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米国女性向けシューズD2C市場の関連企業について(ROTHY's BIRDIES)

サイバーエージェント社長室で藤田ファンド担当の坡山 里帆(はやまり。)です。スタートアップへの投資業の一貫として、日々勉強している内容をこちらでアウトプットしています。

米国の女性向けD2Cの市場規模や最新D2Cの製品紹介と資金調達情報、これらを日本で展開するにはどうすればいいと思うかなどを書いています。このような内容を知りたい方に読んでいただきたいです。

個人的に、米国のD2C(Direct to consumer = 消費者に直接商品を届ける形態)企業の中で、私が特に気になっている女性向けのカテゴリを調べていくことにしました。今回はその2回目の記事で、前回の記事はこちらです。

米国の靴のEC市場について

米国の靴店の売上高は、2017年時点で約355億ドル(約4兆円)であり、米国のEC化率を10%とおくと靴のEC市場は約36億ドル(約4,000億円)の規模感です。前回の下着EC市場が、最大13億ドル(約1400億円)だったので3倍近く大きな市場ですね。

以下では、米国発祥の企業の中で、現在私が注目している2社を取り上げたいと思います。

■1社目:Rothy's

サンフランシスコ発祥のフラットシューズRothy's(ロージーズ)。創業者は、Roth Martin氏とStephen Hawthornthwaite氏という中年男性2人組です。

同社の製品の1番の特徴は、水などのペットボトルのリサイクル繊維で作られていることです。着想は、創業者2人のインタビューにもあるように、サンフランシスコで自分たちの妻が1日中履いても疲れない靴がないことを嘆いていたことからでした。坂がちなサンフランシスコでも女性が疲れにくく、長時間履いていられるように設計されており、丸洗いすることも可能です。子供と公園などで遊ぶお母さんは特に重宝しそうですね。

さらに、環境への配慮への強いこだわりから、同社の製品は3D機器で立体的に編まれており、最小限の材料を使うことで素材の裁断時にでる無駄が一切ありません。かかる時間も1足につき約6分というのも驚きです。

イギリス王国のメーガン妃が、ヘンリー王子との2週間のロイヤルツアーで履いたことも話題になりました。ネイビーのフラットシューズでビーチを歩くメーガン妃と同じものを買いたくなるのが女心ですね。

現在は、女性と子供向けの商品を展開しており、4種類の型があります。靴の価格はそれぞれ、先が丸い「THE FLAT」は125ドル、尖ってる「THE POINT」は145ドル、足の甲を覆う「THE LOAFER」は165ドル、ソールがゴムになっている「THE SNEAKER」は125ドルです。

Rothy'sは、DIGIDAYによると2018年初頭にGoldman Sachsから3500万ドルの資金調達を実施し、現在総額4200万ドル(約46億円)相当を調達しています。これまで同社が売った靴は140万足を超え、2018年度の売り上げは1億4000万ドル強になる見込みだと共同設立者のRoth Martin氏が同年12月に語っています。

下記の画像のように、公式サイト上で気になっている商品を同時に3つまで比較することができるのもユニークです。会社でヒールからフラットシューズに履き替える用途に購入してみたいと思います。

■2社目:BIRDIES

サンフランシスコ発祥の女性用スリッパを展開するBIRDIES(バーディーズ)。2016年創業で、忙しい女性のために生み出された高価格帯のスリッパを販売しています。創業者はBianca Gates氏とMarisa Sharkey氏の女性2名。

製品は、スリッパの柔らかさ、スニーカー並みのサポート力、そしてデザイン性を兼ね備えています。素材も特徴的で、豪華なスエードやベルベットなどが使用されており、刺繍やタッセルなどのアクセントが非常におしゃれです。スリッパと言っても室内履きだけではなく、外出のために履くフラットシューズも含んでいます。

TechCrunchによると、今年シリーズAラウンドで、800万ドル(約9億円)をNorwest Venture Partners等から調達したようです。シード期にForerunner等から調達した200万ドル(約2.2億円)と合わせて、総額1,000万ドル(約11億円)を調達しています。

同社のスリッパ製品の価格帯は、1足あたり95ドル〜140ドル(1〜1.5万円程度)。米国の靴消費にかける年間平均金額(2019年度)が1人あたり平均277.09ドルであり、1足あたりの単価は平均34.09ドルなので年間消費金額の半分近くの値段感になります。

