未必のマクベス_文庫_枠付

「お詫びしたい気持ちでいっぱいです」 書店員、担当編集S、営業部員Oが謝罪!? 早瀬耕『未必のマクベス』(ハヤカワ文庫JA、9月21日刊行) 文庫化の裏話を公開!(前篇)

早瀬耕『未必のマクベス』文庫化にあたり、書店員、担当編集、営業部員の座談会を開催。9月下旬の刊行に向け、白熱した議論が交わされました。

書店員U(以下U):書店員歴は27年です。
全国各地でPOPの授業もやっていて、年間十数か所、小学校から大学まで回って、POP制作の魅力を伝えています。よろしくお願いします。

書店員S(以下S):書店に入って6年目、文芸を1年だけやって、あとはずっと文庫担当ですね。
色々な売り方を教えていただければと思います。よろしくお願いします。

書店員T(以下T):書店員歴は13年です。今は店長として全ジャンルを統括しています。
うちの店から「日本一売った本」を出す、というのが僕の野望です。

U:もうあるんじゃないの? 日本一。

T:いや、まだないんですよね。

U:Sさんのところは文庫販売冊数日本一ある?

S:毎年なんとか十点は出しています。今回は頑張りたいですね!

営業(以下営):僕はもともと出版とは違う業界におりまして、数年前に早川書房に転職しました。
この『未必のマクベス』は僕の転職のきっかけになった本でして……。

U「人生を変えた本」だね。

:まさにそのとおりです。
今回の文庫化に関われて、本当に嬉しく思っておりますし、何がなんでも売りたいです。
今日は皆様のお力を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。

編集(以下編):『未必のマクベス』編集担当です。皆様のご意見をぜひ伺いたく。
今日はよろしくお願いいたします。
僕の入社が1991年で、本作『未必のマクベス』の著者・早瀬耕さんのデビュー作である『グリフォンズ・ガーデン』が1992年刊行。
これは、ゼミの卒業制作として書かれた作品で、
今でいう仮想世界と現実世界を交互に描いたSFなんですね。
当時僕は入社2年目で『グリフォンズ・ガーデン』の刊行には関わっていないのですが、『未必のマクベス』の刊行にはある裏話があって。
2014年の初めに、編集部にある電話がかかってきたんです。
で、僕がその電話をとったら、「以前、御社で本を出版した早瀬耕と申しますが、2作目が書けたのでお送りしてもよろしいですか?」と。
なんと22年ぶりの作品なんです。若手社員でなく、僕がとったのが幸運でした。
早瀬さんのことは存じ上げていたので、「ぜひ送ってください」とお伝えしました。

S:それを最初に聞いたとき、その話をPOPにしたいなと思ったんです。

:もともと僕は片岡義男さんやノワール小説が大好きなので、この『未必のマクベス』は大好きな小説なんですね。
なので、何とかして売りたいなと思いまして。
SF作家・飛浩隆さんの『グラン・ヴァカンス』というSFがあって、それを刊行するときに、当時はツイッターなどないので、書評系のブロガーに送って話題にしてもらった成功例がありました。
そこで、『未必のマクベス』単行本刊行時にツイッターで一般の方を中心に募ってゲラを送ったのですが、反響が少なくて。

S:書評は出ましたよね、大森望さんとか。

:「超おしゃれな島耕作」とかね。他にも、北上次郎さんにも絶賛いただきました。
同年、大藪春彦賞の候補にもなったんですが、なかなか部数は伸びず。
今は、SFマガジンで不定期に“前作『グリフォンズ・ガーデン』の後日譚”という
位置づけで短篇を書いていただいています。
今になって思うと、僕の立場がSFマガジンの編集長なので、読者が僕の担当作品に対して抱くイメージは「SF」なんですよ。
もともと僕が好きなのはミステリや冒険小説などですが、僕が個人で発信しても受け取る側の印象が違うのかなと。
なので今回はみなさんの力をお借りしたい。団体戦です。

ベテラン書店員さんたちの本作への率直な感想は!?「お詫びしたい気持ち」とは?
後篇はこちら→
https://note.mu/hayakawashobo01/n/nc9ef805df0b4

★9月21日発売★
『未必のマクベス』
著:早瀬 耕
価格:1,080 円(税込)
ISBN:9784150312947
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013660/




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