサ(仮名)がいるからだ。


そもそも私とリサの出会いは大好きな人狼コミュニティにて。

趣味思考などが合うこともあってすぐに意気投合。一緒に展示会に行ったり、様々議論しあったりして自分としてもすごく一緒にいて楽しい友人ができて良かったなと感じました。


そんな中で、ある日、深夜にカフェでお茶をしている時にリサが言った。

「実は私…レズビアンなんだよね」

へえ〜と言う私のあっさりした反応に、リサは少し拍子抜けしていた。

というのもリサ本人は今まで、友人にも殆どカミングアウトをしたことが無いらしく、緊張しながら言ってくれたとのこと。そんな中でカミングアウトしてくれた理由が気になったので聞いてみたら、

「五味ちゃんは頭がいいからアウティングしたらどうなるかの予測が立ちそう。つまり、口が固そう。あと周りに色々な人がいるからレズビアンくらい気にしなさそう笑。」

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そうか「◯◯ちゃんなら知ってると思って…」とかいった、悪気のないアウティングもあるのだろうなあとその時は漠然と思っていたけど、とはいえ、リサがレズビアンだろうがそれでお互いの関係が変わるわけでもないし、私のりさへのリスペクトも減るもんじゃないから気にしていなかった。

その日は、結局、最近見た映画の話で盛り上がって解散。いい日だった。


ー 悲しき、嘘つきレズビアン

そんなある日、たまたま6人の女子会に私とリサも参加することになった。普段大人数での飲み会とかは苦手なのだけど、その日はリサもいるしみんな仲よかったから行くことにしたのだ。

シックでおしゃれなレストランで、みんなでシャンパンを飲んだりなどしながら、仕事の話、最近買ったコスメの話と盛り上がって行くうちに、話はある子が最近彼氏と別れた話になった。

「五味ちゃんは彼氏と上手くいってそうでいいな〜」

と言う友達に、まあ付き合い始めたばっかりだからさと笑って返したりする。当時の私は同棲していたので、同棲での大変なエピソードを話したら大盛り上がり。そこで、一人の子が言った。

「ていうか、リサは最近どうなの?彼氏いるの?」

あっと一瞬の気にならない程度の間があったがリサは答えた。

「んー!最近はマッチングアプリとか使ってるよ!街コンとか行ってみたいかも。」

唯一、リサがレズビアンだと知っている私は、嘘をつかずに、でもレズビアンだということを気づかれないように話すリサを見た。話はそれで終わるわけもなく別の子が「ていうか、リサってどういう男性がタイプなんだっけ?」と聞く。私は、ちょっとやめてくれと内心思ったけれど口をつぐむ。そんな中リサは言った。

「インパルスの板倉さんみたいな人タイプかな…」

嘘じゃん!と私は思う。絶対インパルス板倉とか興味ないじゃん!

みんなは、インパルスの板倉さん?!と盛り上がっていたけれど、嘘をついているりさの苦い顔が辛くて「あ、そういえば私は林修が好きなんだよね!」と会話のボールを奪い取った。

え〜意味わからないんだけど、と私に会話が集まってくる。ちょっと安心した表情のりさを見て、普段からこういう小さな嘘をつみかさねなきゃいけない彼女のことを思ったら少し胸が苦しかった。私はそれ以降”彼氏・彼女”ではなく”パートナー”とか、場合によっては”恋人”とか、そんな言い方にしている。


ー 恋した相手は”ノンケ”

そんなリサにも最近だいすきなパートナーができた、名前はエリカ。

あのリサがゾッコンなお相手はどんな人なのか気になりすぎて、友人カップルも招いて6人でトリプルデートみたいなこともした。最近付き合い始めたリサ&エリカカップルと、これまた仲良しな女の子カップルあや&みな、そして私ハヤカワ&そやという男女カップル1組でのデートだったけれど、つまり女5人男1人なのでなかなか不思議な空間だった。

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あやみなカップルはリサエリカの2人と面識がなかったけれど、トリプルデートをしよう!と引き合わせたらすぐに仲良くなった。そして今では3組6人のライングループが毎日のように盛り上がっている。