インスタグラムの世界観も統一されており、シンプルな背景にカラフルなシューズの絵が映えます。子供とお母さんを自宅で撮影した投稿もあるように、お母さんをターゲットにしていることが読み取れますね。

考察(私はこう思う)

純粋な個人の感想としては、いわゆるD2Cと言われている商品に対して、最新でかっこよくてイケてると思いました。

それを客観的に紐解いて見ると、ECとの違いは、社会へのメッセージ性の強さや、商品数が限定されている、技術的に新しいものを取り入れている、値段が比較的高い点などが挙げられそうです。

購買する時をイメージすると両者の違いは顕著です。例えばZOZOを例にとると、気になる洋服の形や色が決まっている、または完全に欲しいものが決まっているタイミングで、Webサイトにいき、類似商品のサジェストを回遊しながら欲しい洋服を見つけて、値段や雰囲気を比較した後購入に至ります。(既存のブランド価値を気にする)

それがD2Cだと、直接個別のブランドのLPへ行き、商品の成り立ちのストーリへの思いを汲み取り、強いメッセージ性への共感があって、身につけている自分がカッコいいだろうと感じ、値段が比較的高くても購入に至ります。(既存のブランド価値は気にしない)

ここで日本でも流行る可能性があるかを考えてみたいと思います。前提として、実は女性用のフラットシューズはクッション性が少ないものも多く、意外と疲れるんですね。(特に私はハイアーチという形の足をしており、フラットシューズでは歩きにくいのもあります。)なので、Rothy'sのようにソールがゴムで、インソールがクッション性がきちんとあり、ソールのみの交換も10ドルほどでできるものが、1万円程度で購入できるとなると今後日本でも流行ってくるのではないかと思います。

さらに、日本の家事事情に関して調べると、日本の主婦が1日で平均175分家事を行う(男性は1時間未満)ので、家庭内で家事をする時にはBIRDIESを履くのが良さそうだと思いました。女子としては、身につけているものが綺麗で可愛いことに気分がよくなることも多い(ネイルなど)ので、会社勤めの人々が通勤シューズにこだわるのと同じくらいスリッパの機能性を重視し、少々高い金額を投資しても可愛いBIRDIESのスリッパを購入するのもありなのでは?と個人的には思いました。(ただし現在は日本への配送は行なっていない様子)

日本で機能面で女性に人気のスリッパはPansy(パンジー)が挙げられます。私も持っているのですが、少しヒールがありクッション性が高いので、スタイルアップしつつ何時間履いても疲れづらく重宝しています。価格は1足あたり3000円〜4000円程度とBIRDIESに比べるとリーズナブルで、こちらは自社ECサイトおよびAmazon楽天での購入が可能です。

実際に私が普段履いているスリッパが以下の画像です。シックで汚れも目立ちづらく疲れにくいので非常に重宝しています。靴底に滑り止めがついているのでフローリングでも滑らないのも魅力的です。

機能面を考えるとPansyさんからフラットシューズが出て欲しいところですが、シンプルな単色のデザインが多く華やかさがもう少し欲しいなと個人的には思います。つまり、フラットシューズに特化した人気のある日本初のブランドは現状出てきていないと思われます。フラットシューズはヒールのある靴に比べて華やかさを出しづらく、かつビジネス面でフォーマルと見なされないなども理由にあげられるかもしれません。

海外だとメーガン妃や他の有名女優が履いて上記の2ブランドの人気が上がったように、日本でも人気の女優やモデルが履くことで人気が上がる可能性もありますが、そもそもフラットシューズ特化のブランド自体がありません。

日本で人気になるフラットシューズを生み出すには、アシックスが手がけるOnitsuka Tigarのようなスニーカーで培われた機能性とデザインを兼ね備えた既存のブランドから波がくるのではないか?と予想しておきます。

女性がスニーカーを買う選択肢を持つ時の代替品としてフラットシューズを選ぶというのが現実ラインかと思われます。スニーカーブランドからのフラットシューズ展開が来る日がくるのを待ち望んでおります。

このnoteを読んで少しでも新発見があった方がいれば、ぜひ『スキ』を押してもらえると嬉しいです!今後もnoteを描き続け得る原動力になります。

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嬉しまりまりです。
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はやまり。

(株)CyberAgent 社長室 投資戦略本部(通称:藤田ファンド) 海外のスタートアップ事例について調べます。Femtechに注目しています。

D2Cとサブスク関連

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