君が夢を叶えたいのなら、全ての責任は自分でとれ。

こんな話をしよう。
あれは春の暖かな日差しがぽかぽかと気持ち良い日だった。
僕は、先輩が頭金無しのフルローンで買ったばかりのバカでかい外車に乗せてもらっていた。
先輩は上機嫌で走りながらハンドルを右に左に切り、車をウネウネさせていた。なぜか先輩に「おい、はやまる!!テメーここはハコ乗りだろバカヤロウ!!」と上機嫌に怒鳴られた。

先輩だったから言えなかったが正直、死ぬほど気持ち悪かった。
運転している先輩を蹴飛ばして窓から突き落とそうと62回くらい考えていた。
確か立体駐車場に車を止め、ご飯を食べに行った。
僕は先輩のおごりだというのでファミレスですんごい食べた。怒りを食欲にぶつけてやった。

車に戻ると先輩がアセアセしていた。
「あれっ!?ないっ!ないよ!?」
「、、、どしたんすか?」
「くる!車のカギ!カギがない!!」
「、、、カギ、運転席のとこささってますよ。、、まさかキーロックしたんすか?」
その当時、先輩はカギでロックをせず、車のロックボタンを押してドアノブを引きながらロックをするという特殊なやり方で車のロックをしていた。
そして今回、それが仇になった。

「うわああああああぁぁぁ!!!!カギいいいいい!!!!」

SEKAI NO OWA、、、じゃない、この世の終わりみたいな絶望感に満ち溢れた顔をしていてとても面白かった。
人の不幸は蜜の味って言うのは本当だと思う。

「こりゃあ業者さん呼ぶしかないですね、、、」
ちょっとニヤけながら僕は先輩に伝えた。

「てめぇ!!!!舐めた事言ってんじゃねーぞ!!あーゆー業者はすげえ高いんだよバカヤロウ!!」

「と言っても、、、どうすんすか?」

「うわああああああ!!!考えろ!!考えろ俺えええええええっっ!!!!」

オーレ!!とか合いの手でも打ってやろうと考えた瞬間、先輩が後部座席のドアにゴキブリの様にしがみついた。

正確には窓と言った方がいいかもしれない。
先輩の車の窓は、今の車と違って下に下がるのではなく車の外側に向けてポコっと飛び出るタイプだった。

先輩はその窓の隙間に指を入れてグイグイ引っ張り始めた。

「先輩、、、それ、、ガラス割れるんじゃないですか?」

「大丈夫だ!俺の計算ではこのガラスを止めてる金具がぶっ壊れる!!外から見れば見た目は分からねえ!!これが被害が1番小せぇ!!」

「ほんとっすか?」

「まかせろ!!ぜってえ上手くいく!!せーの!!」

ばぎゃああああああああああん!!!!!!

先輩が後ろにすっ転ぶのと同時にド派手な音が駐車場に鳴り響いた。

その瞬間、車が危険と判断したのかセキュリティスイッチが入ったらしく周囲にクラクションが鳴り響いた。

車は思った通り、先輩が引っ張っていたガラスが粉々に砕け散った。

先輩の予想とは反して被害は1番最悪に大きくなった。

その後、先輩は打って変わったかのように無言で窓ガラスの無くなったドアに手を突っ込みドアを開け何事も無かったように運転席に乗り込んだ。

帰りは全く会話がなかった。

気まづい、、、そう思って先輩の顔を見ると先輩は涙と、汗と、鼻水とよだれ、、、顔から出る体液を全部出しながら運転していた。

先輩はそのあとも半年は窓ガラスにダンボールを貼って過ごしていた。

しかし、なぜか全然気にしていなかった。先輩はその話をしょっちゅう女の子のいる飲み屋で話し周りを爆笑させ女の子から支持されご機嫌だった。

あろうことかその後、先輩には彼女ができた。そしてダンボールを貼った車でデートまでしていた。

その光景を見た時僕は、嫉妬で狂って先輩の車に食べかけのガリガリ君をぶつけてやろうと思った。

今回のまとめ

みんなも夢が窓ガラスのように砕け散っても、また新しい夢を持とうね。

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