というのも、エリカは今まで男性としか付き合ったことがない女性で、周りにも相談できる人がいなかったらしい。リサも周りにカミングアウトしている友人が少なかったり遠慮してしまって、なかなかパートナーシップについての相談や惚気などができなかったみたいで、今回みたいに私やあやちゃんみたいに相談できる仲間がいるのはすごく嬉しいと言っていた。

エリカは「なんか、たまたま、リサにすごく惹かれたんですよね。自分でも不思議」と言う。

私は交際前よりリサから話を聞いていたので「ノンケ相手に果たして気持ちは伝わるのだろうか…!」と人一倍ハラハラしていた。し、交際が決まった時は日本で一番喜んでいた自信がある。嬉しすぎてそやとハイタッチして盛り上がった。


ー 性的指向はグラデーション

「たまたまってことは、エリカちゃんはパンセクシュアルなのかな?」とあやちゃんが言う。あやちゃんとは、性のあり方や多様性について発信するメディアを運営しているPaletteというLGBTQ+向けのサービス開発をしているハンサムな女の子だ。

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(写真左があやちゃん、右がみなちゃん)

「うーん、でも、私はたまたま、リサが好きなだけだからパンセクシュアルだなという自認は無いんだよね。それが自分のアイデンティティだとも思わないし。だから強いて言うなら、リサセクシュアルかなあ?笑」

※パンセクシュアル=セクシュアリティに関係なく、あらゆる人々に恋をしたり、性的願望を抱いたりする人のこと。

照れ屋なリサは顔を覆ってジタバタしている。

でも確かに、私自身も、今までたまたま男性のことを好きになってきたけど、それ以外の性別の人を好きになることもあるだろうなあと思うし、あやちゃんと付き合っているみなちゃんも”Aロマンティック”というセクシュアリティだと公言していて、それはそれで一つのあり方だなあと感じる。よくあやみなカップルが言っている「性的指向はグラデーション」というのは納得感がある。

※Aロマンティック=恋愛感情を持たない人のこと。ちなみにみなちゃんの場合は、人を愛するときに恋愛感情(ドキドキ/独占したい/付き合いたい…)を経由しないセクシュアリティなんだと教えてくれた。


ー いないことにされている”LGBTQ+”

私の周りにはLGBTQ+の友人がとりわけ多いように感じるが、実際も、左利きの人口と同じくらいいるらしい。

とはいえ、周りの人の話を聞いていると自分に近くにはいないと思っている人が多い。

私のパートナーそやくんも「レズビアンとかゲイとか、偏見ないつもりだけど周りにいないからよくわからんなあ」と言っていた。でも、実は公言していないだけで、案外あっさり身近にいるものなのだ。実際に、私の周りには10%くらいの確率でいるなあと感じる。

あまりにも異性愛が当たり前だとされる世界の中で、それをいつの間にか"普通"だと強要されているので中々言えない。LGBTQ+当事者はいないことになっているだけである。そんな彼らの気持ちを心に抱いて過ごす日々は、今までとちょっと違くてちょっと息苦しい世界だった。だから私は、心がけて”彼氏・彼女”ではなく”パートナー”という言葉を使う。たったそれだけのことだけど、それで少しでも息苦しくない人がいたら良いなあ。


ー ゲイでもレズビアンでも、友達であることに変わりはない!

最初の問いに戻りますが、「男女で友情が成立するのだろうか」そして「異性愛者の女性と同性愛の女性で友情が成立するのだろうか」

私は一貫して「男女の友情は成立する」派ですが、それに加えて「異性愛者の女性と同性愛者の女性でも友情は成立する」と言い切りたい。

あくまで私個人の意見にはなってしまうけれど性別とか国籍とか色々なものを抜きにして、心からリスペクトできる人、夜が明けるまで議論したい人、辛い時に一緒にお酒を飲んで馬鹿騒ぎしたい人が私にはいる。

レズビアンだって、同性愛者の前に人間なんだよなあ。きっと気が合う人もいれば合わない人もいる、ただそれだけの話だ。

ただそれだけの話なのに「同性愛者は」と一括りにして、いなかったことにしようとする人がいるのであれば私は全力で抗議していきたい。


世界とか法律も大事だけれど、まずは私から、そしてこれを読んでいるあなたから、1人でも多様性を肯定できる人が増えたら嬉しいなあと思い、このnoteを書きます。


文・ハヤカワ五味
 イラスト・Eika 

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