林田力『東急不動産だまし売り裁判』

新築分譲マンション販売トラブルを消費者契約法の不利益事実不告知で解決した裁判を描くノンフィクション書籍『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』

【警察不祥事】埼玉県警川越署巡査の詐欺未遂初公判

さいたま地検は2019年5月16日、川越署巡査を詐欺未遂と地方公務員法違反の罪で、さいたま地裁に起訴した。起訴状などによると、地方公務員法違反は、川越署巡査が2019年2月に個人情報を第三者の40代男性に教えたことである。詐欺未遂罪は、川越市内で病死した男性の遺族に対し、2019年3月に遺体の防腐処置費用に現金50万円ほどかかると嘘をつき、だまし取ろうとしたことである。

初公判で川越署巡査は起訴

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奥田亜希子『五つ星をつけてよ』

奥田亜希子『五つ星をつけてよ』(新潮文庫、2019年)は日常生活を描いた短編小説集。令和元年五月一日発行の令和刊と言うべき作品である。本書のインターネットが生活に入り込んでいることを感じさせる。昭和では書けない、令和時代に出版することが相応しい小説である。

表題作「五つ星をつけてよ」はインターネット上の口コミサイトの評価を確認しなければ買い物できない女性を主人公とする。情報化社会に振り回されるこ

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日本銀行「失敗の本質」

原真人『日本銀行「失敗の本質」』(小学館新書)は日本銀行の金融政策の失敗を主張する書籍である。タイトルは第二次世界大戦の日本軍の失敗を分析した『失敗の本質 日本軍の組織的研究』に由来する。帯にも「日本軍と黒田日銀 その驚くべき相似」とある。

本書は政府の財政赤字を日本銀行に押し付け、紙幣をじゃんじゃん刷れば良いという非論理的で非科学的な主張を日本軍の精神論根性論と重ねて批判する。私は本書の批判に

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アイドル国富論 聖子・明菜の時代からAKB・ももクロ時代までを解く

境真良『アイドル国富論 聖子・明菜の時代からAKB・ももクロ時代までを解く』(東洋経済新報社、2014年)はアイドルを日本経済と絡めて論じた書籍である。本書は市場主義を受け入れる程度のマッチョさを持ちつつも、グローバルエリートを目指さないヘタレマッチョ達がアイドルを支持すると分析する。むしろ私は昭和の精神論根性論や集団主義のマッチョを否定する人々がアイドルを支持していると考える。

本書はマッチョ

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ゲノム編集の光と闇 人類の未来に何をもたらすか

青野由利『ゲノム編集の光と闇 人類の未来に何をもたらすか』(筑摩書房、2019年)はゲノム編集について解説した書籍である。「クリスパー・キャス9」は従来の遺伝子組み換え技術に比べて、狙ったDNA配列を効率よく、正確に、切り貼りできる画期的な技術である。これによってゲノム編集は大きく前進している。但し、現在の技術水準では狙いとは異なる遺伝子に変異が生じるオフターゲットを排除できず、臨床への応用はリス

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